「よみがえれ! 有明訴訟」の原告・弁護団は7月25日、国会内で集会を開き、2010年12月に福岡高裁が命じた諫早湾干拓事業の潮受け堤防の常時開門の一日も早い実施と漁業者の救済を訴えました。

 深刻な漁業被害を訴えた佐賀県太良町の男性(59)は「これまでタイラギの稚貝が発生するものの、夏場に死んでしまうことの繰り返しだった。ところが、今年は稚貝すら発生しない。開門した時にはタイラギがとれなくなってしまうのではないか」と不安を訴えました。

 同訴訟を支援する全国の会の岩井三樹事務局長(70)は、漁業不振から組合員が激減する長崎県内の漁協の実態を紹介。「有明海から漁協がなくなる状況にある」として、「有明海再生特措法の運用を根本的に改めて、漁民に役立ち、生活を支えるものに急いで切り替えてほしい」とのべました。

 日本共産党の紙智子参院議員と、赤嶺政賢衆院議員秘書や仁比聡平前参院議員、民主党や無所属の国会議員らが参加。弁護団長の馬奈木昭雄弁護士は、国会議員らに「開門まで待ったなしの状況となりました。開門後も漁業がやっていける環境づくりをお願いしたい」と訴えました。

 集会後、原告と弁護団は、開門へのスケジュールを示せない農水省側に対し、原告らは「開門期限まで1年半を切った今の時期に手を打たなければ、重大な事態に陥る」と、一日も早い決断を求めました。(しんぶん赤旗 2012年7月26日)