同意のない性行為を罰する「不同意性交等罪」を求めて運動してきた被害当事者団体、Spring(スプリング)は7月20日、同罪を盛り込んだ改正刑法施行まで6年間の軌跡を振り返る成果報告会を国会内で開き、オンラインで中継しました。

 スプリングは、明治時代に制定された刑法性犯罪規定を110年ぶりに改正した2017年に一般社団法人として設立。性犯罪の実態を広く知らせて性暴力をなくすため、被害者の声を国会や関係省庁に届け、法改正の実現へ活動してきました。

 スプリング理事の寺町東子弁護士が13日に施行された改正刑法の内容について説明。スプリングが求めてきた▽不同意性交等罪▽性的同意年齢引き上げ▽地位関係性を利用した性行為の処罰規定▽公訴時効の撤廃・延長―の4点が基本的に反映されました。

 これまで行ってきた延べ590人以上の国会議員などとの面談・ヒアリング、法改正のエビデンス(根拠)となった被害実態調査、世論形成のため広報やイベントなどを進めてきた活動をチームごとに報告。市民の声を政治の場に届けるロビー活動の模様をドキュメンタリー動画をまじえて紹介しました。

 刑法改正で「性被害当事者が生きやすい社会をつくっていく」として、今後は法の運用状況を注視し、性的同意の概念の周知や公訴時効のさらなる見直しに向け取り組みたいと展望が語られました。

 与野党国会議員が報告会に参加。日本共産党の本村伸子衆院議員、仁比聡平・吉良よし子両参院議員が出席し、あいさつしました。(しんぶん赤旗 2023年7月21日)