日本共産党の仁比聡平議員は5月28日の参院法務委員会で、入管法・技能実習法改定案に税金や社会保険料が未払いの場合などに永住許可を取り消せる制度を盛り込む目的をただしました。小泉龍司法相は「歳入確保のためではない。在留管理上、評価するためだ」と述べ、外国籍住民の在留管理強化が狙いであると認めました。(質問動画はコチラ)
仁比氏は、入管法が2009年に改正された際、永住者の歴史的背景、定着性を踏まえて生活の安定に資する在留管理の在り方が求められたとし、「この認識は変わったのか」とただしました。小泉法相は「時代背景のもとで政府がそういう方針を取った」と答弁するのみ。仁比氏は「永住者の法的地位について歴史的認識が全くない」と批判しました。
現行法は、無期または1年を超える懲役・禁錮刑を受けた場合、退去強制の対象となりますが、執行猶予を受けた場合は対象外です。仁比氏は改定案が1年以下の懲役、執行猶予の場合でも永住許可の取り消し対象と読み取れると指摘し、「執行猶予でも取り消し対象となり得るか」と追及。出入国在留管理庁の丸山秀治次長は「執行猶予の場合でも、取り消しの対象になる」と認めました。
仁比氏は「執行猶予として社会での更生が適当だと司法判断された場合でも、入管庁が永住許可を取り消しうるものだ」と指摘。「入管庁の裁量を確保し、永住者をまな板の上に載せ、生殺与奪の権を握ること自体が差別的だ。永住者という最も安定した在留資格を剥奪し得ることは、外国籍住民の生活基盤の安定性を掘り崩すものだ」と厳しく批判し、法案の撤回を迫りました。(しんぶん赤旗 2024年5月29日)
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