【10.02.04.】介護保険 応益負担が命を奪う/大反響 仁比議員の質問

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介護保険 応益負担が命を奪う/大反響 仁比議員の質問
参議院決算委員会=2010.02.04 

スタートから間もなく10年になる介護保険。1割の利用料という「応益負担」が、切実に介護を必要とする高齢者を必要な介護から排除していると追及した、日本共産党の仁比そうへい議員の質問(2月4日の参院決算委員会)は大きな反響を呼びました。答弁から浮かび上がったのは、「福祉の心」を壊す「構造改革」から抜け出せない鳩山政権の姿でした。(杉本恒如)

 

仁比氏は何度も声を詰まらせ、冷酷な現実を語りました。

「もうお金もない。もう生きられへんのやで」
「そうか。あかんか。おまえと一緒やで」

86歳の認知症の母親と、介護のために退職した50代の息子が心中を図る前に交わした言葉です。生活保護を受けられないまま、デイケアの利用料もアパート代も払えなくなり、二人を絶望させた事件。2006年7月21日、京都地裁判決はこの事件について、「裁かれているのは日本の介護制度や生活保護行政だ」と異例の指摘をしました。

参議院決算委員会=2010.02.04

こうした現場の苦難に触れた仁比氏は、家族介護で離職する人や、介護を苦にした殺人・心中が2000年の介護保険制度発足後に増加しているとパネルを掲げて問いかけました。(グラフ1・2)

仁比 来年度予算案の介護保険分野は自公政権時代と全く変わらない。首相は「介護がこのままでいい」と考えているわけではないと思うが、どうか。

首相 財政の問題で必ずしも100%できていないことは認めなければならない。介護に力を入れていきたいという思いは持っている。

制度発足時から「保険あって介護なし」と言われた実態は、10年たって一層深刻化しています。是正は「待ったなし」です。

国民年金は平均わずか月4万8000円。住民税非課税の人の年金からも介護保険料や後期高齢者保険料は差し引かれます。利用料を払えず必要な介護を受けられない高齢者が増えています。

「構造改革」のカナメ改めよ

質問前に仁比氏が訪れた78歳の寝たきりの女性は、節約のため電気を消した真っ暗な部屋で「朝から晩までじっと寝ている。死んだ方がまし」と話しました。ケアプランをつくるケアマネジャーたちが口々に「『利用料が月1万円でおさまるようにお願いします』と頼まれるたびにつらい」と語っていることも突きつけ、仁比氏は鳩山首相に迫りました。

仁比 「応益負担」という「構造改革」のかなめの部分を改めないと、みんなが安心できる介護も社会保障もつくれない。国として減免制度をつくる、せめて低所得者は利用料を無料にする方向に踏み出すべきだ。

首相 サービスを受けている方と受けていない方の公平感も考えなければならない。そういう意味で「応益負担」を1割と定めている。まずは1万5000円(低所得者の負担上限)ということで、ご理解を。

仁比氏の追及に鳩山首相は「介護の問題全般にわたってさまざまな問題が生じておると思っております」と深刻な現実を認めつつ、「応益負担」の立場を壊しません。

首相の言い分前政権と同じ

鳩山首相の言い分は、老後の人間らしい暮らしに不可欠な介護保障を「益」とみなし、生活に苦しむ低所得者であっても、過大な利用者負担をサービスの対価として請求するのは当然という考え方です。社会保障を軽視して福祉は買うものと考えた「構造改革」と変わらず、国民の生存権を保障する憲法25条と相いれません。
上限額を設けて低所得者の負担を抑制していると弁明する鳩山首相と長妻昭厚労相。

「1万5000円の上限があっても実際には1万円しか払えない、5000円しか払えない、だから必要な介護が受けられないというのが現実じゃないですか」と怒りを込めて迫る仁比氏。

首相と厚労相の言い分に対し、「自公政権と言うことが変わらない」と批判し、「応益負担」を改めるよう強く求めました。

介護職員給料 月4万円アップの公約実現を

高齢者の命と尊厳をあずかる介護労働者の賃金は全産業平均の約6割にとどまり、年間で5人に1人が離職しています。

旧自公政権は昨年4月に「給料2万円アップ」を掲げて事業所への介護報酬を3%アップしましたが、現場からは「増額はせいぜい5000円程度」との声が上がっています。特童ホームの介護職では、「手取り15万円」「手取り10万円に届かない」という施設もあります。

仁比氏は賃金を「月額4万円引き上げる」という民主党のマニフェスト(政権公約)を「すぐにやろうではないか」と呼びかけました。

仁比 自公政権がつくった「介護職員処遇改善交付金」は時限措置で、「2年半たったら賃下げか」「期限後の保障がなければ賃金体系の見直しには踏み切れない」との声が出されている。これを恒久化すべきではないか。月額4万円賃金引き上げになるよう、一歩でも半歩でもすぐに拡充すべきだ。

長妻厚労相 (交付金は)12年に切れることになっているが、私としては切れることなくそのまま継続することをめざす。同時に鳩山政権1期4年の中で月額4万円賃金をアップすることをめざして取り組んでいく。

仁比氏は、国の責任で安心できる公的な介護を保障するために、介護保険への国庫負担を25%から30%へただちに引き上げ、かつての50%にまで計画的に戻していくことを強く主張しました。(しんぶん赤旗2010年2月6日)


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