【14.05.20.】5月20日 法務委員会 昭和ゴム事件をもとに悪質ファンドの規制もとめる②

186回国会質問 国会質問一覧

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
 私は、前回、コーポレートガバナンスの強化というけれども、それが単なる見せかけになってはならない、このガバナンス強化の方向の会社制度の改正の実効性が果たして担保されているのか、そうした問題意識から、略奪的ファンドの一つとして、APFグループの昭和ゴムに対する介入と会社を食い物にする実態を問うたわけです。
 昨日、この事件に関する一つの判決が東京地裁で下されました。大学教授が不公正ファイナンスと昭和ゴム事件として経済誌に掲載をした論文について、事もあろうか名誉毀損であるとこのAPFグループが裁判を起こしてきたわけですね。これに対して、昨日、東京地裁は、昭和ゴムとAPFの関係を題材として投資ファンドの企業買収による被害の発生を防止するため規制を充実させるよう訴える内容であり、専ら公益を図る目的で執筆されたものであるとして、その論文の指摘をした事実について重要な部分が真実であるという認定をし、名誉毀損だと因縁を付けられたその大学教授の勝訴の判決を下したわけです。
 この事実は真実であると認定された部分は、これ前回から私が指摘をしている部分ともちろん重なるわけですけれども、その中で、例えば、有価証券でも何でもないプロミサリーノートと称する実際には念書の程度にすぎないものを有価証券であるというふうに有価証券報告書にも記載をしながら、会社の資産を流出をさせたというその一つである第三者割当て増資によって、十二億四千五百万円を会社が増資をしたという形を取りながら、実際にはそのうち十一億円がそのプロミサリーノートの購入に充てられたと認められる。つまり、第三者割当て増資によって得られた資金のほとんどがAPFグループに還流したという事実は真実であるという裁判の判示になっています。つまり、架空増資だということなんですね。
 この件については、前回も指摘を申し上げましたように、二〇一〇年の六月に既に証券取引等監視委員会によって強制調査が行われ、証拠も差押えを受けているはずなんですね。この事実が仮に証拠によって認められるなら、取締役たちによって事業会社の資産がこうした形で不当に食い物にされている、これ絶対に許すわけにいかない事態だと思うんです。
 そこで、ちょっと通告と順番違いますけれども、私、刑事局長に御確認をいただきたいと思うんですが、こうした事態というのは、これ犯罪にはならないんですか。
○政府参考人(林眞琴君) 具体的な事象に対しましてどういう犯罪が成立するかということにつきましては、これは捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄でございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○仁比聡平君 取締役が術策を弄して会社の資産を食い物にして、これによって会社に重大な被害を与えると、これは特別背任になるんじゃありませんか。また、その手段としてこうした有価証券報告書などの偽装をすると、これ犯罪になるんじゃありませんか。
○政府参考人(林眞琴君) 先ほども申し上げましたが、犯罪が成立するか否かということにつきましては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 あくまで一般論として申し上げれば、例えば、取締役等が自己若しくは第三者の利益を図り又は株式会社に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、当該株式会社に財産上の損害を加えた場合、こういう場合には会社法上の特別背任罪が成立することがございます。あるいは、その重要な事項について虚偽の記載のある有価証券報告書等を提出した事実が認められた場合には、金融商品取引法違反が成立することがあるというものと承知しております。
○仁比聡平君 金融庁に伺いたいと思いますけれども、これ、監視委員会の強制調査によってそうした事実も私つかんでいると思うんですよ。このAPFグループの件、一罰百戒という言葉もありますけれども、厳しくただして初めて市場の投資家保護やあるいは公正というのが図られるんじゃないんですか。これまでその告発も行われたのかということもいささか疑問なんですけれども、どう規制するんですか。
○政府参考人(瀬戸毅君) お答えいたします。
 個別の案件については回答は差し控えさせていただきますが、金融商品取引法等の違反がありました場合には、証券取引等監視委員会において適切に調査、検査を行いまして、その要件に従いまして適切な対応をしているところでございます。
 なお、今お話のありましたアジア・パートナーシップに関しまして告発したという事実はございません。
○仁比聡平君 前回の質疑で、金融庁から、刑事罰に関するこの規制については刑事当局とも連携をしながら進めていきたいという御発言がありましたけれども、それは金融庁、そのとおりですか。
○政府参考人(瀬戸毅君) お答えいたします。
 一般的ではございますが、告発に係るような事実がある場合には、検察庁と十分に意見交換を行い、協力してやっているところでございます。
○仁比聡平君 刑事局長に改めて確認ですけれども、そうした連携というのは、法務省ないし検察庁としてもそのような受け止めでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(林眞琴君) 一般に、検察当局におきましては証券取引等監視委員会と連携協力しておりまして、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、その法と証拠に基づきまして適切に対処しているものと承知しております。
○仁比聡平君 そうした連携と摘発が厳格に行われるということが今本当に求められていると思います。
 こうした事態について、東京証券取引所がどういう調査を行っているかということについて、調査を行っているかというよりも、どういう構えかということについて前回も問うたわけですが、自主規制法人に調査を委託をしているということで、その自主規制法人が金融庁の審判が開かれていないなどの下でどんな調査をしているのかということを証券取引所としては今日把握をしていないということなんですね。委託をしているからといって、こうした態度が適切なのか、金融庁、どうお考えでしょう。
○政府参考人(遠藤俊英君) お答え申し上げます。
 取引所にとりましては、上場会社は手数料の支払を受ける顧客としての位置付けがございます。その一方、不適切な問題が上場会社にあれば、取引市場の信頼性を確保するために、必要に応じた処分その他の措置を行う対象になるものでございます。
 上場会社に処分等の措置を行う際には、その判断の客観性を確保する必要があることから、東証においては、取引所本体から独立した自主規制法人におきまして上場会社に関する調査等の自主規制業務を委託することとしております。自主規制法人におきましては、取引所から独立した立場で、上場会社の適時開示、企業行動などについて調査等を行っております。当該調査の結果、上場会社に処分等の措置を行うことが適当と認められる場合には、自主規制法人から報告を受けて取引所が処分の措置を行うということで、上場制度の適切性の確保に努めているところでございます。
 このように、取引所にとっての上場会社の位置付けでありますとか、自主規制法人に委託することの意義を踏まえれば、自主規制法人が行う調査の状況を東証がその調査を行っている段階で知り得る立場にないといった答弁をしたというふうに聞いておりますけれども、その答弁は必ずしも不適切なものではないというふうに考えております。
○仁比聡平君 取引所と自主規制法人の関係を今お話しのように整理をするんである、それが金商法の立場なんであると、恐らくそういうことなのだろうと思うんですけれども。であれば、業務は相互に独立して、自主規制法人がしっかり役割を果たす、適切に役割を果たし、その存在感が示されるということであって初めてこの目的が果たされる、仕組みが機能するということだと思うんですよね。
 ちょっとこれ、この事件の関係者がどうなっているんだろうと東京証券取引所に電話をしたら、いや、つかんでおりませんというお話があって、いや、だったら自主規制法人はどうなんだと電話をしたら、同じ人物ではないかという人が電話に出たというような、そういう話も聞くんですが、そんなことがあり得るんでしょうかね。
 平成七年でしたか、この自主規制法人という仕組みができて、今後どうしようとしているのか。実際には余り知られていないです、その活動が。今後どうしようと思っているのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(遠藤俊英君) 先生御指摘の点は、まさに自主規制法人がきちっとその役割を果たしているかどうかということを世の中に対してきちっと示すべきではないかという問題の御提起ではないかというふうに考えております。
 おっしゃいますように、自主規制法人が現在上場会社について年間どれだけの調査の件数をこなしているかという公表は行っておりません。ただ、自主規制法人は、一般論として申し上げれば、金商法に基づく課徴金勧告事案でありますとか、刑事事件の当事者となったような事案、あるいは上場会社の問題に関する情報提供が自主規制法人に寄せられた場合について、当該上場会社に関する調査等をしっかり行っているところであるというふうに承知しております。
 御指摘のように、自主規制法人の取組に関する情報発信、これを行うことは、市場の透明性の向上、当事者の信頼確保の観点から、当局として望ましいものだというふうに考えております。自主規制法人におきましても情報発信の充実を図ろうとしているというふうに理解しておりまして、例えば上場会社に関する年間調査件数の公表などを検討しているものだというふうに聞いております。
○仁比聡平君 先ほどちょっと質問の中で私、平成七年と間違いを言いました。平成十九年からですか、もうすぐ七年になるという仕組みだと思いますが。
 今のような自主規制法人がそうすると調査をするということで東証の審査が進むということになることを期待をしますけれども、金融庁のその審判、これが進んでいって課徴金命令が出されたというときに、それを想定したときに、このAPFでいいますと、その代表者はタックスヘイブンのバージン諸島に個人資産の管理会社を置いて、その本人ともどうも連絡が付くのか付かないのかというような状況にあるわけですよ。
 この課徴金命令が出た場合ですが、これはこの海外に存在する資産に対する強制執行ということが問題になると思いますが、過去行ったことがあるのか、一体どうするのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(三井秀範君) 課徴金納付命令が確定した場合における強制執行についてのお尋ねをいただきました。
 まずは個別の、本件についての強制執行のことについては、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
 一般論でございまして、海外にということの実例のお問合せでございますが、課徴金納付命令が決定がされますと、これは執行力のある債務名義と同一の効力を生ずるというふうに金融商品取引法に規定されていまして、民事執行法の強制執行の手続によって取り立てていくということになります。したがいまして、その後督促をし、そして納付されない場合には強制執行手続ということになります。海外に資産がある可能性があるということが分かってまいりました場合には、その資産の所在地である海外当局と必要に応じて意見交換をしながら対応していくということになろうかと思います。
 過去、執行の有無については、お答えを差し控えさせていただきます。
○仁比聡平君 厳しくそうした取組を現実のものにしないと、絵に描いた餅では駄目なんですよね。逃げ得を許してしまうということになる、絶対にそんなことはあってはならないと、重ねて申し上げておきたいと思うんです。
 それで、民事局にこの法案との関係も含めてお尋ねをしたいと思うんですけれども、私が問題としてきましたこのAPFグループに介入をされた昭和ゴムないしホールディングスというのは、これは委員会設置会社であります。前回から申し上げておりますように、このファンド代表者のKが社外取締役になっている、この代表者が社外取締役の機能を果たしているというのかと。ちなみに、その弟が昭和ホールディングスの代表取締役となり、事業会社のCEOでもあるわけですね。それでも社外と言えるのかと。いかがですか。
○政府参考人(深山卓也君) 御指摘の具体的なケースについての事情は承知しておりませんので、その特定の人物が社外取締役として機能を果たしているかとお尋ねになられても、ちょっと法務省の立場で、果たしているとも果たしていないとも答弁することはできないと思っております。
○仁比聡平君 制度を改正をしていっているわけであって、もちろん個別、お答えになれないのは、私それは当然だとは思いますけれども、社外取締役だとか委員会設置会社だとかという形だけで実際にガバナンスが図られるかというと、それはそんなことにはならない。逆に、それを隠れみのに、あるいはその制度に乗じた形で、ガバナンス強化どころか、会社資産を食い物にして経営を危うくすると、そうした現実があるわけですよね。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいと思うんですけれども、こういう事態が、APFグループで言いますと二〇〇八年から問題となって、二〇一〇年の六月には監視委員会の強制調査が入って、とうとう昨年十一月には例のない四十一億円という課徴金の納付命令に関する勧告が出されて、けれども、この半年間一度も公開の審判は開かれないという形で事態は推移しているわけです。
 関係当局が、これまでの法制度に基づく権限で、今伺ったようなそうした規制を働かせようと私は努力をしているというふうに信じたいと思いますけれども、にしても、前回もお尋ねしたように、会社資産は流出し、経営は傾いて、とりわけ労働者は路頭に迷わされるのかという深刻な事態が進行しているんですね、現に。こんなことでいいのかと。いかがですか。
○国務大臣(谷垣禎一君) この個別の企業の今の問題を私も、今委員からいろいろお話は承っておりましたが、十分に承知しているところではありませんので、その論評はあえて踏み込みません。
 しかし、コーポレートガバナンスでいろんな仕組みを改善してきたと。だけど、仏作って魂入れずということではやはりしようがない。これはどんな制度でもそうだろうと思います。やはり、何というんでしょうか、制度の目指す運用、これをきちっとやっていただきたいと思っておりますし、法務省としてもその広報や何かはきちっとやらなきゃいけないと思います。
○仁比聡平君 広報ももちろん大事だと思うんですけれども、私、こうした無法なファンドに有効な規制がなかなか働かないというこの法制度そのものをしっかり検証して見直すべきなんじゃないのかと思うんですね。
 今後、関係の省庁の皆さんともよく議論をしていきたいと思っているんですけれども、特にそのポイントは、会社法の中に、多様な利害関係者、ステークホルダーの利益を考慮する枠組みを構築するということだと思います。労働者が、介入してくるファンドを始めとした、資本に対する団体交渉を始めとした権利をちゃんと認めると、そうした制度がないから、どんどんどんどんひどいことになっている。そうしたステークホルダーの利益をちゃんと考慮するという会社法の見直しを私進めるべきだと思いますが、大臣、いかがですか。
○委員長(荒木清寛君) 時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
○国務大臣(谷垣禎一君) コーポレートガバナンスの強化自体につきましては、今回の改正法でも見直し規定を入れております。
 今、仁比先生のおっしゃった問題提起は恐らく会社法制の根本に関わるもので相当な議論をしなければいけないと思いますが、今後ともコーポレートガバナンスの強化についてはいろいろな意味で検討を深めていかなければいけないと思っております。
○仁比聡平君 終わります。


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