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日本共産党の仁比聡平議員が9月2日の参院安保法制特別委員会で暴露した、自衛隊トップの河野克俊統合幕僚長と米軍幹部との会談概要を記した内部文書が衝撃を与えています。「この爆弾は大きすぎる」。特別委の与党理事の一人は、内部文書が示す内容の重大性に動揺を隠しません。

内部文書は、戦争法案の閣議決定はおろか、与党協議も行われていない昨年12月に訪米した河野統幕長が米陸軍参謀総長に法案が「来年夏までには終了する」と発言したなど、自衛隊の暴走と対米従属の実態を生々しく示しています。
やりとり詳しく

メディアも大きく注目しています。2日夜放送のテレビ朝日系番組「報道ステーション」は、仁比氏の追及を交えながら内部文書での河野統幕長と米軍幹部とのやりとりを詳しく紹介しました。

同番組でコメンテーターの中島岳志北海道大学准教授(政治学者)は「河野統幕長の発言が政府の見解を受けてのものだったら、そもそも政府が議会で合意形成しようと考えてはいないことを示す。そうでなければ、シビリアンコントロール(文民統制)の大きな問題だ」「文書を読んだが、自衛隊が米軍に主体的に従属している様が非常によくわかる。自衛隊は、アメリカが世界で地位を保つための下請けをやるようだ」と指摘しました。
沖縄の地元紙が

河野統幕長が、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備されている垂直離着陸機オスプレイの問題を「不安全性をあおるのは一部の活動家だけ」と発言していたことも、内部文書で判明しました。

沖縄の地元紙・沖縄タイムスと琉球新報はともに1面(3日付)トップで河野統幕長の会談録の内容をとりあげ、社会面も含めて解説。「安全性への不安からオスプレイ配備に強い反対の世論がある中、国民の目の届かない密室でオスプレイの積極配備を求める姿勢は、国民、県民を欺く行為ともいえ、批判が高まるのは確実だ」(沖縄タイムス)、「安倍政権の本音を自衛隊トップが映し鏡として米側に伝えていたとも捉えられる。政府は明確に説明する必要がある」(琉球新報)と厳しく批判しています。

仁比議員の質問は、「朝日」「東京」「毎日」なども報じています。(しんぶん赤旗 2015年9月4日)