【09.07.07.】171-参-法務委員会第15号 平成21年07月07日 仁比聡平

171回国会質問 国会質問一覧

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。
まず、今度の改定によって、在留資格は有しないけれども、居住の実態などの住民としての実態を持っている外国人の方々がどうなるのかという点についてお尋ねをしたいと思います。
これ、前回も質疑がありまして、確認ですが、まず入管局長、現行制度の下では在留資格は有しないけれども、居住の実態などがあって外国人登録がなされてきた外国人が存在する、これは前回約一万八千人ほどいるのではないかという御答弁でしたが、そうですか。

○政府参考人(西川克行君) 外国人登録上、在留の資格なしで在留している方が約一万八千人いるということで把握をしております。

○仁比聡平君 そうした方々が、この改定後、住民基本台帳上どうなるのかと。
総務省、この改定後、在留資格がない外国人はこれは住民として認められるんでしょうか。

○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。
住民基本台帳制度は、市町村長が住民の居住関係の公証など住民に関する事務の処理の基礎として住民に関する記録を正確かつ統一的に行う、そういう住民基本台帳を作成する制度でございます。
こうした制度趣旨を踏まえまして、本改正法では、観光目的で入国をした短期滞在者などを除く、適法に三か月を超えて在留をする外国人を住民基本台帳法の適用対象としております。
不法滞在者は、入管法上退去強制されるべき地位にあることから、住民基本台帳法の適用対象とすることが適当ではないと考え、適用対象外としているところでございます。

○仁比聡平君 現実に、主観的にもその外国人はここの地域に住み続けたいというふうに思っているし、実際そういう実態もあると。この方々がこれまで現実に地域社会の中に居住して住民として日本国籍の住民と共に生きる共生という、そうした取組がずっと続いて、歴史的にそれぞれの地域社会、コミュニティーでそうした外国人の方々とどういうふうに解け合って地域社会をつくっていくのかという、そこは積み重ねられていっていると思うんですよね。
いろんな自治体の取組の一つの根拠として、住所やお名前が分からないとなかなかお付き合いがしにくいから、自治体にとりましたらサービスがしにくいから、外国人登録という、本来その制度はそのための制度じゃないんだけれども、外国人登録を言わば利用していろんな住民サービスが行われてきたということがあると思うんですね。
前回の参考人質疑でも出ましたが、そうした方々が住民基本台帳から対象外だとされて見えない人にされてしまうと。これは自治体にとって大変重大な問題をもたらしてしまうのではないかと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。
従来から、不法滞在者など住民基本台帳に記録をされない者でありましても、従前より当該行政サービスの対象とされているということがございます。今回の法改正では、そういう者につきましては引き続きその対象とされると承知をしておりまして、その対象範囲を変更するものではございません。例えば、それぞれの法律で定められているところでは、義務教育や助産施設における助産、結核予防のための健康診断などは従来から対象とされており、引き続きその対象となるものと承知してございます。
また、衆議院における修正によりまして、入管法等によって本邦に在留をすることができる者以外のものにつきましても、施行後もなお行政サービスを受けられるようにするとの観点から、政府が必要に応じて記録の適正な管理の在り方について検討を加えて必要な措置を講ずることとされたところでございます。
総務省といたしましては、この修正の趣旨を尊重いたしまして、関係省庁や市町村としっかり連携をして、適切に対応してまいりたいと考えております。

○仁比聡平君 今そんなふうにおっしゃるけれども、これまでは外国人登録制度で住所だとかお名前だとかが確認できるわけでしょう。これからは住民基本台帳の対象外にする、外国人登録制度は廃止する。そうしたら、どうやってその外国人の方々を自治体として把握するのかというのは、私、今の答弁でも全然分からないんですよね。
修正案提案者にお尋ねをいたしますけれども、この法案の六十条一項、これと関連して今総務省の方がお答えになった住基台帳法の方の関連規定があるんだと思いますけれども、この六十条一項の、なおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするという観点から……

○委員長(澤雄二君) 速記を止めてください。
〔速記中止〕

○委員長(澤雄二君) 速記を再開してください。

○仁比聡平君 与党が何としても成立をという話をされるから今日のような強行的なスケジュールになっているにもかかわらず、与党の皆さんがおいでにならないというのは大変残念なことです。
六十条の一項、なおその者が行政上の便益を受けられることとなるようにするという観点から、検討を加えて必要な措置を講ずるというこの規定の意味は一体どういうことなのかと私お尋ねをしたいんですが、もし行政上の便益を受けられるようにするのであれば、在留資格がなくても住民基本台帳に載せるというふうにするか、それか、これまで在留資格が与えられていない方々も在留資格を与えるようにするか、どちらかしかないと思うんですが、いかがです。

○衆議院議員(桜井郁三君) 現在、外国人登録を利用するなどとして母子保護、児童に対する予防接種や教育、こういうものも、人道上の観点から行政サービスは仮放免された者にも提供されておりますが、改正法施行後もなおこれらの者が行政上の便益を受けられるようにするためには、例えば予防接種の案内の発送などでございますが、市区町村において外国人居住実態を把握する必要がある場面が考えられるわけでございます。
そこで、法務大臣において、仮放免されてから一定期間経過したものについて、施行日以後においてもなお行政上の便益を受けられるようにするとの観点から、施行日までに、その居住地、身分関係等を市区町村に迅速に通知すること等について、個人情報の保護にも配慮しつつ検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしたものでございます。

○仁比聡平君 今の御答弁では、どうやってその住民基本台帳上は見えなくされている外国人の方に例えば今おっしゃったような福祉の手当の通知を送るのかなんてはっきりしないじゃありませんか。何だか、この法案のレクチャーを受けている過程で別の台帳を作るというみたいな話も耳には入ったんですけれども、どんどんどんどん煩瑣になるばっかりでしょう、そうすると。一体どうするおつもりなんですか。総務省、どうするんですか。

○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。
そういう方々にもこれまでと同様の行政サービスが具体的に適用されますためには、それぞれの地方公共団体におきまして確かに外国人に関する情報を把握するなど、行政サービスを提供するための対応が必要になってまいります。それで、義務教育や結核予防のための健康診断など、在留資格のない者であっても適用される個別の行政サービスを外国人に適用するための記録がその者に係る記録と想定をされ、そういう者に関して必要な措置をとっていくということが附則の趣旨で、それをしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

○仁比聡平君 そうなると、就学だとかあるいは児童の支援だとか、そういった物事ごとにいろんな名簿を全部作っていくというんですか。そんな煩瑣なことをするんじゃなくて、日本に来て居住の実態がある外国人の方々、みんな住民なんだから、地方自治法上だって住民だと見ておかしくないでしょう。みんな住民基本台帳に載せればいいじゃないですか。何でやらないんです、総務省、もう一回。

○政府参考人(佐村知子君) お答え申し上げます。
住民基本台帳制度は、市町村長が住民の居住関係の公証など住民に関する事務の処理の基礎として住民に関する記録を正確かつ統一的に行う、そういう台帳を作成する制度でございます。
こういった制度趣旨を踏まえまして、本改正法では、観光目的で入国した短期滞在者等を除く、適法に三か月を超えて在留する外国人をこの法律の適用対象としております。
不法滞在者は、入管法上退去強制されるべき地位にあることから、住民基本台帳法の適用対象とすることは適当ではないと考え、適用対象外としております。

○仁比聡平君 そうした外国人に対する物の見方といいますか哲学といいますか、それが今現場で実際に深刻な事態をもたらしているんじゃないかというふうに思っています。
厚労省に、前回お尋ねできずに申し訳なかったんですけれども、生活保護を受給する外国人住民について、ハローワークが今行っています帰国支援金を受けさせて生活保護を廃止すると、そうした扱いがあるのかという点についてお尋ねしたいと思うんですね。
西三河、愛知県のある自治体で、複数の日系ブラジル人の御家族に、現実に受けている生活保護を打ち切って、帰国支援金を使って帰国しなさいという指示がなされているということが、これはメディアでも大問題になりました。その中には、仕事中に負傷して手術を必要とするし、労働災害を争わざるを得ないという方もあったんだけれども、そうした方に帰国支援金の手続をしなければ保護を打ち切る、そういうふうに指示されたというふうに伝えられているわけですね。こうしたことは絶対にあってはならないと思いますが、いかがですか。

○政府参考人(坂本森男君) 日系外国人に帰国支援事業を紹介することは必要な情報提供の一つと考えておりますが、本事業は本人の意向に沿って支援を行うものでございまして、帰国支援事業を利用しなければ生活保護を打ち切るとの発言があったとしたならば、それは不適切な対応であると考えております。
厚生労働省といたしましては、日系外国人の方々の意向を踏まえまして、帰国支援事業や生活保護などの必要な支援が受けられるよう、自治体に対しまして必要に応じ技術的な助言をするなど適切に対応してまいりたいと考えております。

○仁比聡平君 今の答弁は大事な答弁なんですが、現場で日系ブラジル人の方にそうした対応が現に起こってしまうのは、外国人に対する共生とは別の考え方というのが現実にあるんじゃないかと私は思うんですよね。
時間がありませんから、在留特別許可の問題について更にお尋ねしたいと思うんですが、修正案提案者、附則六十条二項に言う在留特別許可の運用の透明性を更に向上させるというふうにおっしゃるのは、つまり、現在の在留特別許可、これを拡大する、もっとたくさんの方に許可が出るようにするんだという、そういう意味なんですか、いかがです。

○衆議院議員(桜井郁三君) 御指摘の在留特別許可の運用の透明性を更に向上させるということにつきまして、修正案提出者としては、在留特別許可がされた事例及び許可されなかった事例の更なる公表を行うとともに、在留特別許可に係るガイドラインの内容についても見直しを行うことを想定しておるところでございます。
また、不法滞在者の縮減の措置については、摘発等による退去強制も含まれるが、在留特別許可の運用の透明性を更に向上させるという例示があることにかんがみれば、在留特別許可の運用ガイドラインがより明確に示され、該当者による自発的出頭が増え、結果的に不法滞在者でなくなる事態が望まれるものと言えると思います。

○仁比聡平君 実際に、在留特別許可が広がりますと、これまではオーバーステイで自分は特別許可が出ないんじゃないかというふうに思っていた方も、私もできるんですねということになって初めて入管に出頭されるのはするわけでしょう。それを、単に透明性を向上させるというだけで、ここの法文にあるような出頭を促進するための措置その他の不法滞在者の縮減に向けた措置を図るというふうに言ってしまうと、結局、出てこい、捕まえるぞというふうに言っているのに等しいことになりはしませんか。そういった趣旨であればこの規定は一体何なのかと思うんですが、入管局長、手が挙がっていますが。

○政府参考人(西川克行君) 年間、現状でも四万人から五万人に対して退去強制手続を実施しております。そのうち、多い年で約一万人、それから少ない年でも七、八千人に対して在留特別許可を付与していると、こういうことでございます。これは言い換えますと、今不法滞在ということで社会に潜在している方でも相当の割合で在留特別許可が認められる場合がある、それを知らないために出てこれないという、そういうケースは相当あると思います。
先ほどのガイドラインの、今現在もガイドラインはございますけれども、積極要素、消極要素、ある程度は公開しておりますが、更にここに付け加えて、積極要素、消極要素として考慮するべき事項について、要素として多く挙げ、かつ、こういう事例については認めましたよ、あるいはこういう事例については認めませんでしたよという、こういう事例を公開することによって、より予測可能性といいますか、そういうものが高まって、それが自発的な出頭につながるという、こういうふうに考えております。

○仁比聡平君 大臣、ちょっと、通告をしていないといえばしていないんですけれども、今の局長の答弁で私は十分だとは思いませんけれども、それにしても、今現実に日本に在住している非正規の外国人、この方々の多くに在留特別許可が得られる、そういった条件のある方がいるのではないかと。そうした方々には在留特別許可をするんだという、そういう方向の御答弁だと思うんですけれども、大臣、それでよろしいですかね。

○国務大臣(森英介君) これはやっぱりあくまでもこの法案を成立させていただいてからとるべき措置について今御答弁申し上げているので、非常に表現が難しいわけでございますけれども、結果的には仁比委員がおっしゃっているような方向性としては方向性になると思います。

○仁比聡平君 もう一つ、附則に関して、六十条の三についてお尋ねしたいと思うんですが、永住者のうち特に我が国への定着性の高い者という、この表現というのは一体何を指すのかという私は根本的な疑問を感じるんですよね。
歴史的経緯にかかわらず、中でも、少なくとも永住者に常時携帯義務、在留カードの、を課すことは国連人権規約に違反するという見解もあるわけです。せんだっての参考人質疑でも出ましたが、既に法務省が、在留資格に基づく活動には制限はありません、永住していただいて結構ですということで、もう既にそういう審査は言わば経ているのに、どうして特別永住者とこんなに差を付けるのか。ここの問題については修正案提案者はどんなふうにお考えなんでしょうか。

○衆議院議員(桜井郁三君) 今御指摘の附則第六十条第三項は、一般永住者の中にも様々な方がおられる中で、特に我が国への定着性が高い方について、特別の歴史的背景を踏まえて在留管理の在り方について検討を進めていくべきとの趣旨で検討規定を置いておるわけでございます。一般の永住者の中には、特別永住者に該当しないが、特別永住者に準じて日本への定着性が高く、歴史的背景を有する方々がいらっしゃるために、こうした事情を有する方々について常時携帯義務を含めた在留管理の在り方全般について幅広く検討を行うことを想定しているところでございます。
修正協議の過程では、一般永住者の常時携帯義務廃止の是非について、御指摘の国連人権規約との関係などから常時携帯義務を削除すべきとする意見が示された一方で、不法入国者や不法残留者が依然として多数おられます。様々な問題を発生させている状況の下では、在留カード制度は新たな在留管理制度の根幹を成すもので、人権B規約に違反するものではないとの意見もあり、その結果、附則第六十条第三項のような形で与野党の合意を見たものでございます。

○仁比聡平君 国連人権規約に反するではないかという規約委員会からの勧告に対して政府は、即時的な身分把握の必要性があるから違反しないという趣旨のレポートを出しているわけですよ。規約委員会が規約に反すると言っているのに、言われている日本の側が、いや、反しないと言っていると。そういう立場を修正案提案者もおっしゃるんだったら、この規定というのは一体どんな意味があるのかと、私は強い疑問を持っています。
時間が限られていますので、今回の法案のもう一つの柱である研修生・実習生制度についてもお尋ねをしておきたいと思うんですけれども、まず、せんだっての参考人質疑で、JITCOが把握をしている技能実習生について失踪者がどれほどの数に上っているかという深刻な実態を御紹介いたしました。
今日、厚労省にお尋ねをしたいと思いますが、昨年、二〇〇八年の四月から二〇〇九年の三月までにJITCOが把握をしただけで外国人研修生、技能実習生の三十四人が言わば在職死、研修中に亡くなっているわけです。
その概要を見て私は本当に愕然としていますけれども、例えば三十代の実習生が朝起きないので同室の実習生が起こそうとしたところ死亡をしていた、急性心筋梗塞だと。同じく、二十代の研修生が起きてこないので、体を揺すったら息をしていなくて死亡をしていた。二十代の女性がおなかの痛みを訴えて、夜中、午前一時半ごろ寮の廊下で倒れているのが発見されて、病院に搬送されたが死亡をした。二十代の実習生、インドネシアから来られた方は、お医者さんに行ったら急性気管支炎と栄養失調だと診断されて、その後、悪化して亡くなった。脳疾患で亡くなった方もいらっしゃいます。
まだ二十代の、あるいは三十代のこうした若者が何で一年間に三十四人もこんな形で亡くなるんですか。その実態をどう認識しているのか。

○政府参考人(杉浦信平君) お答えいたします。
外国人研修生・技能実習生の事故とか疾病等の状況につきましては、先生御指摘のとおり、JITCOを通じまして受入れ企業に対して報告を求めているところでございますけれども、平成二十年度におきまして不幸にも三十四名の方が研修・技能実習期間中に死亡するという事態となっております。主な原因としましては、脳・心臓疾患が十六名、それから作業中の事故等が五名、交通事故が四名等となっております。
こういった状況を踏まえまして、この死亡事案につきましてはJITCOにおいて全数の調査をやっておるところでございまして、その結果に応じて厚生労働省の方で適切に対応することにしております。
また、このほかの事故、疾病等の対策といたしましては、JITCOが実施をします巡回指導の際に健康診断の実施状況を確認するだとか、あるいは私生活を含めた日常生活における脳・心臓疾患等の予防対策のマニュアルを作成をし普及をする、あるいは全国の主要都市において健康管理のためのセミナーを開催するといったようなことを実施しておるところでございまして、引き続きこの健康確保に対しまして取り組んでまいりたいと考えております。

○仁比聡平君 審議官、今の答弁で、日本に学びに来た研修生たちがこうやって死んでいると。日本人でいえば過労死なんじゃないんですか。そうした事態に追い込んでいるということ自体の切迫感がないですよ。
今度の改定で在留資格は労働契約に基づくものとするというふうになっていますが、これ今後何か変わるんですか。私、この委員会でずっとこの研修生、実習生の問題取り上げてきましたけれども、実際にブローカーから多額の保証金を取られた上で日本に連れてこられて、パスポートも取り上げられる、わずかな給料から強制貯金までされる、これで縛り上げられて奴隷労働で逃げ出しもできない、だけれども、その中から失踪したり、ましてこうやって深刻な形で在職死するというような、そんな方々が出ているわけでしょう。これ、今後どうするんですか。労基署、これ厳しく監督するんですか。どうやって是正するんです。

○政府参考人(渡延忠君) お答えいたします。
現在御審議いただいているこの改正法の下では、従来の一年目の研修生について労働関係法令の保護の下で技能修得活動が行われるように措置されることとなりまして、これにより研修生の法的保護の強化が図られるものと認識いたしております。
労働基準監督機関におきましては、現在も外国人技能実習生の労働条件確保に取り組んでおるところでございますが、法改正後においては、改正の趣旨をも踏まえ、これらの研修生についても労働基準関係法令が適用されることについて関係事業主に十分周知を図るとともに、これが適正に遵守されるよう重点的な監督指導に努めてまいりたいと考えております。

○仁比聡平君 今御答弁にあった重点的な監督指導、私、大事だと思いますから、是非速やかに実現をしていただきたいと、そう思います。
この研修生・実習生制度について、いわゆる団体監理型という仕組みに大変な不正行為が行われているということがこの間の入管の活動からも取組からも明らかです。この点について、修正案は「団体の責任及び監理の下」というふうに、「責任」という言葉を付け加えるというふうになったわけですね。これまでの、例えば平成十九年十二月の入管が出しています研修生及び技能実習生の入国・在留管理に関する指針というのがありますが、こういうのを見ますと、これまでの制度では、技能実習に移行して後は研修時の第一次受入れ機関は技能実習生を受け入れる機関ではなくなるということを前提に、責任はない、ただ協力をしていただきたいというような仕立てになっているかと思うんですよ。これは変わるわけですかね。第一次受入れ機関が技能実習制度についてもきちんと責任を負うんだということになるわけですか。

○政府参考人(西川克行君) 委員のおっしゃるとおりでございまして、現在の枠組みにおきましては、第一次受入れ機関は二年目以降の技能実習には監督の責任は及ばないと、こういうことになっております。そこは変更になりまして、今後は、二年目以降の技能実習であっても一次機関が修正案によりますと責任及び監理ということになりますので、より責任が重くなるということになります。

○仁比聡平君 その一次受入れ機関の重くなる責任に対して入管がどう取り組むのかということが当然問われるわけですよね。
私、この問題についてこれまでもこの委員会でただしてきましたが、ちょうど一年少し前、福島県の県南繊維協同組合という一次受入れ機関のファッション緑という業者、二次受入れ機関の、ここでのベトナム人研修生の余りにひどい扱いについて質問をしたことがございます。前局長や前大臣に明快な御答弁をいただいたわけですけれども、これ、入管局長、御存じですか。
この組合の理事長が自らやっている東栄衣料という企業で、残業代は、研修生には三百円、二年目、三年目実習生には四百円しか払わない。ベトナムで約束をしてきたとおりなんだからどこが問題があるのかと、そうした形で、法に違反するやり方で引き続きベトナム人研修生たちを縛り上げてきたわけです。彼女たちによりますと、今年の一月、入管が会社に調査に入ったそうですが、社長は入管にうそをついて、貯金はしていない、強制貯金はしていない、給料は月十一万円あり、残業は時給八百円だと説明をしたというんですね。JITCOからも人が来たけれども、何にも言わずに帰っていったというわけですよ。
不正だということが国会でも問題にされて、局長が厳しく調査する、指導すると言いながら、こんなことがずっと繰り返されている。一体、法案で責任、監理を明記したからといってどうなるというんですか。今後の構えについてお尋ねしたいと思います。

○政府参考人(西川克行君) この事案については現在も実態調査中でございますけれども、既に労働基準監督署から是正勧告が出されているという事実も把握しております。近く不正行為等の認定に至れるというふうに考えております。

○仁比聡平君 時間がなくなりましたから終わらざるを得ませんけれども、いや、それは事後的にこうした告発がある、つまりベトナム人研修生が労働組合に逃げ込んできたわけです、助けを求めにきたわけですよ。それで団体交渉になり、いろんな行動になり、今の入管のお話になっているわけでしょう。事後的にそういうことを審査するというだけでは、ブローカー、あるいはそこの中で痛め付けられて食い物にされている研修生たちの労働や人間性を守るということはできないんですよ。これを未然に防止すると、そういう制度をつくらなきゃ駄目じゃないですか。
もう答弁求めませんが、大臣にもそうした認識で是非臨んでいただきたいとお願い申し上げまして、質問を終わります。


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