佐賀県警の科学捜査研究所(科捜研)によるDNA型鑑定不正問題で、検証に不可欠な鑑定試料が鑑定ですべて使い切られ、残っていない(全量消費)ケースが何件あるかについて、政府が「把握していない」としていることが分かりました。再検証が必要な鑑定結果を、再鑑定しようにも試料が存在せず、事実上検証不能となっている実態が浮き彫りになりました。
日本共産党の仁比聡平参院議員の質問主意書に対する政府の答弁書(2025年12月)で明らかになりました。25年に発覚した佐賀科捜研の不正では、元技術職員(懲戒免職)が7年余りの間に130件の「不適切な取り扱い」をしたとされます。
DNA鑑定試料とは、現場に残された唾液や血液などの遺留物を指します。仁比氏は質問主意書で、捜査機関が鑑定試料を独占し、しばしば「全量消費」することで検証の道を閉ざす問題を指摘。県警と元技術職員による試料の全量消費が何件あったか質問しました。
これに対し答弁書は「把握していない」と回答。不正のあった7年余りの間に、再検証不能な試料の実数さえ把握していないことを明らかにしました。
また仁比氏は、警察庁が運用するDNA型データベースに元技術職員が関与した鑑定結果を何件登録したのか、全国の捜査に影響していないかと質問。「透明性を持った第三者による再検証が必要ではないか」とも尋ねました。
しかし答弁書は、これらについても「具体的に意味するところが必ずしも明らかではない」として回答を拒否。警察庁自らが運用するシステムの登録状況や、第三者検証の定義について「お答えすることが困難」としてはぐらかす内容となっています。仁比氏は「(今回の)不正行為は、捜査機関が適正手続きを乱暴に踏みにじり、いわゆる科学鑑定・科学捜査に対する信頼を根底から揺るがすもの」と、事態の深刻さを指摘しています。
DNA型データベースに登録されている「被疑者DNA型記録」は23年末時点で175万件余りにのぼります。(しんぶん赤旗 2026年1月4日)
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