日本共産党の「外国人の人権・労働・共生に関する委員会」は8月18日、埼玉県のクルド人コミュニティーの実態調査をふまえ、非正規滞在の外国人に就労や医療、教育を受ける権利を保障するよう関係省庁に求めました。委員会責任者の仁比聡平参院議員、事務局長の本村伸子衆院議員と、塩川鉄也、宮本徹両衆院議員、井上哲士参院議員、梅村さえこ元衆院議員(衆院北関東比例候補)、山﨑すなお埼玉県議が出席しました。
党議員らは、子どもと家族を在留特別許可しようとする新たな政府方針について、日本での出生や親の事情で線引きすべきでないと追及。出入国在留管理庁の担当者は「一刀両断には切りづらい。個別に判断する」と繰り返しました。仁比氏は「人道配慮を貫くべきだ」と入管行政の転換を求めました。
非正規滞在の外国人は、就労や他県への自由な移動が認められず、健康保険証もないなど深刻な状況に置かれています。
宮本氏は、医師法上、医師は治療が必要な人がいれば応じなければならないのに、保険証がないために医療が受けられなかったり、医療機関が負担をかぶったりする事態が生じていると指摘。「人権を守る観点から考えるべきだ」とただしたのに対し、厚生労働省の担当者は「意見は承る」と述べるにとどめました。
一方、妊婦への母子健康手帳交付や妊産婦検診について、こども家庭庁の担当者は「在留資格にかかわらず母子保健行政が行えるよう周知している」と答弁。文部科学省の担当者は、義務教育の無償は「日本人と同一」と答えました。
梅村氏は、部活の遠征や修学旅行のために入管に毎回許可を得なければならず「いないものとして扱われている」と訴える子どもの声を紹介。山﨑氏も「簡便に許可がとれることは子どもたちがここで暮らし続けたいと思うためにも重要」と訴えました。逃亡などが起きたケースがあるかただしたのに対し、入管庁は「把握していない」と認めました。(しんぶん赤旗 2023年8月19日)
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