熊本県のダム反対住民による新年学習講演会が1月24日、同県八代(やつしろ)市で開かれました。オンライン中継含め100人が参加し、昨年の7月豪雨被災者の生活再建と未来につながる流域の復興を誓い合いました。市民団体でつくる実行委員会の主催。
「川辺川利水訴訟原告団」の茂吉隆典団長が開会あいさつ。基調報告では中島煕八郎熊本県立大学名誉教授が、国・熊本県の水害を拡大させた「12年間の治水放置の責任は重大だ」と指摘しました。「子守唄(うた)の里・五木を育む清流川辺川を守る県民の会」中島康代表は、ダム反対運動の先端に立っていることに確信をもち「声を上げ続けよう」と締めくくりました。
水害被災者が登壇し実態を告発。人吉市の旅館業の男性が、ダムで川が濁るリスクについて「地域の観光業は球磨(くま)川の清流があってこそのものだ」と訴え、八代市坂本町の男性は、人吉より下流の坂本のほうが早く氾濫しており「川辺川ダムがあっても被害は防げなかった」と述べました。
参加した女性(74)=人吉市=は「希望の持てる町の復興と被災者への手厚い支援で元気づけてほしい」と話しました。
集会では、日本共産党の仁比聡平前参院議員、「ダムによらない治水・利水を考える県議の会」の鎌田聡、磯田毅(以上立憲民主党)、山本伸裕(日本共産党)の各県議が紹介され、山本氏が連帯あいさつしました。(しんぶん赤旗 2021年1月26日)