日本共産党の仁比聡平議員は11月30日の参院本会議で政府の2008年度決算報告に対する質問に立ちました。「大企業のもうけがいずれ家計に波及する」と唱えて旧自公政権が強行した「構造改革」路線の誤りは「もはや証明された」と強調し、雇用・社会保障から沖縄米軍基地・「政治とカネ」の問題まで鳩山由紀夫首相の認識をただしました。(会議録全文→)
仁比氏は「構造改革」路線の誤りについて、家計への波及どころか2000万人が貧困ライン以下の生活を強いられていると指摘し、「くらしと権利をまもる『ルールある経済社会へ』の転換をはかってこそ、生活苦を打開し経済を健全な発展の軌道に乗せられる」と力説しました。鳩山首相は「(自公の誤りを)反面教師にして、国民のくらしに重点を置く」と答えました。
深刻な雇用情勢について仁比氏は、▽高校生・大学生の就職を保障する▽大企業に社会的責任を果たさせる▽仕事と住まいを失った労働者への生活保護の活用―などを求めました。鳩山首相は「新卒者への就職支援の強化はたいへん重要」「労働者派遣法違反に対しては都道府県・労働局で厳正な是正指導を行う」と答弁。ハローワークでのワンストップサービスの生活保護申請は「急迫の場合に受理する」とのべるにとどまりました。
社会保障をめぐり仁比氏は▽生活保護を受けられずにいる国民の実態調査▽後期高齢者医療制度の即時廃止▽国保証をとりあげ短期証にすることの中止 ―などを求めました。長妻昭厚生労働相は「生活保護水準以下の世帯数の推定を行っている。来年3月を目標にまとめる」「(短期証が本人に渡らない)『留め置き』の長期化は望ましくない。市町村に指導する」と答えました。鳩山首相は新制度創設まで後期高齢者医療制度廃止を先送りする方針を繰り返しました。
平和の問題で仁比氏は「対米追従の政治が、基地あるがゆえの苦しみを押しつけてきた」と強調。沖縄の米軍普天間基地の即時閉鎖、県内移設反対という沖縄県民の思いをわがものとして対米交渉に臨むべきだと正面から迫りました。鳩山首相は「県民に理解される解決策を見いだしたい」などとのべ、総選挙の公約だった「県外・国外」移設にはまったく言及しませんでした。
仁比氏は、鳩山首相の政治献金偽装は何のためか、巨額の資金は何に使ったのかの説明を求め、今国会での集中審議を要求しました。この問題でも鳩山首相は「司法判断のあかつきに説明したい」とのべるにとどまりました。(2009年12月1日(火)「しんぶん赤旗」)