○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
今日は、特定秘密保護法について総理にお尋ねをしたいと思います。
安倍政権は、特定秘密保護法を昨年十二月六日に強行し、先月、十月の十四日、運用基準と政令を閣議決定して、十二月十日にも施行をしようとしておりますけれども、国民の根強い不信感、施行をやめ、廃止を求める声は広がるばかりです。
総理は、昨年十二月九日の記者会見で、今後とも、国民の皆さんの懸念を払拭すべく丁寧に説明していきたいと考えていますと述べられ、そのときに、外交・安全保障政策を国民の皆さんと情報を共有しながら、透明性を確保した上で進めるべきことは言うまでもありませんと述べておられますけれども、覚えていらっしゃると思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この特定秘密につきましては、これはもう全くそうした枠組みがないところに突然つくるものではないわけでありまして、今までも特別管理秘密があり、防衛秘密があり、また外交秘密もあり、あるいはまた米軍との協定の中の秘密もあるわけであります。
統一ルールがない中においてしっかりと統一的なルールを作ったということでございまして、基本的には、対象とするものは、そうした秘密を取ろうという工作員であったりスパイであったりテロリスト、そういう人たちから国民の命を守るための仕組みをつくったと、こういうことであります。そしてそれは、例えば我々の安全保障政策あるいは防衛政策自体を秘密として守ろうということではないということは申すまでもないわけでありまして、特に、安倍政権としては初めてNSCをつくり、そして我々の外交・安全保障戦略について作成をし、それを日本だけではなくて世界に示したところでございます。
○仁比聡平君 質問にはお答えにはならないんですが、否定もなさりませんでした。
官邸のホームページに今もその記者会見が掲載をされておりますが、外交・安全保障政策を国民の皆さんと情報を共有する、透明性を確保する、そのときに述べられたとおりです。
また、そこで、沖縄の辺野古新基地建設の計画の問題についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、民意を踏みにじって巨大基地を押し付けるこの計画は、もとより直ちに中止をするべきだと私は繰り返しこの場でも主張をしてまいりました。
今日お伺いしたいのは、そもそも計画の全体像が示されているのかという問題です。
七月に、二〇〇八年に作成されたアメリカ政府の内部文書が明るみに出ました。そこで示されている普天間代替施設の計画図案、これがパネルで今お示しをしているところです。(資料提示)御覧いただきますとおり、辺野古の米軍キャンプ・シュワブの沿岸部を埋め立ててV字形滑走路、オスプレイなど米軍用機の駐機場、またその格納庫、燃料施設も、そして弾薬の搭載エリアも造ると。今政府が強行している計画がここに書かれているわけですね。
ところが、重大なことに、赤い破線、点線で囲んだ部分を御覧いただきたい。内陸部にある辺野古ダム周辺です。これは政府の計画には全く示されていないものなんですね。ここは森の中にある名護市民の水源地です。政府がアセスの申請書で示した計画では、このエリアは沿岸部を埋め立てる土砂を採取する、その後は緑化して森に戻すということになっています。ところが、この米軍の計画見てください。長方形で示されているのが米軍の兵員宿舎ですけれども、これおよそ三十以上ありますよ。楕円形で示されているのは運動場ですけれども、これも大きなのを二つも造るということになっている。これを始めとして多数の米軍関連施設を計画するという、こういう計画がアメリカの内部文書の計画図案で明らかなんですね。
総理、こんな計画を米側と協議をしているんですか。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
まず、この普天間飛行場の辺野古への移設後においては、米軍キャンプ・シュワブ内には約四千九百名が居住することになっております。そして、このために必要となる兵員宿舎につきましては、キャンプ・シュワブの内陸部、現在の米軍基地部分です。つまり、委員が指し示したこの点線のこの下の部分ですね、ここの方において、この現在の米軍基地部分において既存施設の再配置等によりまして整備する計画でございます。なお、その詳細につきましては今現在、米側と協議中であります。
ただし、基地内の辺野古ダム周辺地域につきましては、先ほど委員が指摘していただきました点線部分でありますけれども、ここにつきましては埋立て用の土砂を採取し、その後は緑化を行う計画でありまして、兵員宿舎などの施設を整備する計画ということはございません。
また、米側との間で辺野古ダム周辺地域での施設整備や環境アセスの実施に向けた協議を行ったという事実もございません。ですからこそ、御指摘の内部文書というものがいかなるものか私どもは全く承知していないところでございます。
○仁比聡平君 驚くべき御答弁ですよね。
二〇〇六年の四月の二十日付けの別の米軍内部文書も明るみに出ています。ここでは、普天間代替施設の検討コメントという文書ですけれども、そこには日本政府と協議したという記述があるんですね。米側は辺野古沿岸部だけでなくて内陸部の施設についてもアセス実施を求めていたとも書かれています。米側は協議していると言っているんですが、今防衛大臣は協議の事実は全くないなどと声を荒げるようにおっしゃいましたけれども、このような計画が日米間で話し合われてきたんじゃないんですか、総理。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思いますけれども、二〇〇六年の時期というのは、ちょうどこの移設等々に関するロードマップの協議をしている最中でありましたけれども、そのときにおいても今委員が御指摘のような事実ということはございませんでした。
○仁比聡平君 ちょっと総理、お尋ねしたいと思うんですけれど、ここに公表されているアメリカ太平洋海兵隊基地司令部の二〇二五年戦略展望という文書があります。ここには、現在の二国間のマスタープランには家族住宅の建設は含まれてはいないもののとしながら、米軍再編実施のための合意が承認されたときにはその問題は認識されていたと書かれているわけですよ。つまり、二〇〇六年の米軍再編合意のときには辺野古における米軍宿舎問題は認識されていたということではありませんか。
今、江渡防衛大臣が言ったのは、その二〇〇六年当時そんな事実はなかったと言うんですけれど、これ、アメリカが公表している。これと全く違うことをこの国会で言うんですか。総理は、どういう計画を協議をしているのか、これ明らかにするべきですよ。先ほどの話だったら、四千九百人居住することになっているだとか、けれどその具体的なことは言えないだとか、そんなことを言っているけれど、協議の事実、その経過、具体的な内容、これを国会に明らかにするべきじゃありませんか。総理。
○国務大臣(江渡聡徳君) お答えさせていただきたいと思います。
今委員が御指摘の戦略展望二〇二五におけるこの辺野古の家族住宅等に関する記述の部分なんですけど、仮訳の部分をちょっと読ませていただきたいと思います。
現行の日米マスタープランには、キャンプ・シュワブの普天間代替施設に帯同する家族のための住宅が含まれていない、この事実は米軍再編実施に係る合意の承認時に認識されており、キャンプ・シュワブに通勤する海兵隊の負担軽減に関する記述が当該合意に盛り込まれたというふうになっておりまして、先ほどもお答えさせていただいたように、普天間飛行場の辺野古の移設後、米軍キャンプ・シュワブ内には約四千九百名が居住する予定でありますけれども、全て単身者でございます。家族帯同の者は基地の外に住むものと承知しておりまして、キャンプ・シュワブの内陸部に家族住宅を建設する計画というものはございません。また、キャンプ・シュワブ内での家族住宅の建設に向けた協議ということも行ったこともございません。
○仁比聡平君 いや、総理、おかしいでしょう。だって、米側と協議をしてきたからこそ、その問題が認識されていた、私はそういうふうに読んでいるけれども、仮訳は違う、江渡さんが言うのは、違うと言うけれども、協議をしているからこそ、あるいはしてきたからこそ、その問題が認識されているわけじゃないですか。それはおかしな話ですよ。
総理が、先ほど正面から御自身の言葉では言われませんでしたけれども、昨年十二月九日の記者会見では、もう一度申し上げます、外交・安全保障政策を国民の皆さんと情報を共有しながら、透明性を確保した上で進めるべきことは、もとより言うまでもありません、今後とも、国民の皆さんの懸念を払拭すべく丁寧に説明をしていきたいと考えていますと言っているんですよ。繰り返し答弁を求めているのにお立ちにさえならない。何が丁寧な説明ですか。
この問題について稲嶺進名護市長は、国はオスプレイ配備も隠してきた、政府が正しい情報を流さないため県民は泣かされてきた、これもまさにそうだと怒りをあらわにしています。同じやり方で、土砂採取後は緑化だといって環境アセスをも偽ってこんな計画を押し付けるのかという重大問題なんですよ。
総理、アメリカ側との協議の経過、こうした図面、これ全部明らかにすべきじゃありませんか。総理、ここまで聞いているんだから。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わばこのキャンプ・シュワブのやり取りについては、これは詳細を知っているのが防衛大臣で、私は詳細を承知をしておりませんから防衛大臣から答弁させますが、私が先ほど申し上げた、あるいは今引用されたのは、防衛政策について透明性を維持をしていくというのは当然のことでありますが、協議中の中身について、これを一々、こういう協議をしている、これからこちらはこのようにやっていくという交渉の中身について、あるいは協議の中身について公表しないのは、これは当然のことではないかと思います。
○仁比聡平君 委員長。
○委員長(岸宏一君) ちょっと待ってください。今、防衛大臣にもう一回。
○仁比聡平君 いえいえ、もう防衛大臣の言い分は聞きましたから。
キャンプ・シュワブの埋立て、辺野古の新基地計画、これが巨大な基地となってこうした内陸部も含めた半永久化する基地になるのではないか、これ重大な政策に関わる問題ですよ。これを地元にも国会にも明らかにせずに進めていくなんというようなことは絶対に許されない。
今日ここまで聞いても、あれこれ言って答えようとされないわけですけれど、私はその姿勢に、これまで自民党政治が安保の秘密、日米同盟の秘密をいかに秘密にしてきたのか、それが表れていると思います。今でさえ都合の悪いことは隠す、その上、特定秘密保護法が施行されたらどうなるか。特定秘密保護法の恐るべき核心は、政府が保有する膨大な情報の中から特定秘密を恣意的に指定し、国民には何が秘密かも秘密にされてしまうところにあります。
上川大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、一年前、秘密が恣意的に指定されるのではないか、都合の悪い情報が政府によって秘密にされるのではないかと国民の批判が沸騰いたしました。当時、森まさこ担当大臣でしたけれども、しっかりとした外部のチェック体制を導入するから大丈夫だといった答弁を繰り返されました。今度の十月の閣議決定でそのチェック体制をつくったということですね。
○国務大臣(上川陽子君) 特定秘密保護法につきましては、委員御指摘のとおり、国民の皆様の間に懸念や不安があるということを踏まえまして、その運用の適正を確保するために、政令や運用基準におきまして二重三重の仕組みを構築したところでございます。
まず、特定秘密の指定についてでございますが、指定をされる行政機関を政令で十九に限定したところでございます。また、特定秘密に指定できる事項につきましては、法律に列挙された四分野であります防衛、外交、スパイ防止、そしてテロ防止というところに係る二十三項目に限られていたところでございますが、運用基準におきまして、この指定できる事項の具体的細目として五十五項目を示すとともに、この必要最小限の情報を必要最低限の期間に限って指定するということの大原則を示したところでございます。
加えて、運用基準におきましては、この拡張解釈を禁止すること、そして基本的人権、特に国民の知る権利の尊重、さらには公文書管理法及び情報公開法等の適正な運用についても規定したところでございます。さらに、法律の適正な運用を確保するために、政令で特定秘密の指定の検証、監察等を行う独立公文書管理監を設置をし、運用基準では通報制度も設けるなどしたところでございまして、法律の運用状況につきまして、国会報告、さらには公表ということでなされることになっているところでございます。
こうした様々な重層的な仕組みによりまして、委員御指摘の恣意的な規定を阻止できる、防止できる制度となっているところと考えております。
○仁比聡平君 指定事項の細目を細分化とか、適性評価だとか、本質的に全く変わっていないじゃないかという厳しい批判がこの夏も二万数千のパブリックコメント、それから有識者や多くのメディアからも指摘をされ続けてきているわけです。
上川大臣がおっしゃった中でよく分からないので、私、政府資料からパネルを作ってみました。そのチェック機関を具体化したとおっしゃるんですが、内閣保全監視委員会、そして独立公文書管理監と、その言わば事務局になる情報保全監察室ですね。
上川大臣にお尋ねしたいんですが、実際に個々の秘密情報の提供を受けてチェックをし得るとしたら、そうした機関は内閣保全監視委員会と独立公文書管理監、この二つでしょう。大臣に。
○国務大臣(上川陽子君) 今回、内閣官房の下で内閣保全監視委員会ということで設定をし、また内閣府につきましては独立公文書管理監とさらに情報保全監察室というところで設けたところでございます。さらに、運用基準の意見聴取でありますとか年に一回の運用基準の報告等につきましては、情報保全諮問会議という形で設けているところでございます。
○仁比聡平君 いや、問いにお答えにならないんだけれども、よくお分かりになっていないのかな。
情報保全諮問会議というのは、これは一般的な運用基準の検討などをやって、そうした年一度の運用状況を報告するなどには関わるけれども、行政が指定する個々の秘密、この中身の提供を受けることはないでしょう。実際にそういう個別の秘密の情報の提供を受け得る、その上でチェックをするんだとこれまで皆さんがおっしゃってきた機関というのは、内閣保全監視委員会と独立公文書管理監、その二つでしょうと。確認です。
○国務大臣(上川陽子君) 独立公文書管理監及び管理室ということでございますが、そこにおきまして検証、監査をする機関ということでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。
〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
上川国務大臣。
○国務大臣(上川陽子君) 内閣府に置かれます独立公文書管理監につきましては、特定秘密保護法の附則第九条に規定する、独立した公正な立場において行政機関の長による特定秘密の指定等の適正を確保するために検証、監察等を行うということを役割としているところでございます。
一方、内閣保全監視委員会ということでございますが、法律の施行に責任を負うという立場でございまして、こちらは特定秘密保護法の第十八条の第四項に基づきまして、行政各部を指揮監督する内閣総理大臣を補佐をするという役割でございます。
○仁比聡平君 ちょっと先に進めるために紹介しますけれど、手元に内閣の内調が作っておられる適正確保の仕組みというペーパーありますけど、適正を確保するための重層的な仕組みとして、内閣に保全監視委員会を、内閣府に独立公文書管理監及び情報保全監察室を設置したと言っているじゃないですか。この二つでしょう。いいですね。(発言する者あり)まあ総理がいいとおっしゃっているから、次、進みますけれども。
基本的な確認ですけれども、上川大臣、特定秘密を指定するのは秘密保護法で行政機関の長とされています。つまり、外務省の秘密であれば外務大臣、自衛隊や防衛省の秘密ならば防衛大臣ということですけれど、内閣官房の秘密は誰が指定するわけですか。
○国務大臣(上川陽子君) 長であります内閣総理大臣でございます。
○仁比聡平君 特定秘密保護法と一体に強行されたのが国家安全保障会議、NSCですけれども、これは内閣官房に属しています。その秘密は総理が指定するということですね。確認です。立って答弁して。
○国務大臣(上川陽子君) 内閣総理大臣でございます。
○仁比聡平君 日本の外交安全保障政策の司令塔とされて国の安全保障に関する重要情報を保有するのがNSCなわけですが、その秘密は総理が指定するということです。そうした秘密がどのようにチェックされるのかと。
先ほど上川大臣が答弁しかけましたけど、法十八条によりますと、このパネルの、内閣総理大臣が各行政機関の長を指揮監督する、長い矢印を描いてありますが、つまり、内閣総理大臣が各行政機関の長の秘密指定や解除をチェックするということになっています。
内閣保全監視委員会というのはこれを補佐すると、上川大臣、そういうことですね。
○国務大臣(上川陽子君) 内閣総理大臣のその機能に対して補佐をするという役割でございます。
○仁比聡平君 しかも、この補佐をする監視委員会というのは、秘密を指定する各官庁のトップ、事務次官級で構成されるわけで、言わば秘密指定の仲間内そのものということだと思うんですが、NSCなどの内閣官房の秘密であれば総理が行政機関の長になる、先ほど確認したとおりです。
総理が指定した秘密を総理がチェックする、上川大臣、そういうことですか。仕組みを聞いているんですよ。大臣、そういうことでいいですか。
○国務大臣(上川陽子君) 実務上は、内閣官房、内閣府などで特定秘密を取り扱う部局に対しまして独立公文書管理監が検証、監察を行うことになるところでございます。また、独立公文書管理監の事務、権限や各行政機関との関係につきましては、政令及び運用基準の中に明記されておりまして、検証、監察は厳正に行うことになるということでございます。
部局と独立公文書管理との間で見解の相違が解消しない場合、内閣総理大臣が偏することなく公平な立場から適切に判断されるというふうに考えます。
○仁比聡平君 ちょっと担当大臣、仕組みがお分かりになっておられない。今、独立公文書管理監の性格についてお話しになりましたけど、私が聞いているのは内閣保全監視委員会の性格です。
内閣保全監視委員会は、法十八条に基づく内閣総理大臣の権限を補佐するわけでしょう。だったらば、内閣官房の秘密であれば、総理が指定して総理がチェックするということになるじゃありませんか。そうした、自分で自分をチェックするといって何のチェックにもならないじゃないかという昨年の国会の大きな批判の中で、強行採決の間際になってあなた方が持ち出したのがこっちの独立公文書管理監なんですね。
上川大臣、先に確認しますが、この独立公文書管理監の任命権者、指揮監督者というのは誰ですか。
○国務大臣(上川陽子君) 内閣総理大臣でございます。
○仁比聡平君 独立公文書管理監は総理が任命する人間だということです。だから、総理の秘密指定を総理の任命した人がチェックすると、総理が秘密指定権者の場合ですね。そういうことになる。
総理に改めてお尋ねしたいんですけれども、そうなりますと、保全監視委員会は、あなたが指定した秘密をあなた自身がチェックをするときに、言わばあなたの仲間内が補佐するというもので、独立公文書管理監は、あなたが指定した秘密をあなたが任命した人間がチェックするというものになる。これがあなたのおっしゃってきた重層的なチェックなんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず御説明いたしますと、今既に、先ほど申し上げましたように、特別管理秘密があり、防衛秘密があり、アメリカとの協定上の秘密があり、それぞれ運用されているわけであります。私は内閣総理大臣ではありますが、それぞれの秘密がどのように指定されているかということを知り得ることはほとんどできなかったのであります。
そして、この度しっかりとルールを作っていく、そして国民の皆様から選ばれた国会議員の皆様によって選出された私が、しっかりとまさに国民の立場に立って行政府の行った秘密指定をチェックをしていくということであります。果たしてそんなことができるのかという批判がございましたから、それを補佐する機関としてそれぞれつくった、それぞれというか、その委員会、監査委員会をつくったわけでございますが、それとともに、独立公文書管理監ができ、そしてそれがチェックをするということであります。
形式上は、確かに私が指定するという形式にはなっておりますが、実際はNSCの中においてこれは秘密にしようという指定がなされるわけでございますが、それを私も直接チェックをしていくわけであります。そして、民主主義の機能というのは、選挙によって政権は交代をするわけであります。そして、政権が交代をしていく中において、後の政権によってそれは十分にチェックされると、これが民主主義の機能ではないかと、こう思うところであります。
いずれにいたしましても、特定秘密の約九割近くは、これは御承知のように衛星写真であり、残りは、あるいはこれは暗号であり、そして武器の性能等々であるわけでありまして、それ以外はかなり限られてくるわけでありますが、そうしたものの指定についてはしっかりとチェックをしていきたいと、このように思うわけでございます。
○仁比聡平君 いろいろおっしゃったんですけれども、今の総理の答弁を聞いて、国民の皆さんの不信というのは私、一層広がったと思いますよ。
結局、総理がおっしゃっているのは、言わば秘密の隠し方のルールの話じゃないですか。問題は、どうやって隠すかというルールの問題じゃないんですよ。そんなことではなくて、そんなことを言ってもチェックもされないし、第一、国民にも国会にもその情報というのは出てこないでしょう。
個々の秘密の情報をしっかり点検してチェックするということができるのかが問われて、いや、どうもこれはあなたがあなた自身の秘密をチェックするという仕組みであることが浮き彫りになってきたと思うんですけれども、情報保全諮問会議の一月に最初の会合があったときに総理はこう発言しておられます。しっかりとした外部のチェック体制を導入し、客観性と透明性を確保しなければなりませんと。これ、どこが外部のチェック体制なんですか。ちなみに、法附則九条には、独立した公正な立場における監査などと書いてありますが、独立というんだったら、秘密の指定権者から独立していなかったら何の意味もないじゃないですか。
総理、こんなものが本当に外部のチェック体制だと、そういうふうにおっしゃるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までは、そもそも総理大臣である私も、一体、秘密、特別管理秘密がありますよ、特別管理秘密の中の何割が衛星写真で、どれぐらいが武器の秘密で、そしてどれぐらいが暗号か、そしてどれぐらいが外交機密であるものか、また防衛機密であるものかということは、これは把握がなかなか難しかったのは事実でありますし、今までの総理も恐らく御存じなかったんだろうと、このように思います。そして、今回こういう議論を行い、初めて、秘密の全体像、どのように我々がそれを特定秘密にしていくか、その必要性について御説明することができたんだろうと、このように思います。
そして、運用状況について、しっかりとこれは国会に、年に一度、その表に書いていただいておりますように国会に報告することになっているわけでありまして、基本的に、国民の命を守る、安全を守るための秘密を保護するための法制としては国際的なスタンダードにのっとったものであろうと、国会との関係においては更にそれよりも厳しくなっているのではないかと、このように思うわけでありまして。
先ほど総理の秘密とか言っていますが、私自身の秘密なんかは全くそれ、指定されるということは当然あり得ないわけでありまして、国民の安全を守るための秘密について、NSCについての秘密、これもそんなに膨大なものになるわけではありませんが、まさにこれは十分に国民の安全、そして我が国の安全に資するもの、そのために必要最小限のものを秘密にするという観点からしっかりと指定を行い、そして我々がこうした体制でチェックをしていくということであります。この仕事自体を根本から全く悪意によって運用されるというふうに考えられてしまえば、これはもうお答えのしようがないわけであります。
いずれにいたしましても、まずは総理大臣も、次の、これは政権が替わっていくわけでありますから、次の総理大臣によってチェックされることは間違いないのだろうと、このように思うわけであります。
○仁比聡平君 いや、やっぱり総理、隠し方のルールをしきりに話しているじゃないですか。国民に明らかにならなければ、あるいは本当に適正なチェックというのなら、そういうようなことでなければ意味ないんですよ。
大体、内閣法制局の長官さえ意に沿う人物にすげ替えたのがあなたでしょう。冒頭伺った辺野古の隠された内陸部計画でさえ明らかにしようとしない。これまで核密約も沖縄返還密約も隠し続けて、アメリカで公表された文書そのものを目の前で示されて追及されても、ないとうそを繰り返してきたのが歴代自民党政権です。その上、政府に都合の悪い秘密は何でも国民に隠し続けようとする、それが特定秘密保護法の本質なのではないですか。
こんな憲法の基本原理に反する骨格は、今度の閣議決定によっても何ら変わっていない。施行などは許されないし、断固として廃止をするほかありません。私はそのために全力を尽くして頑張り抜く、そのことを申し上げまして、この質問は終わりたいと思います。
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