日本共産党の仁比聡平議員が6月15日の参院法務委員会で行った刑法等改正案に対する賛成討論の要旨は次の通りです。

 明治刑法以来、命がけで抵抗しなければ、あるいは、しなかったとみなされれば性被害者が泣き寝入りを強いられ、沈黙を強いられてきた大きな要因だった暴行・脅迫、抗拒不能要件を根本的に改め「同意の有無」を中核とした構成要件に変えることは大きな前進です。声を上げ続けた被害当事者の皆さんに心から敬意を申し上げます。

 罪名を不同意性交等罪とし、暴行・脅迫、心身の障害、アルコールや薬物、睡眠その他意識の不明瞭、不意打ち、恐怖・驚がく、虐待、地位に基づく影響力による不利益の憂慮という列挙事由により、同意しない意思の形成、表明、全うを困難な状態にさせ、またはその状態に乗じて行った性的行為を処罰対象とすることで処罰されるべき性暴力が適正に処罰され、抑止されると期待します。

 地位関係性を利用する類型の創設、性的行為には相手の積極的同意を必要とし、個人の尊厳を保護法益と捉え直すさらなる検討を求めます。

 性的同意年齢を13歳から16歳に引き上げ、中学生まで原則保護することは重要ですが、5歳の年齢差要件に合理性があるかは疑問です。18歳以上による16歳未満に対する性加害、性搾取の実態を把握し、さらなる改正を真剣に検討すべきです。

 公訴時効を現行より5年ずつ延長し、被害者が18歳に達するまでの期間を時効期間に加算する改正は前進ですが、被害をようやく認識し相談した時点で公訴時効が成立している事態が起こりえます。

 とりわけ幼少期、思春期の性被害について国として大規模、国民的な実態調査を行い、30歳に達するまで時効を停止するなどさらなる改正を求めます。

 第4に、一定の要件のもとでの性的姿態の撮影などの行為の犯罪化は重要です。

 第5に、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画媒体を伝聞法則の例外として扱う点について、本案が対象犯罪も対象者の年齢も限定せず、供述弱者に限らない条文になっていることは問題です。英米の司法面接が、子どもたちが暗示や迎合によって体験していない事柄を供述し、えん罪事件を招いた反省から始まったことを重く受け止めるべきです。

 改正後の運用はもっぱら中立的な児童心理等の専門家によって行う体制を整え、捜査機関から独立した聞き取りとすべきです。性虐待被害児に対して児童相談所、警察、検察三者で取り組まれてきた代表者聴取―専門的な訓練を受けた面接者が、誘導・暗示に陥りやすい子どもの特性に配慮し、その供述結果を司法手続きで利用することを想定して実施する事実確認のための面接で蓄積されてきた手法に限定すべきです。

 該当事件の捜査に携わり、予断をもつ検察官による聴取は排除すべきです。そうした限定のない運用は、憲法が保障する被告人の反対尋問を侵害し、デュープロセス(適正な手続き)に反し許されないと指摘します。(しんぶん赤旗 2023年6月16日)