九州北部豪雨から3週間がたった福岡県東蜂村。地域コミュニティーの基盤になっていた生業(なりわい)が大きな被害を受けたままです。7月27日、同村を訪れた日本共産党の仁比聡平参院議員は、「あきらめず声を上げることが大事」と語り、熊本地震で中小企業を立て直す力になった「グループ補助金」など、生業再建に希望をつなぐ施策の実現に力を合わせようと呼びかけました。
JR日田彦山線の大行司駅で4年前から、村所有の駅舎を借り、喫茶店を開いていた女性(49)。70年以上前に建てられた木造の駅舎は、どこか懐かしさの残る雰囲気が評判で、JRに乗って食事に訪れる客もいたといいますが、水害で屋根が上から押しつぶされたように無残に倒壊していました。
「つぶれた店の中にある物を取り出したいけど、村も今は被災者の住まい確保で手いっぱいだから解体のことは言い出せない。先のことば考えられない」。声を落とした女性に、仁比氏は、熊本地震後に温泉が出なくなった泉源をグループ補助金の活用で再掘削し、温泉街再建をめざす中小業者にとって希望が生まれたことを紹介しました。
仁比氏は、東日本大震災よりも前は中小企業に対する公的な補助制度がなかったのを、被災者が声を上げグループ補助金を実現させたことにもふれ、「今回の災害でもぜひ実現させ、コミュニティー全体を補助させるようにしてほしいと一緒に声を上げていきましょう」と語りました。
家族4人で金属加工業を営む男性(68)。自宅そばの工作所内は、土砂に押し流されて泥まみれになった金型加工の機械が散乱していました。
約30年かけて1億円以上を投じ、導入した多くの機械が「ほとんど使えなくなってしまった」と嘆く男性。1500万円以上のローンも残る中、「自力でまた機械を準備しようにも無理。私たち中小業者には、融資はあっても補助とか助成金はほとんどない」と訴え、仁比氏らに国の支援を求めました。(しんぶん赤旗 2017年7月29日)