日本共産党の仁比聡平議員は5月9日の参院法務委員会で、離婚後に「共同親権」を導入する民法改定案について、父母間の合意がない「共同親権」を家庭裁判所が強制すれば、「新たな人権侵害の危険がつくり出される」と追及しました。(質問動画はコチラ)
仁比氏は、合意がない父母にも家裁が「共同親権」を定めることを可能にする改定案819条の趣旨について質問。話し合える関係性がない父母に家裁が「共同親権」を強制すれば、適切な親権の行使ができず、子の利益を害する危険があるとただしました。
小泉龍司法相は同条の規定について、「共同親権」の選択肢を裁判官が持つことによって「(父母に)合意を促していく仕組みだ」と説明。「その結果、難しいという結果に至るのであれば、単独親権にしなければいけない。どうしても合意ができない場合は、単独でいくということだ」と述べました。
仁比氏は、合意を促される過程が「地獄」だとの指摘があると強調。DV(配偶者などからの暴力)や虐待被害者などが、加害者側から、無数の訴訟を起こされるなどリーガルハラスメントが加速する危険について認識をただしました。
小泉法相は、参考人質疑に出席した、DV被害者を支援するNPO法人「女のスペース・おん」の山崎菊乃代表理事の「本当にやる人って、徹底的にリーガルハラスメントをやるんですよね」との発言をあげ「切迫した状況にある方が大勢いる」と認めざるを得ませんでした。仁比氏は、リーガルハラスメントから被害者を守れるかが問題だと指摘しました。(しんぶん赤旗 2024年5月10日)
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