新日本婦人の会は3月29日、参院議員会館で、離婚後共同親権の拙速な導入はやめるよう求めて、法務省に対して緊急要請行動に取り組みました。DV(配偶者などからの暴力)が原因で離婚した当事者も含む、独自調査に集まった150以上の声を届けました。
要請文では▽疑問や反対の声が広がる中で離婚後共同親権は導入しないこと▽明治民法の家父長制に影響を受けた「親権」などの用語や概念を使わないこと▽子どもの権利最優先の家族法制へ抜本的に転換すること―などを求めています。
西川香子副会長は「夫のハラスメントから逃れて別居し、離婚するまでに2年近く裁判所に通った」「父母に育てられた方が子どもは幸せだと裁判官から言われた」などの声を紹介。「DV被害や協議離婚が多い中で、このままでは死亡事件も起きることを懸念している」と訴えました。
参加者から「精神的DVなどで離婚を申し出るまでにも長い時間がかかっているのに、そこから裁判でさらに時間がかかることになる」「現在でも裁判所が対応し切れていない中で、この法制度を持ち込めば新たな混乱が生じる」「経済的格差などの女性差別が多く残る日本で共同親権を導入することは拙速だ」と話しました。
法務省の担当者は「いろいろな声があることは承知している。親権は子の利益の観点から判断する建て付けになっている」と話しました。
日本共産党の本村伸子衆院議員、倉林明子、仁比聡平両参院議員が同席しました。(しんぶん赤旗 2024年3月30日)