「国はじん肺、アスベスト被害を根絶しろ」―。第20回なくせじん肺全国キャラバン実行委員会は10月16日、シュプレヒコールを響かせ東京都千代田区の日比谷公園から国会まで請願デモを行いました。約700人が参加。

 佐藤陵一代表委員(建交労委員長)はデモ行進にあたり、「訴えを最後まで成功させ、全国から届いた2万3000筆の署名も力に被害者を救済しよう」とあいさつしました。

 横須賀じん肺被災者の会の菅原富士夫さん(79)は住友重機械の工場で40年間、造船の溶接を仕事にしていました。「気管支にたんがからみ、食事のときは呼吸もできず非常に苦しい。退職してから、今まで元気にしていた仲間が、ころっと死んでいる。一日でも早い被害者の救済を求めます」と話しました。

 三井金属神岡鉱山じん肺訴訟原告の女性(65)は、「体が弱り階段も上れない夫(70)は鉱山で掘削の仕事をしていました。最初はそんなに恐ろしい病気だとは思っていなかったが、仲間が合併症で死んでいて、これからが心配です。体調が悪く来れなかった夫のためにも頑張ります」と語りました。

 参加者らはデモに先立ち、厚生労働省、環境省と経済産業省にたいし「すべての労災職業病の根絶と被害者の早期救済」などを要請しました。

 国会では日本共産党の高橋ちづ子衆院議員と紙智子、仁比聡平、山下芳生の各参院議員が出迎えて激励しました。

 15日の集結集会には、日本共産党の高橋ちづ子、穀田恵二(国対委員長)両衆院議員が出席し、高橋議員があいさつしました。(2009年10月17日(土)「しんぶん赤旗」)