スタートから10年になる介護保険。1割の利用料という「応益負担」が、切実に介護を必要とする高齢者を必要な介護から排除していると追及し(2010年2月4日の参院決算委員会)、大きな反響を呼びました。

「もうお金もない。もう生きられへんのやで」「そうか。あかんか。おまえと一緒やで」―86歳の認知症の母親と、介護のために退職した50代の息子が心中を図る前に交わした言葉です。生活保護を受けられないまま、デイケアの利用料もアパート代も払えなくなり、二人を絶望させた事件。2006年7月21日、京都地裁判決はこの事件について、「裁かれているのは日本の介護制度や生活保護行政だ」と異例の指摘をしました。

家族介護で離職する人や、介護を苦にした殺人・心中が2000年の介護保険制度発足後に400件以上にも増加しています。

仁比議員は、「来年度予算案の介護保険分野は自公政権時代と全く変わらない。「介護がこのままでいいのか」と質問。鳩山首相は、「財政の問題で必ずしも100%できていないが、介護に力を入れていきたい」と弁明。

制度発足時から「保険あって介護なし」と言われた実態は、10年たって一層深刻化し、是正は「待ったなし」。国民年金は平均わずか月4万8000円。住民税非課税の人の年金からも介護保険料や後期高齢者保険料は差し引かれ、利用料を払えず必要な介護を受けられない高齢者が増えていると厳しく批判。仁比議員が訪ねた78歳の寝たきりの女性は、節約のため電気を消した真っ暗な部屋で「朝から晩までじっと寝ている。死んだ方がまし」と話しました。ケアプランをつくるケアマネジャーたちが口々に「『利用料が月1万円でおさまるようにお願いします』と頼まれるたびにつらい」と語っていることも突きつけ、鳩山首相に迫りました。

仁比議員は、「応益負担」という「構造改革」のかなめの部分を改めないと、みんなが安心できる介護も社会保障もつくれない。国として減免制度をつくる、せめて低所得者は利用料を無料にする方向に踏み出すべきだと追及。首相は、サービスを受けている方と受けていない方の公平感も考えなければならない。ご理解ねがいたい。」と答弁。

仁比議員は、「1万5000円の上限があっても実際には1万円、5千円しか払えない、だから必要な介護が受けられないというのが現実だ」と怒りを込めて告発。「応益負担」を改めるよう強く求めました。

 

●東京の60代の男性から「私はガチガチの自民党支持者だが、もう自民党や政権交代した民主党でもだめだということがよくわかった。日本に共産党がいなかったら、高齢者はたいへんなことになる」
●福島県の82歳の女性からは、「戦争が終わった頃は無収入のときもありました。そんな苦しい時を耐えて65年。毎日お金の心配ばっかりしなきゃいけないのが本当にくやしい。どうしてこんなに虐げられるのか。仁比さんの質問を聞いて、負けてはいられないと思いました」
●60代の女性は、「私だっていつ天井を見るだけの状態になるかわからない。そしたら夫が介護状況になって、やがては共倒れだ。介護のことはテレビで誰もやってくれないから、本当に嬉しかった。仁比さんはハンサムで声もいい。絶対に参議院選挙で当選させたい」