「親権のあり方勉強会」が2月9日、国会内で開かれ、日本共産党から小池晃書記局長と、仁比聡平参院議員が出席しました。会合では、離婚後も父母双方に子どもの親権を認める「共同親権」の導入を盛り込んだ要綱案を法制審議会の部会が了承したことを受け、当事者と法務省からヒアリングを行いました。政府は今国会に改定案を提出する方針です。

 同省の担当者は、要綱案について、離婚後は父母のどちらかが親権を持つ現在の「単独親権」から、離婚後も父母双方に親権を認める「共同親権」が原則になると説明。父母の協議で共同親権か単独親権かを決めるとして、合意できない場合は家庭裁判所が判断するとしています。

 元夫からのDV(配偶者間などの暴力)や子どもの虐待が原因で離婚した女性は、「離婚調停に4年もかかった。元夫は嫌がる子どもに面会を求めるなど、離婚後もDVや虐待が続いた」と涙ながらに証言。複数の当事者から、要綱案は、裁判所がDVだと認めた場合は「単独親権」を行使できるとしているが、立証するのは困難だとして「私たちから日常を奪わないでほしい」と制度導入に懸念や反対を表明しました。

 小池氏は、「当事者の方々の話を聞き、深刻な問題があると痛感した。今回の『要綱案』では、“親が子を思い通りにする権利がある”かのような『親権』がそのまま使われている。日本共産党は、『共同親権』の拙速な導入ではなく、子どもの権利を中心に据えて、『親権』そのものを見直すべきだと考える」と述べました。

 仁比氏は「子育てのあらゆる場面で裁判が繰り返される懸念がある。新たな人権侵害が起こってはならない」と指摘しました。(しんぶん赤旗 2024年2月10日)