長崎で被爆したにもかかわらず国が指定する被爆地域外にいたため被爆者と認められない長崎被爆地域拡大協議会の池山道夫会長らは2月20日、参院議員会館で、すべての原爆被害者に被爆者健康手帳を交付するよう厚労省と外務省に要請しました。

 
日本共産党と被団協が同席
 

 池山会長が要請書を手渡し、被爆78年以上がたち、仲間が被爆者と認められぬまま次々亡くなっていると紹介。「長崎では島原半島にまで放射能を含んだ雨やすすが降っている」と語り、被爆地域は広範囲だと指摘しました。

 山本誠一事務局長は、「広島の“黒い雨”被害者を救済し、長崎の被爆体験者を認めないのはおかしい」と迫りました。

 爆心地から37キロの島原半島で被爆し、2022年に亡くなった五島久嗣さんの娘・木実さんが、父親は広島「黒い雨」高裁判決で、自分が被爆したことを認識したと語り「一人残らず救済してほしい」と訴えました。

 同席した日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市(すえいち)事務局長は、全ての原爆被災者救済と核兵器禁止条約に参加するよう求めました。

 日本共産党の仁比聡平、井上哲士両参院議員、笠井亮衆院議員、オンラインで広島から大平よしのぶ元衆院議員が参加しました。

 仁比、井上両氏は、「広島“黒い雨”高裁判決は、政府の考え方と相いれないからといって、判決に従わないのはおかしい」と厳しく指摘。笠井氏は禁止条約の締約国会議で、世界が原爆被害者支援を具体化し、日本の対応に注目していると指摘。大平氏は、「黒い雨」雨域以外でも被爆者と認定されていると述べ、全ての原爆被害者の救済を求めました。

 要請では▽被爆体験者制度の改善▽すべての原爆被害者に被爆者健康手帳の交付を▽核兵器禁止条約に署名・批准すること―などを求めました。(しんぶん赤旗 2024年2月21日)