日本共産党の仁比聡平議員は5月21日の参院予算委員会で、正社員リストラを進める電機大手パナソニックのグループ企業が、労働者一人一人をあからさまに選別するリストをつくり、執拗(しつよう)な退職強要をしている実態を告発しました。仁比氏は麻生太郎首相に、「自ら乗り出して雇用破壊をくいとめよ」と迫りました。(会議録全文→ 未定稿)
仁比氏がとりあげたのは、パナソニック・ファクトリー・ソリューションズの佐賀県鳥栖市の工場(社員九百人)。パナソニックグループは、一万五千人の人員削減を計画し、同工場を閉鎖し、甲府市や大阪府門真市の工場に広域配転しようとしています。同社は表向き「雇用の確保を図る」と述べていますが、鳥栖工場では「選別リスト」(図)を作成。「五百人を切る」と公言し、労働者一人一人について「余力」「必要」などと記載し、「五月二十八日までに決めなければ退職金の上積みはない」などと退職強要の個別面接を行っていることを明らかにしました。
仁比氏は「労働者の自由な意思決定を妨げる退職強要は違法だ。直ちにやめさせるべきだ」と要求。舛添要一厚生労働相は、「個別の案件については申し上げない」としつつも、労働法は「国権の最高機関の国会で決めた法律であり、守ってもらわないと、企業としての資格がない」と答弁しました。
仁比氏は、「そのとおりだ」と述べ、退職強要について最高裁は、労働者の「自由な意思決定が妨げられる状況にあった場合には、違法な権利侵害」だとの判決(一九八〇年)を出していることを指摘。パナソニックの退職強要を「直ちにやめさせるべきだ」と重ねて要求しました。
仁比氏は、雇用破壊を続ける大企業、財界の代表を予算委員会によんで集中審議を開催するよう改めて要求しました。