【16.03.18.】地方・消費者特別委員会『若者の格差と貧困は深刻、サラ金の実態調査を』

190回国会質問 国会質問一覧

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。河野大臣、どうぞよろしくお願いをいたします。

今日は、サラ金の多重債務者問題についてお尋ねをしたいと思うんですけれども、消費者庁は、金融庁とともに多重債務者対策本部の柱としてこの問題の解決に取り組んでおられるわけです。その基本的立場について少し消費者庁の皆さんにお尋ねをいたしますと、現に存在する多重債務者、これ大きく減っているわけですが、引き続き重要な課題になっている。この現に存在する多重債務者問題の救済と、そして新たな多重債務問題を生じさせないということにあるのだと思うんですね。

河野大臣は、この多重債務問題の現状をどう認識して、解決にどのように取り組んでいかれようとするのか、その所信をお尋ねしたいと思います。

○国務大臣(河野太郎君) 一時本当に大きな問題でございましたが、様々な取組で以前よりは改善をされてきた部分というのがあるんだと思います。ただ、この多重債務問題については、貸し手の対策だけでなく、借り手についても関係省庁が連携して政府一体で当たる必要があるだろうというふうに思っております。特に、我が国はやはり金融教育、金融経済教育と言ったらいいんでしょうか、お金についての基本的な教育というのをもう少し若い世代からやっていかなければいけないのかなというふうに個人的には私は思っております。また、現に多重債務になってしまっている方の相談窓口の整備といったこともしっかりやっていかなければいかぬと思いますし、闇金融の取締りというのも、これも着実にやらなければいかぬというふうに思っております。

依然として、消費生活相談件数、数は減少したといってもございますので、これが大きな問題にならないように、また、新しい多重債務者をなるべく出す前にそうした問題を食い止めるというところで、関係省庁と連携をしてこの問題に当たってまいりたいと思います。

○仁比聡平君 ありがとうございます。

今大臣が紹介された数の問題をちょっと私から申し上げますと、五件以上無担保無保証の借入残高がある者というのを金融庁などに調べていただきますと、二〇〇六年に貸金業法等の改正案が全会一致で改正をされましたが、その翌年、二〇〇七年には百七十一万人であったものが、二〇〇九年には七十三万人へと言わば劇的に減っているわけですね。その後も減少の傾向を続けて、二〇一五年、昨年の十二月末には十二万人になっているというのが数字の状況だと思うんですね。

この要因について、私が今申し上げました貸金業法等の改正、つまり上限金利の引下げ、そして総量規制の導入、私、当時、暴力的な取立ての大きな焦点にもなっていた日掛け特例、これを廃止するべきだということで国会でも随分議論をさせていただいたわけですが、そうした措置によって多重債務が減っていると。つまり、貸金業法等の改正の効果があったと私は思いますが、大臣はいかがでしょう。

○国務大臣(河野太郎君) そうした数字の減少に当たっては、この貸金業法の改正というのが役に立っていた、そう言っていいと思います。

○仁比聡平君 この二〇〇六年の貸金業法等の改正というのは第一次安倍政権の下で行われたわけですが、まさに与野党を超えて本当の大きな力で実らせることができたと思うんです。その議論のときにも、また施行後も、一部の国会議員の皆さんの中で、上限金利を元に戻すべきである、あるいは総量規制は廃止すべきであるなどという動きがあります。

河野大臣御自身も、例えば二〇一〇年に自民党無駄撲滅プロジェクトチームの座長としてサラ金業界誌であるクレジットエイジの二〇一〇年の八月号のインタビューにお答えになっていて、そのときは改正貸金業法に疑問を呈するような発言をしておられると思うんですね。また、二〇一一年に貸金業法改正の影響と対策に関する勉強会、この呼びかけ人に名前を連ねておられると思います。この勉強会は、その年、二〇一一年の七月に上限金利を二九・二%に戻す、あるいは総量規制を大幅に緩和するなどの提言を出しているわけです。

そこで、確認をしたいと思うんですけれども、今の政府の立場としては、例えば昨年の四月の財政金融委員会で民主党の前川議員が私と同じ立場で質問をされて、金融担当の麻生大臣が、平成十八年のこの貸金業法の改正につきましては、ちょっと飛ばしますが、相応の効果があったということは、これははっきりしていると、私どももそう思っております、したがいまして、今この段階で特にそれを、この法律を変えるとか触るとかいうつもりはございませんというふうに明確に答弁をされているわけですが、河野大臣もこの認識と変わりはないということでよろしいでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君) どんな規制もどんな法律も、未来永劫にそれがいい規制かどうかというのは、これは厳しくチェックをしていかなければいけないんだろうというふうに思っております。この貸金業法を改正したときには、まさかマイナス金利なんということが日本に起きるとは思っていなかったわけで、今現に金利はマイナス金利の時代になっております。そうしたことを考えながら、これは、消費者担当大臣としても規制改革担当大臣としても、あるいは国家公安委員長としても、常に実態を見ながらそうした必要があるかどうかというのは見極めていかなければいけないものだというふうに思っております。

○仁比聡平君 見極めていかなければならない、いつも常に実態をきちんと見なければならないというのはそれとして、先ほど御紹介した麻生大臣の今は考えていないという趣旨の立場と同じですか。

○国務大臣(河野太郎君) 一義的には金融庁で判断をされるものだというふうに思っておりますので、消費者担当大臣としては、消費者問題としてこの多重債務の問題が再び大きくなることが、ならないようにきちんと見ていきたいと思っております。

○仁比聡平君 私は、今も続いているこの多重債務被害というのをなくすということ、それから、かつて重大な多重債務被害を広げたサラ金三悪ということが言われました、つまり、高金利、そして過剰貸付け、過酷な暴力的取立て、この復活、逆流というのを阻むというのが政府の責務だと思うんですね。大臣はいかがですか。

○国務大臣(河野太郎君) 消費者個人に対する金融としては、おっしゃるとおり、暴力的な取立てなんというのはもってのほかだと思いますし、過剰な貸付けというのがあってはならないというふうに思います。金利というのは、これは経済で決まるものではありますが、やはりそこには個人向けの貸付けということでは一定のラインというのがあってしかるべきだろうというふうに思います。

○仁比聡平君 麻生大臣の御答弁、これを、つまり消費者問題を解決していく上で同じといいますか、符合するそういう御答弁だというふうに理解を今日はさせていただいて、次の問題をちょっとだけお尋ねしたいと思います。

私、新たな多重債務者を生み出さないために何が必要かということを考えたときに、金融庁に作っていただいた資料を配付をさせていただきました。

その一枚目、御覧いただきますと、サラ金大手の二社、アコムとプロミスですけれども、これ新規契約者のおよそ七割、一番右の欄を見ていただきますと、アコムでいいますと、二十七年三月で、二十九歳までが四七%、三十九歳までが二〇・一%と。つまり、およそ七割。これ、プロミスも、下の方ですが、同じ水準の数字と。経年で見ても同じ傾向が続いている。ここからは、業界全体としても若者の新規契約の割合が高いのではないかというふうに思います。新規だけじゃなくて既契約者全体でも、およそ五割近くが二十歳から三十九歳の若者なんですね。最近、例えばアコムさんの永作博美さんとラグビー部員のコマーシャルなど皆さんもよく御覧になると思いますけれども、若者を獲得しようというソフトな切り口の宣伝も膨大にされていると。

こうした下で、サラ金の新規契約者の七割が若者だという実態を、大臣、どんなふうに認識されますか。

○国務大臣(河野太郎君) 一時的に旅行に行ったり何か買物をするので、お金不足を補うための手段として消費者金融を利用するということは若者でもあるんだろうというふうに思いますが、これが長期にわたってお金を借りる、債務を抱える、それが経済的な自立困難につながっていくということになるのであるならば、それは看過できないことなんだというふうに思います。

若者がお金を借りることが全ていかぬと言うつもりはありませんけれども、それがおのずと、何というんでしょうか、自制の下に本当に必要なお金を返済が可能な範囲で借りているというならば、それはそれで経済行動の一つだと思いますし、それがそののりを越えて恒常的な債務につながりつつあるというならば、先生がおっしゃるように、これは新たな多重債務の発生にもつながりかねないということですので、もしそうした状況であるならば、少し注意をして見ていく必要があるというふうに思います。

○仁比聡平君 今大臣がおっしゃるような一時的な借入れなのかというと、そうではないという、私は読み取っているんですが、二枚目にお配りしました、金融庁の貸金業利用者に関する調査・研究という資料の中から抜粋をしたものです。

借入れ目的を見ると、下の図表二のところ、消費者金融利用者の利用目的を見ましても、利用目的の上位というのは生活費不足の補填なんですね、四二・八%。しかも、クレジットカード利用代金支払あるいは他の貸金業者への返済資金の不足を補うためだという、こうした利用目的というのが相当数あるわけです。

これは若者という分類ではありませんが、下の方、派遣・契約社員、パート、アルバイト、フリーター、こうしたところでは、生活費不足の補填のためだというのが五九・一%、何と六割近くに上っている。一番下、学生のところ、サンプル数は十五ですけれども、医療費の支払のためという方々が二八・七%。ここには、就職といえば非正規しかない、あるいは低賃金、しかもその実質賃金も低下をしてくるとか、奨学金、とりわけ有利子という中で多額の借金を抱えているとか、離職率が高いとか、そうした若者たちの格差と貧困という問題が私、浮き彫りになっているんじゃないかと思うんですね。

ちょっと時間がなくなりましたけれども、私、消費者庁として、先ほど大臣がおっしゃったように、新たな被害を生み出さないという、そのためにはどんな対策が必要かという観点を持ってこの若者の借入金の事情について調査をする必要があるのではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

○国務大臣(河野太郎君) この資料だけではちょっとそこのところはよく分かりませんが、先生がおっしゃるような問題点もあるかもしれないという気がいたしますので、そうしたところを少し視野に入れながら注意深く見ていきたい、必要とあるならば調査もするということで考えていきたいと思います。

○仁比聡平君 終わります。


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