「育成就労制度」の創設や、外国籍の人の永住許可を取り消す要件などを盛り込んだ入管法・技能実習法改定案が5月24日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の仁比聡平議員は、「育成就労制度」では深刻な人権侵害を解決できず、「看板のかけ替えにもならない」と主張しました。(質問動画はコチラ) (質問要旨はコチラ)
仁比氏は、「失われた30年」は国民生活への深刻な困難、物価高騰の打撃などが加わり、日本を「賃金の上がらない国」にしてしまったと指摘。最大の原因として、財界の要求に応えて労働法制の規制緩和を繰り返し、非正規雇用を4割にまで広げたことなどを挙げて批判しました。
「失われた30年」の間に、数百人だった外国人研修生、技能実習生、特定技能労働者は制度改定などを経て、2023年末で61万3018人に急増しました。仁比氏は、安価な労働力として受け入れてきた在留管理政策で、深刻な人権侵害が後を絶たず、22年の「失踪者」が9006人に上ることを示し、「原因をどう分析し、なくすのか」と迫りました。岸田文雄首相は「一部の受け入れ機関の順法意識の欠如、監理団体による指導監督の不十分さなどの影響だ」と責任転嫁に終始しました。
仁比氏は、永住資格の取り消し要件について、「『永住者』に対する深刻な差別」(在日本大韓民国民団)などの声明を示し、「どう受け止めるのか」と迫りました。岸田首相は「日本で生活する大多数の永住者に影響を及ぼすものではない」と強弁。仁比氏は「永住資格取り消しを押し付けることは、むき出しの排外主義を世界に発信することに他ならない。こんな人権後進国でいいのか」と厳しく批判しました。(しんぶん赤旗 2024年5月25日)
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