日本共産党の仁比聡平議員は3月17日の参院法務委員会で、虐待や性被害に遭う若年女性に寄り添う一般社団法人Colabo(コラボ)の活動への妨害が激化している問題について質問し、「妨害の本質は女性の人権への敵対だ」として警察庁や厚労省など関係省庁にコラボの活動を守るよう求めました。(質問動画はコチラ)

 仁比氏は、女性のみを取り締まる売春防止法から脱却し、「取締りではなく支援へ」と転換した女性支援法を踏まえ、コラボが東京都から委託を受け、繁華街に止めたバスを拠点に展開する「バスカフェ」が、同法に位置づけられた事業であることの確認を求めました。

 厚生労働省の野村知司審議官(子ども家庭、少子化対策、児童虐待防止担当)は「コラボがしている事業は、女性支援法に盛り込まれた『アウトリーチ』(女性がいる場に出かけていってつながる活動)などの支援を事業化したものだ」と明言しました。

 仁比氏は、その事業のスタッフらを男性が多人数で取り囲んだり怒鳴ったりするなどの妨害がエスカレートしていると指摘。「若年女性や支援者に暴力や妨害が及ばないようにするのが警察の責務では」「事業の性格を現場の警察官が理解し、平穏を守るべきでは」などと問いました。

 警察庁の友井昌宏審議官は、「適切な対応がとられるよう、都道府県警察を指導していきたい」と答弁しました。

 仁比氏がもう一度厚労省に「やるべきなのは現に現場を担っている団体の事業を守ることでは」と問うと、野村審議官は「妨害行為によって、支援が必要な人に支援が届かなくなってしまうことがあってはならない。関係機関と連携しながら取り組む」と答えました。

 斎藤健法務相も「誹謗(ひぼう)中傷によって、人権が侵害されるということはあってはならない」と応じました。(しんぶん赤旗 2023年3月18日)