186-参-議院運営委員会-004号 2014年02月04日

 ○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。

 ストレートにお伺いしようと思うんですが、私は、公務員の労働基本権について、憲法二十八条に照らしても、それから、ILOから度重なる勧告を受けているように、国際労働基準に照らしても、我が国の国家公務員の状態には重大な問題があって、労働基本権の早期かつ完全な回復が必要だというふうに考えておるんですが、人事官になられるということになるなら、国家公務員制度改革の根本問題であるこの労働基本権の回復問題についてどういう見識を持っておられるかということが大変大事なことかと思うんですが、まずその御所見を伺いたいと思います。

 

○参考人(立花宏君) 全くそのとおりでございます。

 私自身、この労働基本権の問題につきましては、基本法の十二条で、きちっと国民的な理解を得て、改革の全体像を示して措置するということになっていますので、ただその理解がなかなか正直言うと進んでいないというのが残念ながら現状ではないかなと思っています。

 ただ、私は、この公務員の労働基本権につきましては、やはり公務の特殊性なり公務の公共性なり、それからILOにつきましても、国に直接雇われている公務員につきましては、基本権の制約についても、それをきちっとカバーする措置が講じられているんであれば妥当だという指摘もされているというふうに私聞いておりますので、かてて加えて、最高裁には警職法事件における判決もございますので、人事院がその労働基本権制約の代償措置としての機能をきちっと発揮するということ、これを私は大事だと思っていまして、基本権そのものにつきましては、国民の理解をどうやって得ていくかというまだ宿題が残されているんではないかなと思っております。

 

○仁比聡平君 基本権の回復問題については、いささか認識を異に私とするところはあるんですが、それでも、労働基本権制約の代償機能をしっかり果たしていくことが重要だという御発言も今あったわけです。

 その人事院の機能に関して、この間、人事院自身が公務員給与のマイナス勧告を行ったり、あるいは人事院の勧告の水準をはるかに超える七・八%の、平均、公務員給与の削減というようなことが行われてきたわけですけれども、これは当然、労働基本権を回復しないまま公務員労働者に不利益を強要するもので許されないのではないかという指摘が、これは厳しく上がってきているわけです。

 こうして見ますと、本来、内閣から独立して中立公平の立場から労働基本権制約の代償機能を果たすべき人事院が、その役割を十分果たせないような状況が続いてはならないのではないかという声が上がるのは当然だと思うんですが、参考人は、この人事院制度についてどのように理解をし、役割を果たしていかれようと考えておられるでしょうか。

 

○参考人(立花宏君) 今の仁比先生の御指摘は非常に根幹の問題だと私認識しておりますけれども、人事院勧告で、人事院勧告そのものが民間との給与の比較対照した上で国会及び内閣に対して勧告を怠ってはならないということで義務付けられているわけで、そういう意味で、絶えず民間の給与実態の状況を調査した上で政府に申し上げているんだろうと思っていますので、マイナス続いてきたことはそういうことだと思いますけれども、それを乗り越えている形で、まさに国会の御意思として、国権の最高機関である国会の御意思として、大震災あるいは財政の状況を勘案して、公務員もある意味では乏しきを分かち合うということで決断されたことは、これは人事院の勧告の域を超えた、政治、国権の最高機関の国会の御意思だということで、それなりの国民の納得、納得といいましょうか、やっぱりそれが得られるという御判断で国会がされたものだと思いますので、私はそれについては個別にどうこう申し上げる立場にはございません。

 ただ、いずれにせよ、この人事院は、世界各国どこもそうだと思いますけれども、やはり公務員人事が情実とかなれ合いとかえこひいきでやって、御機嫌取った人が偉くなるというのは非常に、どこか近隣の国でもそういう国がありますけれども、それだと国を滅ぼすもとですから、きちっとその人事行政の公正さをいかにして確保するかということは世界各国どこでも恐らく共通の課題で取り組んでいるんだと思いますので、そういう機能と、それから現在のところは基本権制約ということで、その代償機能をきちっと果たしていくということが人事院の根幹の仕事ではないかなと思っております。

 

○仁比聡平君 公務員の公正さということと代償措置をきちんと果たすということが、何だか関連する話ではないのかなと今お話を伺いながらちょっと思ったんですが、よく理解がいかなかったんですけれど。

 国会の意思として、あるいは政治の意思として給与削減が行われるならば、どうこう申し上げる立場にないと今御発言がありました。それは、内閣から独立して、あるいは政治から独立して、権利であるべき労働基本権の代償機能を果たしていくということとどう両立するのでしょうか。ちょっといささか疑問に感じたんですが、時間がありませんので、次、あと一問お尋ねしたいと思うんです。

 先ほど来お話のあるように、参考人は、第一次、そしてこの第二次安倍政権の下で、公務員制度の問題に言わば政府の立場で関わってこられた場面が多かろうと思うんですけれども、この第二次安倍内閣の発足以降、今後の公務員制度改革の在り方に関する意見交換会にアドバイザーとして参加をされているかと思います。

 その下で、先ほども少し話題になった幹部職員の内閣一元管理なども唱えていらっしゃるわけですが、その御発言の中で、人事管理の公正中立性の確保そのものについては異論はないけれども、それを具体的にどう確保するかは、すぐれて立法政策の問題であり、人事院と内閣との関係の見直しも立法府の判断によるものと考えるというような御趣旨の御発言をされたことがあるのではないかと思います。そのお考えをそのまま文字で伺いますと、現在の人事院の権限あるいは機能を弱める方がいいというようなものともうかがえるわけですが、その真意はどうなのかということ。

 今度、人事官にこうして推挙されるに当たって、内閣から独立して中立の立場で役割を果たしていくということをどのように考えておられるか、お伺いをしたいと思います。

 

○参考人(立花宏君) 非常に根幹の問題、仁比先生の御指摘、全くそのとおりだろうと思いますけれども。

 人事院は、国家公務員法に基づく内閣の所轄の下にあるとはいえ、独立した、独立性の高い合議制の委員会だというふうに承知しておりますけれども、国家公務員法自体は国会の御意思によってこれを変更する、修正する、変えることができるわけですから、その意味でいえば、人事院は国会のコントロールの下に置かれている組織ではないかなというふうに思います。ただ、行政権を担う内閣に対しては独立性の高いものだけれども、最終的には国会の御意思の下に従うべき機関ではないかなと思っております。

 それから、人事院の権能の問題について御質問がございました。

 私は、先生の御指摘は、確かにそういう面があるなというふうに思いつつも、一方では、先生がおっしゃったように、私は勉強会でそういう趣旨の御発言をしたことは事実でございます。まあ、一字一句は別にしまして、そういう趣旨の発言をしたことは事実でございますけれども、同時に、私がそのときに申し上げたのは、記録に入っていないかもしれませんけれども、今度は内閣人事局で、ある意味でいえば政治主導性が非常に強化されると。そういうことになればなるほど、実はこの人事行政の公正さといいましょうか、アカウンタビリティーといいましょうか、やっぱりなぜこの人なんだということについてきちっと説明責任を果たせる仕組みが必要になって、仕組みといいましょうか、そういうことが必要になってくるわけで、そうじゃないと、そういう説明をしないと、何だ、えこひいきじゃないかとか、あるいは彼は猟官運動をやったんじゃないかとか、そうやっていろんな変な誤解である意味では組織が腐っていく一因になるものですから。

 そういう面でいうと、人事行政の公正さをいかにして確保するか、平等に取扱いの原則、あるいは成績主義の原則、あるいは公平の原則、こういった三つの原則をきちっと踏まえた、そうした役割を担っている人事院の権能は非常に大事になってくるというふうに、私は逆にそう思っております。

 

○仁比聡平君 時間が過ぎていますので、終わります。