参院法務委員会で4月19日、自民、公明両党が提出したヘイトスピーチ与党案が審議入りしました。日本共産党の仁比聡平議員は、ヘイトスピーチ根絶の実りをあげる議論にすることを求め、法案の趣旨をただしました。
(質問動画はこちら)
与党案は、前文で「本邦外出身者」に対する「不当な差別的言動」は「許されない」と宣言し、国民の努力義務と地方自治体の責務を定めようというものです。仁比氏は、禁止規定を置かない理念法の効力を質問。公明党提案者の矢倉克夫議員は「国として姿勢を表したということが、裁判所の判断に影響を与えるだろう。禁止規定にすると表現内容の規制という形になってしまう」と説明しました。
さらに仁比氏は、「本邦外出身者」を「適法に居住する者」と限定する法案では、在留資格に争いのある外国人やアイヌ民族の保護はどうなるのかと質問。自民党提案者の西田昌司議員は「対象者が不必要に拡大しないように限定した」「(ヘイトスピーチは)人種や人の肌とかいうのではなくて、特定の民族がターゲット」としながら、「不法に入国した人は日本にはいられない」と答えました。
民主(当時)、社民両党なども議員立法を提出していますが、人種や民族などを理由とする差別的言動などを禁止する内容で、罰則規定は設けていません。(しんぶん赤旗 2016年4月21日)