○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。

今般の西日本豪雨で亡くなられた方の御冥福を心からお祈りし、被災された全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。

七月六日から八日にわたって、北部九州から広島県全域、岡山県西部、愛媛県南予地方を中心に、近畿、そして東海地方までという広域に異常な大雨が降り続け、土石流等大洪水が団地や集落、田畑や事業所をのみ込み、町を寸断し、孤立した被災者は断水と食料難で更に苦しめられています。この酷暑の中、四週間がたち、被災者の疲労といら立ちはとても募っております。これまでの枠を超えた支援がどうしても必要だと思います。

そこで、まず、土砂、瓦れきの撤去について伺いたいと思います。

お手元に私が訪ねた際の被災地の写真をお配りをいたしましたけれども、広島市の安芸区矢野東では、一枚目の写真のように、まだ新しい治山ダムを乗り越えて土石流が団地を襲い、二枚目にありますように、とてつもない土砂と瓦れきが入り込みました。三枚目は、先週末、七月二十八日の呉市天応地区の様子ですけれども、ようやく生活道路にユンボが入り始めたというところです。四枚目は倉敷市の真備ですけれども、片付けは進んでいますが、瓦れきがたくさん残されています。こうした壊れて解体せざるを得ない建物や敷地内の土砂の撤去は、自力やあるいは人力では到底不可能なのですから、私は、民地内は自己責任というのではなくて、全額公費で必要な重機を入れて速やかに撤去しようとこの間求めてまいりました。

具体化された取組につきまして、政府の資料を六枚目からの三枚、堆積土砂等の事業区分というもので御紹介をしておりますけれども、この土砂の撤去が面でどんどん進めていくことができるように、市町村の現場の裁量で使い勝手を良くすることが必要だと思います。

国交副大臣、どのように取り組んでいかれるでしょうか。

○副大臣(あきもと司君) お答えをさせていただきたいと思います。

先月の七月豪雨によりまして、広島県を中心に深刻な土砂災害が発生したところであります。国土交通省といたしましては、今御指摘いただいた堆積土砂排除事業によりまして、地方公共団体が行う宅地内の土砂撤去について支援をさせていただいているところでございます。

現地の現状を踏まえまして、七月の十二日、この堆積土砂排除事業による民有地内から土砂撤去を促進するため、二次災害が懸念される等土砂の放置が公益上支障となる場合につきましては地方公共団体自ら民有地内の土砂を直接撤去することが可能であることにつきまして、被災地方公共団体宛て周知をさせていただいたところであります。

また、七月の二十七日には、環境省の災害等廃棄物処理事業と国土交通省の堆積土砂排除事業、公共施設の災害復旧事業について、契約事業者を分けることなく一体で土砂等の撤去を実施し、事後的に費用を各事業で案分できることについて被災地方公共団体宛てに周知をしたところであります。

このような取組により、民有地に堆積した土砂等の撤去が円滑に進むことを期待しておりまして、国交省としても、これからも被災地方公共団体に寄り添い、速やかに被災者の生活再建が図れるよう、関係省庁と緊密に連携しながらしっかりと支援をしてまいりたいと思っております。

○仁比聡平君 ありがとうございます。

環境省と国交省で連絡を取り合ってこうした一体的な運用というのを示したのは初めてというふうに伺っておりますし、事後的に国の方で財源案分するという件につきましても、激甚災害の指定やあるいは起債との関係で地元負担というのは大幅に軽減されるということで、市町村がそのやりやすい形で実施してもらうというのがとても大事だと思うんですね。

そこで、環境副大臣にもお越しいただいているわけですが、この一体的に進めていくという事業について改めてお尋ねします。

被災者の負担というのはこれはないし、それから被災者がこれまでの間に、あるいはこれからも行政の手当てが間に合わずに民間業者に自ら依頼するということもあり得るわけですけれども、こうした場合の事後精算ということもできるということですね。

○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。

環境省といたしましては、被災した住民の皆様に一日も早く日常の生活を取り戻していただけるように、被災市町村の実施した災害廃棄物の収集、運搬、処分に対しまして、災害等廃棄物処理事業費補助金による財政支援を行っているところであります。

本補助金では、被災市町村が実施する瓦れき、土砂などの災害廃棄物処理に要した経費については補助対象としておりまして、この対象となる事業につきましては被災者負担はございません。

また、二次被害の危険性が高いなどの理由から、今お尋ねがございましたが、所有者がやむを得ず自らの災害廃棄物として撤去を行った場合におきましても、市町村の事業として整理いただくことで本補助金の対象とすることができます。ということで、事後的に所有者に対しまして費用を償還することが可能となっております。

実は、このスキームを熊本の頃から使っておりまして、熊本の場合は全部で三万四千六百四十六件のうちの、この後で後日償還したというのが一万五十九件ということで、約三分の一利用していただいているというスキームでございます。

ということで、環境省といたしましても、最大限効果的に、かつ柔軟に対応できるように制度を利用していただけるように考えております。

○仁比聡平君 どうぞよろしくお願いしたいと思うんです。

そこで、環境省の和田審議官、おいでかと思うんですが、ちょっと具体的なことで。

被災地訪ねますと、どうしても空き家に残された瓦れきというのがこれ目立ってきているという状況になっております。また、水が引いた後に屋内の床下が土砂で埋め尽くされていると、これが自力でどうにもならないということもあるんですが、環境省のこの事業というのはそうした場合にも使えるわけでしょうか。

○政府参考人(和田篤也君) お答えいたします。

環境省の災害等廃棄物処理事業費補助金におきましては、瓦れきや土砂などの撤去につきまして、空き家や床下に入り込んだ瓦れきや土砂も含めまして、被災市町村が生活環境保全上の理由から実施した場合についても補助対象としているところでございます。

○仁比聡平君 もう一点確認しますけれども、その事業は、全半壊とか床上、床下など家屋の被害程度は問わないし、災害救助法が適用されていない地域でも活用できると思いますが、いかがですか。

○政府参考人(和田篤也君) お答えいたします。

本補助金におきましては、瓦れきや土砂などの撤去につきまして、被災市町村が生活環境保全上の理由から実施した場合について、住家の被害状況や災害救助法が適用されるか否かにかかわりなく補助対象としているところでございます。

○仁比聡平君 ありがとうございます。

その上で、環境副大臣、環境省の七月二十日付けの事務連絡では全壊家屋の公費解体がこれ明記されているわけですが、半壊でも耐え難い悪臭がひどかったりしてやむを得ず解体せざるを得ないという、こういう住家も、これ私、公費解体の対象にすべきだと思うんですが、いかがでしょう。

○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。

災害等廃棄物処理事業費補助金、これは生活環境保全を目的とするものであり、その支障となる廃棄物の処理を対象とするものであります。このため、明らかに廃棄物と観念できる全壊家屋の撤去については、解体工事も含めて補助金の対象としているところであります。

お尋ねの半壊の家屋の件ですが、環境省といたしましては、現在行っている災害廃棄物の処理と並行して、被災状況を確認しながら、特に今回は土砂の被害が多いわけでありますから、今までの震災のときとまた状況が大きく異なりますので、しっかり現場の状況を今確認しているところでございます。

ということで、円滑な、迅速な処理に向けてどのような方策が取れるのか、被災者の気持ちにしっかり寄り添って、今検討を重ねているところでございます。

○仁比聡平君 是非実現を速やかにしていただきたいと思います。いずれにしろ、事業量は大変膨大なものになりますから、必要な広域支援を具体化して、被災者の目の前から土砂、瓦れきを速やかに取り除いてあげられるように頑張っていただきたいと思うんです。

そうした中で、長期の避難が懸念をされるわけですけれども、コミュニティーの在り方と被災者のニーズに応えて、木造仮設の積極的な活用を是非小此木大臣に求めたいと思うんですけれども。

例えば、真備の避難所で伺いますと、三世代寄り添って頑張っておられる方、たくさんいらっしゃいます。本家、分家が集まった集落で堤防が破堤して見る見るつかっていく中で、声を掛け合って必死に避難したと、そうしたコミュニティーの力が今被災者を支えているわけですね。

また、子供たちが転校しなくていいように、あるいは隣の総社市への通勤のためにも真備に近いところに仮設住宅を造ってほしい、木造の戸建てができたら本当にいいねとたくさんの声が上がってきた中で、先日、岡山県が災害協定を結びまして木造仮設の建設が始まりまして、これ被災者にとても喜ばれております。

東日本以来建ててきた木造仮設の様子を資料五枚目にお配りをいたしましたけれども、日本の気候や高齢化の実情に合った断熱あるいはバリアフリー、それから、この写真には台所のつり戸棚が工夫されているというところがありますけれども、自由度の高い木造だからこそ、べた基礎で長く使えますし、恒久的な活用も展望できると、県産材も生かせると、こうしたメリットを生かして必要な戸数をどんどん建設できるようにニーズをしっかりつかんで支援いただきたいと思いますが、いかがですか。

○国務大臣(小此木八郎君) もう御案内のように、災害によって住家を失った方々に対しては仮の住まいである応急仮設住宅の提供を可能としており、民間賃貸住宅を活用した住宅の提供のほか、建設等により住宅を提供しております。

委員お尋ねの木造仕様による応急仮設住宅についてですが、これまでの災害においても地場産の木材を活用した住宅を提供していると、こういう例を私も見てまいりました。地域のニーズに応じ提供していると承知しています。また、木造やプレハブ等の仕様の選定に当たっては、建設戸数やあるいはコスト面、迅速性など、個々の状況を踏まえた上で被災した自治体において判断されるものと承知しております。

いずれにしても、被災者や地域の状況を踏まえ、住家を失った方々に対し一刻も早く応急仮設住宅を提供できるように、被災自治体や関係団体と連携を図り、内閣府として適切に助言をしてまいりたいと存じます。

○仁比聡平君 どうぞよろしくお願いしたいと思うんですが、現在、木造仮設の災害協定を結んでいるのは全国で三十四都道府県です。万が一の災害のときには速やかに建設に着手していくことができるように、平時から全都道府県で協定や準備を整えるように国としても支援いただきたいと思いますが、いかがでしょう。

○国務大臣(小此木八郎君) 災害時においては、住家を失った被災者のために安心できる住居を迅速に提供することが重要であると存じます。

これまで内閣府では、関係省庁と連携して、都道府県及び不動産関係団体において民間賃貸住宅の被災者への提供に関する協定を締結することや、プレハブ建築協会に加えて木造建築事業者等の関係団体とも協定を締結することについて通知をしてまいりました。

そして、これによって都道府県と不動産関係団体との災害協定の締結が進み、例えば全国宅地建物取引業協会連合会においては全都道府県と災害協定を締結するなど、一定の進捗が図られていると思っております。

内閣府としては、引き続き、木造建築事業者団体等も含めた災害協定の締結が都道府県との間でしっかり進むように助言をしてまいりたいと存じます。

○仁比聡平君 どうぞよろしくお願いをいたします。

時間がちょっと限られておりまして、現に住み続けることができないという被災者への災害救助法の仮設の支援について、一点だけちょっと確認をしたいと思うんですけれども、御自身の持家には直接の被害がないと、けれども、団地全体が土砂災害に襲われて、その方のおうちも裏山からも土石流が迫って、もちろん生活道路はもう土砂で埋まったり覆されたりとかして生活ができないという被災者の方があります。

長期の避難がやむを得ないわけですから、これは被災者として罹災証明を交付するとともに仮設入居などの支援を行うべきだと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(海堀安喜君) お答え申し上げます。

今般の豪雨災害に当たりましては、七月十七日の事務連絡におきまして、例えば二次災害等により住宅が被害を受けるおそれがある場合、あるいはライフラインが途絶している場合、あるいは地すべり等により避難指示等を受けている場合など、長期にわたり自らの住居に居住できない方についても応急仮設住宅の入居が可能であるという旨、都道府県に通知をしております。

以上でございます。

○仁比聡平君 そのほか、集合賃貸住宅で一階が大きな被害を受けた二階の賃借人とか、あるいは三世代七人家族で一緒にみなし仮設に入居するなんてちょっと物件としてあり得ないと、だから二世帯で分離してみなし仮設の応援をしてもらいたいと、そうした具体的なニーズがあります。

これ、それぞれ相談して入居できるという方向での解決をいただいているところですけれども、被災者の事情に寄り添って、現に必要とされている救助を行うという災害救助法の全面活用、是非お願いをしておきたいと思います。

そこで、ちょっと一問飛ばしますが、商工業者への直接支援についてお尋ねをしたいと思います。

東日本あるいは熊本で大きく活用されて喜ばれてきたわけですけれども、グループ補助金の適用、それから持続化補助金の増額、これ熊本大地震のときは二百万円に増額をされましたが、こうした直接支援の実現を速やかにいただきたいと思いますが、いかがですか。

○大臣政務官(平木大作君) 御指摘いただきましたとおり、被災地のなりわい再建は急務でございます。

先ほども少しお話ししましたが、中小企業庁といたしまして、現在、長官を筆頭とした体制で、次長以下職員が現地に、被災地に張り付く形で今、中小企業を一軒一軒訪問させていただいているところでございます。被害の実態をしっかりと把握した上で、復旧復興に必要な予算を確保し、きめ細やかなニーズに対応する寄り添い型で速やかな支援を行っていくことが重要だと認識をしております。

その上で、経産省といたしましては、グループ補助金による設備復旧支援や持続化補助金による小規模事業者の販路開拓支援への地元からの強い要望があることなども踏まえまして、速やかに必要な支援措置を実現できるよう、関係省庁と連携して取り組んでまいります。

○仁比聡平君 是非速やかに示していただきたいと思います。

農地、農業用施設等、それから経営体育成支援事業など、農機具、ハウスなどの再建支援についても今日議論はあっているところなんですけれども、お話のあっているように、瓦れきや車が散乱してしまった農地、あるいは宇和島の吉田のお話もありましたが、こうした深刻な被災地の復旧の道筋を被災した生産者に示さなければ、営農再開の意欲が折れてしまうという状況にあります。また、農機具だけで被害が一千万円を超えるという生産者の方に何人もお会いをしてきて、これまで育成支援事業で支援という方向性は示されてきたんだけれども、支援の対象や補助率が具体化まだされていないわけですね。これ速やかに具体化すべきだと思いますが、副大臣、いかがですか。

○委員長(河野義博君) 申合せの時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。

○副大臣(谷合正明君) まず、農地、農業用施設につきましても甚大な被害が生じておりまして、これは激甚災害に指定されておるところでありまして、国庫補助率のかさ上げ、また災害査定の効率化等によりまして地元負担や事務手続の軽減を図ることとしておりましてやっております。また、査定前着工制度も活用していただく旨も、これも周知に努めているところであります。また、技術的な支援も行っているところでございます。

また、委員お尋ねの経営体育成支援事業の具体化ということでありますけれども、今般、総合的な対策において、経営体育成支援事業の活用によりまして、被災した農業用ハウス、農業用機械の導入について、その経費を助成するとしたところでございます。

私自身もそうした声を聞いておりますが、具体的な支援内容につきましては、地方自治体と連携しまして被害状況の把握に努め、その状況に応じて早急にしっかりと検討してまいりたいと思います。

○仁比聡平君 あと三十秒あるんじゃないかと思うんですけれども。

大臣、答弁いただく時間はないのかもしれませんが、今回の災害で、ハザードマップで想定したのとほぼ一致した浸水や土砂流入だったのに人命が守られなかった被災地が広がったということに、私とりわけ痛恨の思いがいたします。

資料の九枚目には真備の浸水推定段彩図を紹介しましたけれども、これまでの防災・減災の取組が届かなかったことを猛省して、どうすれば公共事業、防災と減災を達成できるのか、徹底した検証を行わなければならないと思います。

川の流れを妨げた堆積物や、造られたばかりの砂防堰堤や治山ダムを乗り越えて被害をもたらした土石流、あるいはため池の決壊やダムの異常放流など、それぞれの被災現場ごとに住民はここに住み続けられるのかという大きな壁にぶつかっているのが今の現実だと思うんですね。都市開発や公共事業の在り方、その予算の在り方、これは根本から問われていると思います。

委員長、お許しいただければ答弁いただきたいところですけれども、被災者に自己責任を強いたり置き去りにしたりするのではなくて、被災者の要求を最優先にして、これまでの枠を超えた支援策を速やかに現場に届けるとともに、一日一日、被災者が前を向いていけるように私どもも全力を尽くしていきたいと思います。

○委員長(河野義博君) では、おまとめください。

○国務大臣(小此木八郎君) 厳しい御指摘でありますけれども、重く受け止めたいと思います。

この一年を通じましても、災害、非常に大きなものがたくさんございました。こういったものを教訓にして、関係省庁とも連携をしながら、これまでもやれることはやってきたという意識での下ではありますけれども、これで十分ということは災害についてはあり得ないと思っておる、こういう認識でありますので、貴重な教訓といたしまして、先ほど申し上げたように関係省庁と連携しながら防災・減災対策に努めてまいりたいと存じます。

○仁比聡平君 終わります。