日本共産党の仁比聡平議員は5月30日の参院法務委員会で、難民不認定に対する不服申し立てを審査する難民審査参与員が、申請者に口頭意見陳述の機会すら与えない入管行政を厳しく批判しました。(質問動画はコチラ)

 大阪地裁は3月、東アフリカ・ウガンダ国籍の同性愛者を難民不認定としていた入管庁の判断を覆し、難民条約上の「難民」に該当すると認定し、判決が確定。判決は、同国で同性愛者が終身刑とされ、帰国すれば警察官等から暴行を受ける恐怖を抱くような「客観的事情が存在する」と判断していました。

 仁比氏は、入管庁が、同判決を基礎づける事情を1次審査や不服申し立て手続きの段階で「当然把握できたはず」だと強調し、口頭審理も行わずに「直ちに送還すべき者」と判断したことに「何の反省もないのか」と迫りました。

 仁比氏は、判決が証拠認定したウガンダの人権擁護NGO「ヒューマンライツ・アウェアネス・アンド・プロモーション・フォーラム」の報告書が、欧米諸国で「難民認定の判断に基礎づける情報として共有されている」と指摘。それにもかかわらず、国が裁判で「およそ証拠としての価値はない」と主張したことを挙げ、「出身国情報がまともに審査されていないことを示している」と追及しました。

 斎藤健法相は「初めてこの報告書の話を聞いた」と弁明。仁比氏は、難民審査参与員を送還のベルトコンベヤーに組み込んでいる入管に、「適正な判断を期待するのは間違いだ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2023年5月31日)