11月20日の「世界子どもの日」に合わせて、子どもへの性暴力防止に向けた海外の取り組みを学ぶシンポジウムが11月19日、国会内で開かれました。性暴力の被害当事者でつくる一般社団法人「Spring」など7団体の共催です。

 幼少期の性的虐待のサバイバー(苦しみを生き延びた人)グループ「ブレイブ・ムーブメント」の共同設立者、ボブ・シリングさんがあいさつしました。

 性暴力は個人の感情を深く傷つけ、「被害者の多くはさまざまな理由で被害届を出していない」と指摘。「法律をつくる立場の人たちは、言葉にできない犯罪被害に苦しんでいる人々の声に耳を傾けるときだ」と述べました。

 性的搾取や性的虐待からの子どもの保護に関する条約の締約国委員会である欧州評議会「ランソローテ委員会」のメンバー、マシュー・マクヴァリッシュ博士は、被害者の6割超が50歳以降になってから被害を受けたことを公表していると指摘。日本の刑法の性犯罪の公訴時効期間が延長されたことにもふれ、「すべての被害者を救済するためには時効の撤廃が唯一の答えだ」と強調しました。

 米国・ダラスで児童虐待への意識を高める地域教育を指導・監督するダイアナ・スムートさんが、「ダラス児童養護センター」が被害を受けた子どものメンタルヘルスや身体の健康に関わる機会を増やすことで、薬物使用や自傷行為にはしる子どもの割合が減っているといった実例を紹介。10年以上にわたり子どもの権利活動家として活動している、ミエ・コヒヤマさんが、被害当事者の声を政策に反映させる「サバイバー評議会」を世界で唯一設置しているドイツの取り組みについて話しました。

 日本共産党の本村伸子衆院議員、仁比聡平参院議員のほか、与野党の国会議員が参加しました。(しんぶん赤旗 2024年11月20日)