○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。

ようやく与党理事への質問ができることになりました。十分な審議を求めたいと思います。

まず、前回の私の質問で、秘密法十二条の適性評価を行うのは安全保障に関する事務について特定秘密の取扱業務を行う者についてであって、それ以外の秘密法十条に基づいてそれぞれの業務の必要において秘密の提供を受け得る者には適性評価は行われないということが明確になりました。裁判所はもちろん、政府が個別秘密指定の是非をチェックするという公文書管理監や情報保全監察室に対しても適性評価は行われず、安全保障に関する秘密取扱業務には従事しないのに適性評価の対象とされるのは国会職員のみということであります。

そこで伺いたいのですけれども、情報監視審査会事務局について、秘密法附則十条に言う保護に関する方策のために、特定秘密保護法施行令十八条の措置以上のことが必要なんですか。

○牧野たかお君 仁比理事の御指摘ですけれども、特定秘密保護法上では、適性評価の必要がないということを、国会の職員にそれを、適性評価を必要とするということはしておりませんけれども、これは発議者がお答えされたみたいに、あえて国会職員に適性評価をすることにしたというふうに承知しております。

この理由としては、情報監視審査会は常任委員会等に提供されない特定秘密の提供も受ける必要があるため、常任委員会等に係る保護措置よりもその度合いを高めることといたして、職員に対する適性評価も実施することにしたものであると考えておりまして、妥当なものだと考えております。

○仁比聡平君 裁判所などの保護措置は施行令十八条なんですよ。ここには、秘密であることを認識させるための表示や管理者の指名、あるいは秘密保護の重要性を理解させること、知る者の範囲を制限をすること、目的外利用を禁じること、使うコンピューターの使用を制限することなどなど、保護に関する方策が定められているわけですね。

国会だけは、重大な人権侵害に当たる適性評価を行えば、今、自民党理事がおっしゃったように常任委員会以上に秘密が提供されるという、そうした約束があるんですか。

○牧野たかお君 約束というものではなくて、その可能性があるということでございます。

○仁比聡平君 あくまで可能性があるというだけで、どうしてこんな重大な人権侵害を行うというのかと。

公明党の理事にもお尋ねしたいと思うんですけれども、この秘密国会法を行政の秘密の監視のためであるということを御党は強調してこられました。この体制をつくることが政府からの秘密の提供がされることになるのだという何か政府・与党間での約束でもあるんですか。

○牧野たかお君 私の方からお答えしますが、約束等があるとは承知をしておりません。

○仁比聡平君 結局、何の保証もないわけですよ。

国会の判断を尊重するとしきりに与党はおっしゃってきましたけれども、裁判所だって、その業務上特定秘密の提供を受けることが必要だと判断をすれば、その判断は尊重するわけでしょう、政府は。提供は政府の判断次第、しかも前回その要件は変わらないということも改めて確認をされたと思います。結局、国民を代表する最高機関たる国会が政府の秘密体制に組み込まれ、自ら猿ぐつわをかむことにほかならないと思うんですね。議論の府である議会の自殺行為であって、私は、国会の適性評価はやめるべきだと考えます。

もう一問。先ほど来、今後の特定秘密の取扱いの運用ルールなどについて、自民党理事から、これからのルール、細かなルールを審査会で議論するという、そうした御発言があっています。その情報監視審査会の活動についてお尋ねをしたいと思うんです。

審査会規程の四条、これは委員の宣誓に関わる規定です。二十五条、これは懲罰に関する規定ですが、これらによって漏えいが禁じられている対象は二つです。一つは、情報監視審査会の会議録の中で情報監視審査会において特に秘密を要するものと決議した部分、もう一つが、情報監視審査会に提出され、若しくは提示された特定秘密、これが具体的に何を指すのかと。

後者の方、つまり提出、提示された特定秘密というのは、個別の特定秘密の情報そのものだというふうに文言上解されますけれども、それはそのとおりですか。

○牧野たかお君 今の御質問ですが、それは、同じお答えが繰り返されることになりますけれども、審査会でそれについて秘密を要するものというものを具体的に決めますので、今の時点でどういうものだということはお答えするのは難しいと思います。

○仁比聡平君 質問と違う御答弁をされているんですけど。

審査会で特に秘密を要するものと決議した部分と、提出され、提示された特定秘密と、二つあるわけですよ。後者の方、特定秘密と書いてある方は個別特定秘密の情報そのものだというのが普通の理解かなと思うんですね。その点の確認が一つ。

そして、今お答えになった特に秘密を要するものとは何かということなんですけれども、一般の委員会とは違って情報監視審査会というのは常設の秘密会なんですね。私は極めて不当だと思いますけれども、会議録は取るけれども公開をされないというふうに規程上書いてあるわけですね。となると、特に秘密を要するものと決議した部分という文言が何の意味があるかというと、これを漏えいした場合は懲罰の対象になるという考え方なんだろうと思うんですが、何でもかんでも特に秘密を要すると決議できるというのは不当じゃありませんか。

先ほど来、この国会の秘密体制についての具体的な運用のルールをその審査会で議論していくというふうにお答えになっているわけでしょう。どんなルールが定められていくのかも、議事録は公開されない上に、その場に参加している審査会委員は同僚議員にも一言もしゃべってはならないと。あり得ないじゃないですか、そんなこと。そんな、何でもかんでも秘密にして、自分たちが決めたから後は従えと、そんなのは国会じゃないですよ。この審査会の運用について、どんなお考えなんですか。

○牧野たかお君 何回も同じ答えになりますけれども、審査会の運用についても、これは情報監視審査会が設置されて、その審査会で運用上の話を決めますので、この時点で今どういうものだとお答えはできないというふうに思います。

○仁比聡平君 何でもフリーハンドで秘密にしてしまっていいわけないでしょう。先ほど、国会職員の中に特別の集団をつくってはならない、部署をつくってはならないという御議論がありましたけれども、議院の中に、僅か八人の全く秘密のベールに隠された、そんな秘密会を与党はつくるというんですか。そんな答弁のままこの審議を打ち切るなんということは私はあり得ないと思います。

時間が来たと思いますから、質疑はここで終わります。

 

 

 

 

○仁比聡平君 私は、日本共産党を代表して、国会職員の適性評価の実施に関する件の制定に断固反対の意見を表明いたします。

国民の知る権利を侵害し日本国憲法の基本原則を根底から覆す秘密保護法の強行に続き、昨年六月に与党が強行した国会法、参議院規則の改定及び情報監視審査会規程は、国会を政府の秘密保全体制に組み込むものです。

元々、何を特定秘密にするかは秘密であり、国会がどんなに厳格な秘密保全の仕組みをつくっても、特定秘密を提出するかどうかは政府の判断次第というのが秘密保護法です。

自公両党は、国会の秘密体制は、政府から特定秘密の提供を受け、その運用を監視するためだと言いますが、国会職員の適性評価を行ったからといって政府の提供の要件が変わるものではないことも今回の審議で改めて明らかになりました。しかも、この秘密体制が続く限り、国会職員に重大なプライバシー侵害をし続けることになります。断じて認めるわけにはまいりません。

そもそも、特定秘密保護法第十二条は、安全保障に関する特定秘密取扱業務を行う行政職員にのみ適性評価を義務付けるものです。国会職員はもちろんそれには当たりません。当時の発議者は、行政職員の適性評価に準じたレベルの適性評価を国会職員に義務付ける旨の答弁を行いましたが、そこでは両者を明確に区別した認識は示されていません。

その四か月後に定められた秘密法施行令十八条は、秘密法十条を根拠として、裁判所や情報公開・個人情報保護審査会、そして安倍政権が重層的なチェック体制だとする独立公文書管理監や情報保全監察室など、安全保障以外の業務のために個別秘密の提供を受ける者には適性評価を求めておりません。同じ根拠条文を基に提供を受け得る国会のみが重大な人権侵害に当たる適性評価を行われなければならない理由はないのであります。

それだけ厳格な保護措置を講じても、個別の特定秘密を提供するかどうかは政府の判断次第です。たとえ政府から秘密が開示されても、情報監視審査会の審査は秘密会で、会議録は公開されず、委員ですら許可なく閲覧できません。秘密の開示を受けた議員は、その内容を国会の外で漏らせば刑罰に処せられ、国会質問で取り上げれば懲罰の対象となり、除名処分まで受けかねない。これは、憲法五十一条が保障する議員の発言、質問、討論の自由を奪うものであります。

仮に、例えば外交防衛委員会や予算委員会など各常任委員会が、議院証言法や国会法に基づき、政府に対して資料提出を求め、政府が特定秘密が含まれるとして提出拒否を疎明した場合、情報審査会は、その疎明を審査し、受諾し、提出しなくてもよいとの決定を行う場合があるとされています。例えば、二十一人の委員で構成する外交防衛委員会の決定を、八人の委員で構成する情報監視審査会が、その理由も明らかにせず覆すことになるのであります。常任委員会による国政調査権の行使を制約するものにほかなりません。

情報監視審査会は、政府が拒否した特定秘密の提出の勧告を行うことも規定していますが、この勧告には強制力はありません。

今、国会に問われているのは、国会にこうした秘密保全体制をつくって特定秘密を提供してもらうことではありません。国民の目と耳、口を塞ぎ、国民の言論、表現を抑圧し、日本国憲法の基本原則を根底から覆す希代の悪法である秘密保護法の廃止こそ求め、反対討論を終わります。