○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
資料を今お配りをしていますけれども、F35Bという戦闘機があります。二〇一二年以降、アメリカ海兵隊の岩国基地に配備をされまして、現在約二十四機が常駐するという戦闘機ですけれども、このうち一機が三月二十五日に、飛行中に警告灯が点灯したためとして高知龍馬空港に予防着陸をいたしました。
このF35Bというのは度々墜落事故を起こしてきた機体ですけれども、日本政府からアメリカ側に対して、いつどんな警告灯が点灯したのかという問合せをしてきたと思うんですけれども、防衛省、米軍から回答はありましたか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。
御指摘いただきましたF35Bでございますが、三月二十五日、高知龍馬空港に予防着陸をしております。
この原因につきまして私どもから問合せをしておりましたところ、米側からは飛行中に警告灯が表示したためとの説明を受けているところでございます。
これ以上の詳細につきましては、米軍の運用に関する事項のため、お答えを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、日米の関係当局の間では適切にやり取りが行われているということでございます。
○仁比聡平君 四月二十五日に私どもの高知県議団や住民の皆さんと一緒に防衛省にお尋ねしたときに、回答があるかないかも含めて調整中だというお話でした。
F35Bというのは、コンピューターの塊というか電子機器の塊ということになっていて、たくさんのインジケーターや警告灯があるだろうと思うんですよ。
どんな警告灯がいつの時点で点灯したのか、これについても回答はないんじゃないですか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。
繰り返しになりますけれども、今般の予防着陸の原因について、私どもから御指摘のように問合せをしておったところですが、米側からは飛行中に警告灯が表示したため予防着陸を実施したとの説明があったということでございます。
○仁比聡平君 つまり、回答はないんじゃないんですか。
資料の六枚目に、以降、三月二十六日から五月の七日まで、飛び立ったのが五月の五日ですけれども、支援輸送機が、C130、C12、合わせて十三回、高知空港に飛来したと。
こうして修理などを行っているわけですけれども、元々F35Bというのは、ハイパワーのエンジンで、すさまじい爆音を発しながら、ノズルですね、噴射口、これを下側にも向けて短距離離陸や垂直着陸ができるというのが特徴とされている機体なわけですが、この間、高知空港でそのエンジンとノズルを丸ごと総取替えするというような作業や、それからエンジンテストも目撃をされてきました。にもかかわらず、大臣、一か月を超えても飛び立てなかったわけですよね。
一体、何が原因で一か月超えても飛べないのかと、これ米軍に聞いたんですか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。
先ほどから申し上げてございますとおり、私どもから本件について、米側に対しての問合せを行っております。
この予防着陸というものは、御指摘いただきましたように、警告灯が表示された際には安全を確保するために至近の飛行場に着陸をして、その後、必要なそういう点検整備というものを行った上で安全が確認をされたらまた帰投をするという、そういう手順になってございます。
そうした中で、米側の方からは、飛行中に警告灯が表示をされたために予防着陸を行った、こうした御説明を受けているところでございます。
○仁比聡平君 予防着陸をして、数日で安全に帰投できたというんだったら、こんな大問題にはならないわけですよ。重整備をして、それでも飛べないという事態の中で、高知を始め全国的に大問題になってきたわけです。
米軍は、にもかかわらず説明をしないし、政府が聞いてもいないのではないかということなんですが、もう一個だけ確認しておきますが、この機体は爆弾は積んでいなかったんでしょうか。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。
この予防着陸の関係につきましては、日米間の関係当局の間で様々なやり取りが行われております。
他方、個別の米軍機における弾薬の搭載等につきましては、まさに米軍の運用に係る詳細に当たります。こうした件についてはお答えを差し控えなければならないということは御理解をいただければと思います。
○仁比聡平君 そうした中で県民の不安が大きく広がるのは当たり前じゃないですか。
この五月五日の離陸まで四十二日間と、これ居座り続けたということですけれども、これは過去最長ですね。
○政府参考人(田中利則君) お答えを申し上げます。
過去最長かということにつきましては、比較できる資料について限度がございますが、過去五年間ということで申し上げさせていただきますと、四十二日間というのは最も長い期間というふうになってございます。
令和三年に、UH1Yというヘリコプターがございます、これが百里基地の方に三十一日間滞在した事例というものはございます。
以上です。
○仁比聡平君 大臣、お読みになったかどうか、高知新聞の五月九日付けの社説でこういうふうに述べています。
今回、重要なのは、情報提供を求める地元の声がほぼ無視されたことだ。県は防衛省中国四国防衛局を通じて米軍に早期離陸や情報提供を求めたが、回答はやはりなかった。続けてこうなんですね。こうした対応は、本県上空での米軍機訓練飛行をめぐっても繰り返されてきた。墜落事故の発生や飛来回数の増加を背景に、県は超低空、夜間の訓練中止や事前の情報提供を求めてきたが、改善が見られたことはほぼない。
これ、大臣、御地元ですし、高知龍馬空港はその選挙区のど真ん中にありますけど、情けないと思いませんか。
○国務大臣(中谷元君) 米側には、自治体等からいただいた御意見は適切にお伝えをしていたところでございます。
そして、米軍機の運用に際しましては、安全確保が大前提でありますので、無理に飛ばしたりせかしたりすれば事故がつながるわけでございますので、十二分にきちんと整備をした上で飛び立っていただきたいというふうに考えているわけでございます。
また、運用等の状況につきましては、先ほどお話ししたとおり、相手国の運用の関係上、それについてはお答えを差し控えていたということでございます。
○仁比聡平君 いや、せかすんじゃなくて、飛べないんだから、なぜ飛べないんですかって聞くし、それなりに答えるというのが当たり前じゃないですか。
全く説明をしないというその姿勢に対して、この五月九日に、県知事の政府に対する要請書が出ていますよね。予防着陸に至る経緯や整備作業の進捗見通しなどについて、中国四国防衛局を通じて問合せを重ねてきたにもかかわらず、十分な情報提供のないまま駐機が長期化し、県民の皆さんの中で不安感が広まる結果となったことは残念に思っております、的確な情報提供と説明に努めることを米軍に求めるよう要請いたします。これが当たり前でしょう。
にもかかわらず、資料の四枚目を見ていただくと、この問題についての中谷大臣御自身のフェイスブックの発信が大問題になっています。
ここで大臣が何と書いておられるかといいますと、市民団体が現場に押しかけ、高知空港の軍事利用は許さない、なし崩し的に民間の空港が使われるのを許さないと早期に立ち去るよう求めました、異国で飛行機材トラブルで命からがら高知空港に着陸し、修理を求め、燃料補給を必要としている人に対して、こんなことを言う人たちは心ある人とは思えません、困っている人を前に、ここぞとばかりに自分たちの主義主張を売り込む、反基地運動をするよりも、飛べない事情を理解し、助けてあげるべきですという発信ですけれども、この事態が長期化すればするほど県民に不安を与えている。
これまでもずっと米軍は説明してこなかったんだから、低空飛行の問題でも。だから、なし崩し的に大事な高知龍馬空港が軍事利用されていくんではないかと声を上げるの当たり前じゃないですか。そちらの方が当たり前、市民の危惧こそ当然なんであって、言わば、大臣、こうした住民の声を敵視されるというその姿勢こそ心ないのではありませんか。
○国務大臣(中谷元君) 米軍機の運用に関しましては、安全の確保が大前提でありますし、また、我が国で飛行する上においては、事故などを起こさないようにしっかりと修理をし、整備をして飛び立つべきでございます。
私がフェイスブックに書きましたのは、今回は危険の未然防止という予防着陸のセイカツに鑑みまして、地元の皆さんに御理解をいただきたいという考えからでありますし、また、米軍の航空機は日米地位協定に基づいて我が国の飛行場に出入りすることが認められておりまして、通常、我が国の安全又は防衛のために日米の共同で飛行運用等をしているわけでございます。
したがいまして、米軍の円滑かつ効果的な活動を確保し日米安保条約の目的を達するためには、私はちゃんとした飛行をさせるということが重要なものだと認識をしております。
○仁比聡平君 私も、それから高知の多くの方々も、安全が確認されないまま飛べなんて言っているわけじゃないですよ。そうじゃなくて、なし崩しじゃないですかと。今のお話だって、住民の不安や生活よりも米軍の運用を上に置く、憲法よりも日米地位協定を上に置くという、この米軍言いなり、アメリカ言いなりというのが本当に染み付いているんじゃないんですか。
大臣のこのフェイスブックの投稿の中で、命からがら着陸というこの表現も問題というか話題になっておりまして、私、率直に、大臣が当時の状況を自分なりに拝察したんだというふうな釈明をされたときに、やっぱり墜落の危険があるような重大な不具合ではないかと感じたんではないかと思ったんですよね。だって、そう感じて当然なんですよ。F35Bというのは、アメリカで墜落事故を度々起こしているからです。
その資料の中で七枚目に私の方でその経過をまとめた時系列ありますけれども、二〇一八年の九月にサウスカロライナ州でF35が墜落をしました。その問題についてアメリカ政府の監査院が報告書を出していて、その中で部品の製造上の欠陥だということが指摘をされています。それ以降も、二〇二〇年の九月にはカリフォルニア州で、二〇二二年の十二月にはテキサス州で、ここでは垂直着陸の失敗をして墜落しているんですね。二〇二三年の九月にはサウスカロライナ州、そして二〇二四年の五月も、およそ一年前ですけれども、ニューメキシコ州で墜落をしていたということが報道されている。度々墜落しているじゃないですか。だから、命からがらだったんじゃないかって大臣思われたんじゃないんですか。
この一連の墜落事故の原因というのは究明をされたのか。米側からはどういう報告を受けているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 今回、飛行機が着陸したというのは、警光ランプが点灯したからなんですね。この予防着陸というのは、パイロットが飛行中に飛行機の何らかの通常と異なることを示す兆候を察知した場合に、危険の未然防止のために必要な手段として行う着陸でありまして、これは安全確保の手段の一つでございます。したがいまして、今回の着陸に際しましてはその必要性があると認識をしておりますし、また、しっかりと修理をした上で、安全を確認をして飛び立つのが第一であると私は考えておりました。
それから、米軍の航空機のお話がございましたが、二〇一八年のサウスカロライナ州のビューフォート海軍、海兵隊の航空基地所属のF35B、これが墜落した事故があったと承知はしております。ただし、パイロットは安全に脱出して、一般の方々の負傷もなかったと承知しております。
この事故に関しましては、二〇一九年五月に、米国会計検査院、GAO、これが発表した報告書によりますと、調査の結果、製造過程における欠陥により、飛行中にエンジンの燃焼配管に亀裂が生じてエンジンの出力が失われたと判断をしていると承知しております。また、その後、二〇一八年末に、交換すべき同型の燃料配管が取り付けられた機体を特定して、大半の機体で交換が行われたということも記載をされていたと承知をしております。
今後とも、米国防省に必要な確認を行い、導入していたこのF35Aのエンジンの燃料配管についてもまた確認をいたしますが、安全性につきましてもまた再度確認を行っていきたいと思っております。
○仁比聡平君 そうおっしゃるけれども、去年も墜落しているわけですよ。私は、この米軍F35B、同型機は少なくとも飛行中止を求めるべきだと思います。
このF35Bが日本の航空自衛隊にも導入をされると。全体で四十二機の配備を宮崎県の新田原基地に行うという方針なわけですが、この問題について、お手元の資料の十三ページに、この新田原基地が所在する宮崎県の新富町の町長さんが、この三月の三日、町議会で冒頭行った施政方針の演説を御紹介しています。
まず、私の令和七年度施政方針を申し上げる前にという特別の重みを持って、この度、防衛省から示された新田原基地に配備される戦闘機F35Bの訓練内容の変更について申し述べさせていただきます。
この訓練内容の変更というのは何かと。少しおめくりいただいたところに、県知事と西都の市長と新富町長の連名の要請書がありますが、その右側、令和三年の配備の説明のときには、新田原基地においては、緊急時などを除き、通常、垂直着陸訓練を行うことは考えていない、垂直着陸訓練は、今後整備する馬毛島で行うことを想定しているという説明を受けており、今回の大きな方針転換はとても認められるものではありませんと。
こういう方針転換を行ったわけですね、参考人。
○政府参考人(青柳肇君) お答えいたします。
我が国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増す中で、F35Bはその能力を最大限発揮する、このためには、実際の任務に即した場所で訓練を行うことが必要であると考えております。
そのため、練度向上のための垂直離着陸訓練について、その多くは馬毛島で実施することとしつつも、引き続き一部を実際の任務遂行の拠点となる新田原基地で実施させていただきたいと考えておりまして、こういうこと等を新富町にお伝えしたところ、新富町の小嶋町長を始め地元の皆様からは、特に夜間の垂直着陸につきまして現在の計画の見直しを求められるなど、厳しい御指摘をいただいたというところでございます。
○仁比聡平君 せめて、聞かれたら、どういう説明を四年前にはやって、この二月、それとは違う説明をしているんですと言って当たり前じゃないですか。
時間がないので私がかいつまんでポイントだけ言いますけど、つまり、馬毛島の施設整備が遅れているから、馬毛島でやると言っていた垂直着陸訓練をこの新田原でやりますというわけですよね。しかも、昼も夜もやる。合わせて月およそ百回やる。しかも、馬毛島ができた後も、約八十回は練度維持のためにやりますと。垂直着陸だけじゃなくてスローランディングもやりますと。さらに、機体数は、説明のときよりも更に増えて一・五倍、四十機から六十機に増えますと。
こういうやり方をいきなりやってくるから、その次のページに読売新聞の記事がありますけれども、話が違う、後出しじゃんけんだと。地元区長のお一人は、最初から垂直着陸訓練をやると言えば反発が大きいと思って、などと説明したのではないか。
これ、まるで米軍みたいじゃないですか。本当にひどい。だから、これまで基地との共存と考えておられた方々も、もう噴き上がる怒りでもう抑えようがないということですよ。だから、町長、体張って阻止すると言っているじゃないですか。その下で今年度の配備なんてあり得ないと私は思うんですけれども。
この問題について大臣にお尋ねしたいと思いますが、小嶋町長は先ほどの施政方針の中で、続けてこう述べています。夜間訓練も伴う垂直着陸訓練による騒音のすさまじさは、居住環境の許容を軽く超えるであろうと容易に想定でき、著しく増大する騒音が将来にわたり継続することになる訓練受入れは、子供の将来に禍根を残しかねないと考えます、これまで本町は、町民の皆様とともに、人口対策や町づくり政策など未来につなげていくために、長期的な戦略による各種施策の一つ一つに思いを込めて実現してまいりました、しかしながら、この訓練の受入れによっては水の泡になりかねませんと。
大臣、この悔しさが分かりませんか。
○国務大臣(中谷元君) 少し背景を説明させていただきますけれども、当初は馬毛島で垂直離発着訓練を行うということで計画をいたしておりました。ただし、この工期、工事が遅れましたということで、令和三年当時、新田原基地における垂直離発着訓練については、地元に緊急時などを除いて基本的に実施しない旨を説明していたところでありますが、具体的にどのような訓練を馬毛島で実施をし、どのような訓練を新田原において実施するということになるかということにつきましては、当時お示しをすることができませんでした。
今後、具体的な訓練の在り方については御説明をしたところでありますが、地元からすると令和三年に御説明した内容と違うと受け止められることもあるのは当然でございますので、この点につきましては率直におわびを申し上げたいというふうに思います。
ただし、米軍のこの飛行訓練等につきましては、やはり我が国の安全保障上、この能力を最大限発揮するために、実際に任務に即した場所で訓練を行うということが必要でございますので、実際、その任務遂行の拠点となる新田原基地で実施させていただきたいと考えておりますが、現在、町長始め皆様から厳しい御指摘をいただいておりますが、今後、訓練の在り方につきましては、御指摘も踏まえまして、改めてどのような負担軽減が可能か、真摯に検討を行ってまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 結局、日米一体で自衛隊の南西シフトを進めていくと。そのために地元の意向を酌むこともなく、とにかく配備とそれから運用を行おうなんていうことは許されないということなんですよ。
実際、これまでの新田原の爆音、これは裁判が闘われて、最高裁で確定して、受忍限度を超える違法な爆音だと。皆さん、賠償責任は果たしておられるでしょう。だったらば、この爆音を解消することこそが国の責任であり、更に耐え難い爆音を増やすなどあり得ないと。この垂直着陸訓練は中止をする、F35Bそのものの配備を中止するということを強く求めて、今日は質問を終わります。