「ノーモア・ミナマタ被害者・弁護団全国連絡会議」のメンバーは6月4日、早期にすべての被害者を救済するための立法解決を求めて浅尾慶一郎環境相と交渉した後、参院議員会館で国会議員に要請しました。メンバーは要請書とともに24万筆の署名を手渡しました。
岩﨑明男代表委員は、水俣病特別措置法の救済対象から外れた原告全員を水俣病と認めた2023年の大阪地裁判決、一部を認めた昨年の熊本地裁と新潟地裁の判決について浅尾環境相に「どう思うのか」と質問したが一切答えなかったと説明。これまでの国との交渉などを振り返り、今国会での立法化による被害者の救済を求めました。
全国で裁判をたたかう原告らが思いを語りました。
ノーモア・ミナマタ第2次国賠訴訟団副団長の谷添政一さん(69)は、小学4年のときに熊本県水俣市に家族で転居。夜釣りをするほど釣りが好きで「たくさん食べた」といいます。社会に水俣病のことが明らかになってから、周りから言われた言葉は「あそこの家に嫁に行くな」。64歳までトラック運転手として働きました。ハンドルを握ると手がこわばり、こむら返りの症状も。耳にはモーターのような音が聞こえるため会話は難しいといいます。
谷添さんは「原告の平均年齢は75歳。ここに来てしゃべれない人がいっぱいいる」と強調。「法案提出を今日か明日かと待っている。すべての被害者が救済されることが何よりの希望の光。本当にお願いします」と力を込めて訴えました。
多数の野党国会議員が参加しあいさつしました。日本共産党からは井上哲士と仁比聡平の両参院議員が参加。仁比氏は、国の理不尽さを明らかにしてきた自身の国会質問を紹介。「絶対あきらめないと、被害者がたたかい続けるからこそ勝利の道が開かれる。私も全力を尽くしてがんばりたい」と述べました。(しんぶん赤旗 2025年6月5日)
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