国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門(長崎県)の開門を求めた、よみがえれ有明訴訟の控訴審(9日)の結審後、初めての有明海沿岸の佐賀、長崎、福岡、熊本4県漁民の集いが8月22日、佐賀市民会館で開かれ、早期開門を求めた海上パレードなどで国民世論をひろげようと話し合いました。

 馬奈木昭雄弁護団長は、裁判の経過を説明し、「佐賀地裁の判決は有明海異変と漁業被害の因果関係を認め、国に開門を命じた。ところが国は、今も、毎日2回、排水門を開けて調整池の水を有明海に出しても被害がないのに、開門要求には『被害が出る』としている」と判決に従わない国を批判しました。干拓農地の水害対策に「国の新たな予算措置の動きがある」とのべ、高裁判決を待たずに、9、10月中に政府へ政治決着を求めることを明らかにしました。

 9月半ばまでに海上抗議行動をおこなおうと、佐賀、福岡、熊本の3県漁連や漁協へ働きかけることを確認しました。

 長崎県諫早湾に近い県境の佐賀県大浦の漁師・平方宣清さん(58)は、「海況は悪くなっている。例年なら200㌔を水揚げするタコ漁が、今シーズンは30㌔しかとれない。カニも夫婦で1日5000円の水揚げだ。冬場の二枚貝のタイラギも不漁では、とても生活ができない。一日も早く開門してほしい」と訴えました。

 日本共産党の仁比聡平前参院議員・弁護士が同訴訟団の常任弁護団として出席しました。(しんぶん赤旗 2010年8月23日)