資源エネルギー庁が昭和五十五年度から昭和六十年度にかけて行った第五次発電水力調査については、同調査の報告書において、「石油代替エネルギーとしての観点から発電電力量(kWh)の開発に重点をおいて計画する」こと、「水力資源の有効利用の観点から、低落差地点、小規模地点についても積極的に計画を策定する」こと、「水系一貫開発を基本原則とし、河水の有効利用を図る」こと、「河川総合開発及び既設の発電用以外のダム、水路等を利用する発電計画についても積極的に検討する」こと等を基本方針として、未開発の包蔵水力として、二千八百三十一地点の開発計画を策定したとしており、また、同庁においては、平成十一年度から平成二十年度にかけて、同調査で把握されていない、発電を目的とするダムの河川維持流量や、農業用水等が有する包蔵水力についても調査を行っている。
また、お尋ねの「水力発電ポテンシャル」の意味するところが必ずしも明らかではないが、「エネルギー基本計画」(平成二十六年四月十一日閣議決定)において、「一般水力については、これまでも相当程度進めてきた大規模水力の開発に加え、現在、発電利用されていない既存ダムへの発電設備の設置や、既に発電利用されている既存ダムの発電設備のリプレースなどによる出力増強等、既存ダムについても関係者間で連携をして有効利用を促進する。また、未開発地点が多い中小水力についても、高コスト構造等の事業環境の課題を踏まえつつ、地域の分散型エネルギー需給構造の基礎を担うエネルギー源としても活用していくことが期待される。」としている。
二の1について再生可能エネルギーの固定価格買取制度(以下「買取制度」という。)について、中小水力発電(出力が三万キロワット未満の水力発電をいう。以下同じ。)に係る発電設備(以下「中小水力発電設備」という。)を用いて得られた電気の平成二十六年度における調達価格については、調達価格等算定委員会が平成二十六年三月七日に取りまとめた「平成二十六年度調達価格及び調達期間に関する意見」において、買取制度の導入時における調達価格を前提として事業化に向けた相談が多数寄せられていること等から、その状況を見極めるべく、平成二十五年度における調達価格を据え置くとされたことを踏まえ、経済産業大臣において、これを据え置いたものである。
二の2並びに三の2及び4について調達価格の設定については、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号)に基づき、再生可能エネルギー電気の供給が効率的に実施される場合に通常要すると認められる費用等を基礎として、調達価格等算定委員会の意見を尊重して経済産業大臣が決定するものであるが、中小水力発電の普及の重要性に鑑み、買取制度に加えて、現在、地域の実情に応じた中小水力発電設備の開発、地域における中小水力発電の事業性の評価等に対して、補助事業を行っており、当該補助事業は専門家の育成にも資するものと考えている。
三の1についてお尋ねの「部分的更新」の意味するところが必ずしも明らかではないが、既存の再生可能エネルギー発電設備等の変更により、当該設備を用いて得られる再生可能エネルギー電気の供給量を増加させる場合においては、当該増加に係る電気については、買取制度の対象となっている。
三の3について
中小水力発電設備に係る調達価格については、調達価格等算定委員会において、突発的な自然災害等への対応に係る修繕費として、毎年、建設費の一パーセントをその調達価格に既に計上した上で算定していることを踏まえて、経済産業大臣において調達価格を決定している。