東京電力福島第1原発事故の収束・除染作業に「特定技能」の外国人を就かせることの可否について、国土交通省は5月21日の参院法務委員会で、主な業務に「関連して付随的に行うもの」なら可能だとの認識を示しました。日本共産党の仁比聡平議員への答弁。

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 特定技能の対象業種・職種に当てはまらないとして受け入れに否定的だった見解(4月23日の同委員会、仁比氏への答弁)から一転して、制度の“抜け道”を示した形です。

 仁比氏は、超党派議連「原発ゼロの会」の会合(5月16日)で同省が「主たる業務では受け入れられないが、関連業務であれば差し支えない」と述べたと指摘。運用要領ガイドラインでも、「除染・除雪等の業務」は、同じ企業で同じ業務に就く日本人労働者が従事していれば「特定技能外国人に同程度の範囲内で従事させることは差し支えない」としているとして、見解をただしました。

 同省の北村知久審議官は「関連して付随的に行うものについては、できる」と述べました。

 仁比氏は、除染や原発構内での作業に特化した日本語能力の審査基準があるのかと質問。制度を所管する法務省、東電を擁護する経済産業省、国交省は基準が無いことを認めました。

 仁比氏は「特定技能制度は、対象14業種の所管省庁が必要な能力を試験等で確認する仕組みだ。確認の基準が無い以上審査のしようがなく、受け入れはできない」と強調。同制度の創設を議論した昨年の臨時国会以来、説明もなく、基準もないまま、なし崩しに容認しようとする政府を批判し、東電に方針を撤回させるよう強く求めました。(しんぶん赤旗 2019年5月22日)