○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
冒頭、伊達議長の後援会をめぐって報ぜられた問題について、まず議長御自身が自ら疑惑を晴らすきちんとした説明をされることを求めます。
続けて、年金カット法案についてであります。
安倍内閣と自民、公明与党は、国会の審議と議決の重みを一体何だと心得ているのか。さきのTPP協定承認案、そしてこの間のカジノ法案、数に任せて次々と重大案件の強行を図り、国会を国会でなくす暴挙の中、年金カット法案の衆議院委員会、そして本会議の強行採決を行った政府・与党に対し、満身の怒りを込めて抗議をするとともに、本院における審議入りに断固反対の意見を表明いたします。
本法案は、今でも生活できない低年金、無年金の中、更なる年金水準を引き下げ、高齢者の生活に重大な影響を与えるとともに、地域経済にも悪影響が強く及びます。
新たに導入をしようとする年金削減の仕組みは賃金マイナススライドというべきものであり、物価と賃金が共にマイナスで賃金の下げ幅の方が大きい場合は賃金に合わせて年金を下げる、物価が上がっても賃金がマイナスの場合、年金はマイナス改定とされる、まさにひたすら低い方に合わせるというものであって、賃金が下がる局面では年金支給額を現在のルールより更に引き下げることになります。こうした引き下げられた年金が次世代に引き渡され、現役世代にとってもマイナスにしかなりません。
そのほか、いわゆるキャリーオーバーの仕組みの問題やGPIFに関する改定など、極めて重大な法案であるにもかかわらず、衆議院における強行採決を行い、そして本会議審議入りを強行するなど、延長国会も十四日までという下で、政府・与党はこの法案をはなから強行しようというおつもりなのでしょうか。
参議院における充実した審議の実現に関して、平成八年十二月十六日の参議院制度改革検討会報告書が当時の斎藤十朗議長の下で提出をされていますが、ここにはこう書かれています。
充実した審査及び調査を行うには、審議時間を十分に確保すべきである。特に重要議案については、これまでも二十日間の審議日数の確保を衆議院に申し入れてきたところであるが、改めて衆議院にこの旨の確認を求める必要がある。
二院制の下における本院の再考の府としての責務を果たすべく、党派を超えて積み重ねてきたこうした審議充実の基本的考え方さえ壊す政府・与党の暴挙に対し、厳しく抗議するとともに、本法案の廃案を強く求めて、反対の意見といたします。