自由法曹団は10月19、20の両日、茨城県つくば市で総会を開きました。弁護士と事務所員、司法修習生など約300人が会場やオンラインで参加しました。

 泉澤章弁護士は、再審制度の見直しを検討する法制審議会の部会について「再審開始決定に対する検察官抗告の禁止に否定的な意見が多く、証拠開示の範囲を狭く限定するなど、改悪の可能性を危惧している」と指摘。冤罪(えんざい)被害者を救うため、法改正を国会に求める運動の発展を呼びかけました。

 伊須慎一郎弁護士は、埼玉県川口市などでのクルド人への差別やヘイトデモについて報告。「日本社会から追い出そうとする嫌がらせも続き、外国人に対して何をしてもいいかのような状況だ」と述べ、実態を知ることや被害対策での協力を求めました。

 討議のまとめで山口真美弁護士は、物価高騰や低賃金などの課題を自民党政権は解決できないとして「私たちのたたかいで終わりにしよう」と強調しました。

 日本共産党の仁比聡平参院議員が出席し、弁護士有志の企画には山添拓政策委員長・参院議員も加わりました。来賓あいさつで仁比氏は、自民・維新の連立政権で医療費削減や「スパイ防止法」制定などの動きが進む危険性を指摘。排外主義勢力も台頭する中で「暮らしと平和、民主主義を擁護し、発展させる新しい国民的共同をつくりたい」と力を込めました。

 総会では「大軍拡と『戦争をする国づくり』に断固反対し、憲法改悪阻止に全力で取り組む」「臨時国会で議員立法による再審法改正実現を求める」など12本の決議を拍手で採択。団長に東京支部の黒岩哲彦氏、幹事長に同支部の平井哲史氏、事務局長に同支部の瀬川宏貴氏を選出(いずれも新任)しました。(しんぶん赤旗 2025年10月21日)