今夏の参院選で日本共産党は比例代表5議席獲得をめざします。西日本17県が活動地域の仁比そうへい比例候補(49)は昨年末、法律家でつくる「仁比ネット」主催のトークライブで、大先輩の馬奈木昭雄弁護士(70)と対談しました。しんぶん赤旗紙上で再現されたものを紹介します。

馬奈木氏 力ある正義の発揮を
仁比氏  憲法下が約春寒の光景

仁比氏 私が弁護士になりたいと決意した先輩弁護士たちの運動の中に馬奈木先生の姿がありました。司法試験突破に苦労した20代、呻吟(しんぎん)して眠れない夜に九州の先輩弁護士の生きざまを描いた本を繰り返し読んで、大変励まされました。

 弁護士とは何か。どんな権力からも自由で事実に基づいて権利のためにたたかう、それが自らの生きざまになる。そうした職業、生き方なのではないかと思います。弁護士として私自身も憲法が光り輝く瞬間を何度も体験してきました。

 国会に送っていただいて当時の小泉・安倍政権の下、参院憲法調査会で憲法を断固として守りぬく論陣を張ってきました。初回に意見を述べた時、引用したのが熊本地裁でのハンセン病違憲国賠訴訟判決の言い渡しの瞬間のことです。

 私も弁護団席で立ち会った判決言い渡しが「被告国は」との言葉で始まった瞬間、「勝った」という衝撃が体中を走りぬけました。

 弁護団みんなが勝利を確信していたはずなのに言い渡しの途中から弁護団席からもすすり泣く声が上がり、それが傍聴していた原告や支援のみなさんにも広がりました。言い渡しが終わった瞬間にわーつと拍手が湧き起こり、裁判長はそれを制止することもなく法廷を出ていくわけです。

 そのさなか、最前列に座っていた原告の一人が立ち上がって、「裁判長ありがとう。これで俺たちは人間に戻れた。これで胸を張って生きていくことができる」と叫びました。原告たちと涙ながらにみんなが抱き合いました。憲法を生かすたたかいの力が輝いた瞬間だったと思います。

 政治や社会の行き詰まりが深く語られる時代の中で、馬奈木さんや後進たちが積み重ねてきた力のある正義、民主主義が、正面から問われていると思うのです。

馬奈木氏 弁護士と政治家、どこが同じでどこが違うのか。力のある正義とは裁判に勝つために国民の支持を勝ち取っていく上でどう運動を展開するかということですが、政治家も同じだと思います。

 今度勇退された日本共産党の吉井英勝前衆院議員に、産業廃棄物問題で一緒に交渉してもらったことがありますが、「弁護士になっていたら日本でトップの弁護士になれたのに」と失礼にも言ってしまいました。詰め方が実にすばらしい。法律の詰めどころをとてもよく分かっておられました。

 仁比さんにごみ処分場問題でも環境省交渉に同席してもらい、一緒に行った住民のみなさんたちは大喜びでした。仁比さんが詰めると環境省の役人は「その通りでございます」と文句なしに屈服したんです。政治家と弁護士とはそういう共通するところがあるんだと思います。(つづく)