「在外邦人のDV被害者を守れ―ハンガリー殺害事件の検証を―」と題した集会が4月16日、国会内で開かれました。主催は「ちょっとまってよ共同親権ネットワーク」。
ハンガリー殺害事件は、今年1月、ハンガリーで日本人女性が元夫から暴力を受けた末殺害された事件です。
集会でこの女性を知る友人たちからのメッセージが読み上げられました。「(日本大使館に)助けてほしいとお願いしたのに、子どものパスポートは出せないと言われ、落ち込んだ彼女を私たちは何回も励ましたことでしょう」と大使館の対応に疑問を呈し、「女性の命を守ることを優先するよう」求めました。
「ハーグマザーズジャパン」がオンラインで報告。同団体はDVから逃れるために海外から日本の家族の元に逃げた結果、加害者に子どもが連れ去られた時に返還を求めることができるハーグ条約を用いた法的・制度的暴力を受けたり、“連れ去り”と言われるのをおそれて日本に帰国できない当事者たちのグループです。
「海外でDV被害被害に遭ったら、どう転んでも救われない構造」だと言い、「このハンガリー事件は氷山の一角」で、帰国できずDVにさらされ続けていたり、実際に亡くなった仲間もいると報告。「ハーグ条約を子どもとDV被害者を守ってくれるものに変えてほしい」と訴えました。
石井眞紀子弁護士は、ハーグ条約について「“連れ去り”は違法であると定めた条約ではないが、条約ができた当初DV被害に対する問題意識が薄かった」とし、現在、世界的に見直しの機運が広がっていると報告しました。
外務省の担当者が出席し、対応に問題はなかったこと、DV被害相談はたくさん届いており、研修は必要だと考えている、と答えました。
集会には日本共産党から仁比聡平参院議員が出席。立憲民主党、社民党の国会議員も出席しました。(しんぶん赤旗 2025年4月17日)