解散命令請求中の統一協会(世界平和統一家庭連合)の被害者支援に関する自民、公明、国民民主の3党提出法案が12月12日の参院法務委員会で全会一致で可決しました。

 

 

 日本共産党の仁比聡平議員は賛成討論で、法テラスの援助を拡充し、個々の被害者の請求を後押しする一定の意義はあるとする一方、「統一協会による被害の深さと広がりをみれば、個別救済にとどまらない。包括的な財産保全は要だ」と迫りました。(動画はコチラ)

 仁比氏は同日の法務・文教科学両委員会の連合審査で、昨年9月の被害者アンケートを示し、貧困や脅迫、信仰の強制など被害者の子どもが受けた被害の実態を示し、「宗教的活動にかかわる人権侵害そのものを問う必要がある」と指摘。盛山正仁文科相は「人権侵害というひと言であらわせない。本当につらく、厳しい人生を送ってきたと拝察する」とのべ、自らと統一協会との関わりは、「われわれ自身が考えない形で利用されることもあると反省している」と答弁しました。

 さらに、「解散命令請求に至った判断は、これまでの民事判決の認定や、170人を超える被害者からの聞き取りで得られた事実を積み重ねた認識の到達だ」として、「個々の被害者を分断するのではなく、統一協会の加害の構造と被害の深さ、ひろがりを包括的に救済することが必要だ」と指摘。自民党の柴山昌彦議員は「国として救済を一体に行う」と答えました。

 仁比氏は、野党案が提起した裁判所の判断による包括的保全処分について、被害者参加で議論を続けるよう呼びかけました。(しんぶん赤旗 2023年12月13日)