人権を無視したパナソニックのリストラ問題で、日本共産党の山下芳生参院議員は12月8日、厚生労働省に対し、直ちに調査して是正指導するよう求めました。仁比聡平参院比例予定候補らが同席しました。

山下氏は7日の参院決算委員会でこの問題をとりあげ、鳥取県で夫が長野県松本市に、妻が横浜市に配置転換を迫られている事態などを指摘。小宮山洋子厚労相は「個別の指摘をいただければ状況を確認させたい」と答弁しました。この日の申し入れは答弁を受けたもの。


山下氏は、現場の労働者から聞いている大阪、鳥取、鹿児島の19人の事例を情報提供しました。▽シングルマザーに“残っても仕事がない”と退職を迫る▽女性は新潟、男性は鹿児島に配転する▽産休中、病気休職中の人を配転する―などです。「説明会があったが具体的な説明はなかった」(鹿児島)、「繰り返しの退職勧奨で5回呼び出された」(大阪)との実態も示しました。

山下氏は「こんな配転先では行けない。事実上の退職強要だ」と指摘。「労働行政が見過ごすことは許されない。一刻も早く調査して是正指導すべきだ」と求めました。

厚労省の担当者は、要請について地方労働局か本省で対応するとしました。
“パナは一緒に働けるようにしてやってほしい”
山下議員の質問に反響

「涙が出るようでした。同じ労働者として、頑張ってください」

大企業の非情なリストラを取り上げた日本共産党の山下芳生参院議員の質問(7日)に反響が寄せられました。

山下氏は、家電エコポイントなどで家電業界は大もうけしたにもかかわらず、パナソニックが工場閉鎖や夫婦別々の配転を迫っていることを追及。自宅の冷蔵庫がパナソニック製品だという新潟市の男性は、「せめて(夫婦)一緒に働けるようにしてやってほしい。デジタル効果でパナソニックも相当もうけているはず。工場閉鎖や配置換えをしないでもしのげると思う」としました。

「いい質問でした。どんどんやっていけば、政府の方も対応せざるを得ないようになるでしょう」と声を寄せたのは宮崎県の男性。高知県の男性は「質問のテレビ録画を再生して聞いている。がんばりましたな」と語りました。(2011年12月9日)