治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟は5月13日、全国から153人の同盟員らが国会に集まり、国による治安維持法被害者へ謝罪と賠償などを求めた請願書名の紹介議員になるよう500人を超える議員に要請しました。
柳河瀬精会長は要請に先立ち、「世界では戦後補償問題は進展しており、日本でも変化が起きている。私たちの要求は実現できる」と述べました。
激励に駆けつけた日本共産党の仁比そうへい参院議員は「戦争の責任をはっきりさせるときです。私たちも全力で頑張ります」とあいさつしました。
同日、被害者や役員らは、千葉景子法相、江田五月参院議長ともそれぞれ面談。水谷安子さん(96)、市告澄枝さん(86)、山下懋(つとむ)さん(90)の3人の被害者が経験や思いを語りました。
市吉さんは「東大に行っていた兄が自宅で勉強会を開いていた。私もその人たちの熱心さに共感し、女性2人で婦人論などを読む勉強をしていた」といいます。拘置所が空襲にあっても仮釈放されなかったことや、独房に入れられたときの経験などを語りました。
北海道で小学校の教師をしていた山下さんは、「生活図画事件」で1941年に検挙されました。同事件は自らの生活をみつめるために絵を描くという教育実践が、階級意識を高めるものとされました。山下さんは「言論の抑圧など、今後二度と繰り返されないようにしてほしい」と訴えました。
水谷さんは「被害者が生きている間に、謝罪してほしい。私は100歳まで生きて、この間題の解決に向け、一歩でも二歩でも前進できるよう頑張りたい」と語りました。(しんぶん赤旗 2010年5月14日)