JR採用差別問題の政府解決案を当事者と支援者の4者4団体(注)が受け入れたことを受け、国鉄労働組合(国労)は4月26日、東京都内で第78回臨時全国大会を開き、解決案を承認しました。

 あいさつした高橋伸二委員長は、「仲間に支えられ、23年余の苦難に満ちた生活とたたかいを継続し、解決の扉を開くことができた」と強調。「合意内容は必ずしも手放しで喜び合える内容でないが、当事者と家族の窮状をかんがみ、早期解決が求められていた。雇用も含め、最後までねばり強く努力する」と述べました。

 浜中保彦書記長が、政府和解案の内容と経過を報告し、裁判の和解手続きを進めることや雇用問題を最重点課題として取り組むなどの方針を提案しました。

 討論では、「福知山線事故から5年でもあり、安全問題からも分割・民営化を総括すべきだ」(近畿)、「北海道に仕事はなく、雇用の解決が求められる」(旭川)、「全国の支援に励まされ、不当な差別は許さないとたたかった。失った時間は戻らないが、人生の再出発にしたい」(闘争団全国連絡会)などの意見が出されました。

 JR採用差別問題は、中曽根内閣が強引にすすめた国鉄分割・民営化の際、国労や全動労(現建交労)の所属組合を理由として労働者を不採用とした国家的不当労働行為で、解決を引きのばしてきた政府の責任が問われていました。

解決へ個々が出発点 報告懇親会

 JR採用差別問題が解決に向けて最終段階に入ったことをうけ、国鉄労働組合(国労)は4月26日、東京都内で報告懇親会を開きました。

 高橋伸二委員長は、「政治解決に向けて、支援をいただきました。残された雇用をどう確保するかという課題があります。当事者が笑顔で喜び合える日まで、引き続き援助をお願いします」とあいさつしました。

 各政党の来賓が招かれ、日本共産党からは穀田恵二衆院議員と仁比聡平参院議員、紙智子参院議員が出席しました。あいさつの中で穀田氏は、「これまでたたかい続けた当事者と家族のみなさんに敬意を表します」と延べ、「ここが出発点であり、雇用の解決が残されていると思います。これからも、みなさんとスクラムを組んでがんばりたい」と語りました。(しんぶん赤旗 2010年4月27日)

報告懇親会であいさつする仁比聡平参院議員=2010.04.26