国営諌早湾干拓事業(長崎県)に関する政府・与党検討委員会の郡司彰座長(農林水産副大臣)は4月28日、赤松広隆農水相に対し、湾と有明海を遮断している潮受け堤防排水門の開門調査について「実施が適当」とする報告書を提出しました。同事業と有明海の漁業被害との因果関係を調べる目的。

 提出を受け、赤松農水相は記者団に「検討委の意見を尊重する」と述べ、開門する意向を示しました。反対する中村法道長崎県知事らの説得に当たった上で、5月中にも正式に表明します。

 実際の開門の時期は、現在行っている有明海の環境影響調査(アセスメント)の結果が出る来年4、5月以降となります。

 報告書は、「有明海の再生への可能性を探り、開門の是非をめぐるいさかいに終止符を打つ」ために開門調査の実施が適当と判断。ただ、委員のうち地元の西岡武夫、大久保潔重両民主党参院議員が開門に反対のため、「(一任された)座長の判断」と記しました。

 日本共産党の仁比そうへい参院議員は同日、「一日も早い開門への重要な足がかりとなる」との談話を発表しました。(コチラ→)(しんぶん赤旗 2010年04月29日)