12月10日の会期末を控えた 11月 28日の国会では、自民・公明両党などが、安倍政権が今国会での成立を狙う出入国管理法(入管法)改定案の参院審議入りや、衆院での漁業法改悪案や日欧EPA(経済連携協定)承認案の委員会採決を強行。安倍政権のもとで国民多数が懸念、反対する法案が十分な審議なく次々と数の力で押し通されています。日本共産党は「これでは立法府が政権の下請け機関になりかねない」(参院議院運営委員会、田村智子理事)と批判するとともに、各委員会等で国民の声を背に正面から論戦を挑み、安倍政権の姿勢をただしました。

 日本共産党の仁比聡平議員は、参院本会議で、入管法改定案を衆院でまともな審議もないまま、強行採決で押し通した政府・与党のやり方を厳しく批判。安倍晋三首相が外国人技能実習生の9割がうまくいっているかのような答弁を行ったことについて、「外国人労働者を単なる労働力、雇用の調整弁として扱い、深刻な人権侵害を引き起こしてきたことに何の反省もないのか」とただしました。

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 さらに、初年度は外国人労働者を新たに受け入れる14業種のうち13業種が技能実習生からの移行を前提とし、その多くが80%~ほぼ100%を見込んでいることをあげ、「技能実習生をそのまま特定技能に移行して働かせ続けたいというのが本音だ」と指摘。特定技能への移行が見込まれることになる技能実習制度の実態検証は「法案審議の土台だ」として、失踪技能実習生からの聴取票の国会提出を求めました。

 仁比氏は、人手不足現場における劣悪な労働条件をそのままにして外国人労働者の受け入れで補おうとすれば、「わが国の構造的な低賃金・低単価を固定化し、人手不足現場の困難を逆にひどくすることになる」と指摘。賃金・労働条件の改善をないがしろにしてきた政府の姿勢の転換を求めました。

 安倍首相は、聴取票の国会提出について捜査への影響などを理由に、「公開は困難」と答弁。山下貴司法相は「今回の受け入れ制度は、技能実習制度とは趣旨、目的が異なる」などと述べるだけで、質問にまともに答えませんでした。(しんぶん赤旗 2018年11月29日)