○仁比聡平君 私は、普天間基地問題について総理にお尋ねします。
 鳩山政権が移設先探しに迷走した挙げ句に、キャンプ・シュワブ陸上案だとか嘉手納統合案だとかホワイト・ビーチ沖合案など、結局県内移設、県内たらい回しの押し付けに向かいつつある姿勢に、十九日付けの沖縄タイムスは、県内移設反対の声は日に日に高まるばかりだ、沖縄県民をおもちゃか何かのようにもてあそぶのはいいかげんにしてほしい、四月二十五日県民大会、民意の在り方示すときだと、そういう社説を掲げました。新基地建設反対を掲げて歴史的勝利を果たした名護の稲嶺進市長は、沖縄の名護の民意をどのように思っているのか、怒り心頭を超えてあきれ返り、同じ国民なのかと思わざるを得ない、島ぐるみ闘争まで発展せざるを得ないと訴えているんですね。
 基地のない平和な沖縄、平和な沖縄を願う県民の怒りに火を付けたのはあなた方です。先ほどの答弁を伺っていると、普天間の機能は移転しても基地は継続使用し、有事のときはこれを使う、これもゼロベースで検討していると、そういう趣旨の答弁をされたのではありませんか。もう一度お答えいただきたい。私は、民意を尊重する意思がおありなら、県内移設は一切、直ちに断念すべきだと思いますが、総理、いかがです。

○内閣総理大臣(鳩山由紀夫君) 仁比委員お尋ねのように、私ども、沖縄の県民の民意というものは大事にしたいと、そのように毎度のように申し上げておりますし、今もその気持ちは全く変わっておりません。一方で、御案内のとおり、アメリカとの間の日米同盟というものがあります。核を含めた抑止力という議論も当然行われなければなりません。その中で沖縄の皆様方にも理解を求められるような形の答えを出してまいりたいと、今その中で努力をしてところでございます。
 あえてゼロベースでと申し上げているのは、一つの案というものを今提示をすれば、またそのことで火が付きかねないということでございます。
 今、仁比委員が様々な提案が新聞で出ているというふうにおっしゃいましたけれども、私どもはそのようなものをまだ決めている段階ではありません。すべて推測の中で議論されている話でございます。
 したがって、私どもとしては、とことん沖縄の民意というものも大事にさせていただくような回答を基地の移設案として準備をしてまいりたいと、今はその努力をしているというところを御理解を願いたい。

○仁比聡平君 決めているわけではないとおっしゃるけれども、沖縄県民が県内移設が押し付けられようとしているじゃないかとこれだけ怒っていることを、総理はどう考えているのかと私は尋ねているんです。
 在日米軍は、米国防総省によっても、この数年、常時二千人から三千人以上がイラク、アフガンの戦場に投入をされているわけです。海兵隊はまさに殴り込み部隊なのであって、これ、抑止力なんて言うのかと。こんな部隊は沖縄にも本土にも必要ありません。
 私たち共産党は、総理、今、日米同盟もあるとおっしゃったけれども、基地問題の根本的解決の道は安保条約をやめて日米友好条約に変えることにあると考えていますが、同時に、アメリカと軍事同盟や協定を結んでいた国でも、フィリピンだとかエクアドルだとか、堂々と基地を撤去した例というのは幾らでもあるじゃありませんか。
 県議会は、SACO合意の普天間基地移設条件付返還は新たな基地の県内移設にほかならず、基地負担の軽減につながらない、県民の意思はこれまで行われた住民投票や県民大会、各種世論調査などで明確に示されていると述べまして、普天間基地の早期閉鎖、撤去、県内での新基地建設の断念、これを全会一致で決議をし、県民大会を呼びかけているわけですね。自民党さんから私ども共産党まで、全会一致で沖縄の県議会がこうした決議をした、これ、極めて重いことでしょう。
 琉球新報は二十日付けで、県内移設反対の県民総意の意思表示を県議会が主権者たる県民に呼びかけている、こたえていこうではないかと、こういう社説を掲げました。復帰闘争以来のまさに島ぐるみの闘い、県民の思いがあなた方に突き付けられようとしているわけです。
 国外、最低でも県外とあれほど繰り返したあなたが、その公約さえ踏み破って県民に苦しみを押し付けることは断じて許されません。どんな力をもってしても、今マグマのように噴き上げている沖縄県民の怒りを押しつぶすことは私はできないと、そのことを確信をしています。
 総理、今日この場で県内は断念すると、そのことを明言するべきじゃありませんか。

○委員長(簗瀬進君) 外務大臣岡田克也君。

○仁比聡平君 総理。岡田さん、通告していないじゃないですか。

○国務大臣(岡田克也君) 今の委員のお話聞いておりまして、委員の属する政党は日米安保廃棄ですから、それは前提が違うわけです。
 じゃ、どういうふうにして日本国民の安全を維持していくんでしょうか。安保条約なくして、どうやって維持していくのか。やっぱりそこのところの議論がないと、この議論というのはいつまでたってもかみ合わないと、そういうふうに思っております。

○仁比聡平君 何を言っているんですか。あなた方が日米安保とか抑止力という名で押し付けてきたのが戦後六十五年も続く米軍基地の負担と苦しみ。
 パネルを用意しましたが、(資料提示)国土の〇・六%の面積に七五%の在日米軍基地が沖縄本島に集中する、こういう事態じゃありませんか。
 このパネルで色を付けたところが米軍の基地や訓練場です。米軍犯罪は復帰後だけでも五千五百件を超えて、その一割が凶悪犯罪ですよ。米軍機の耐え難い爆音、墜落、演習の火災、後を絶ちません。世界で見ても、こんな異常な外国軍の基地がほかにありますか。日米安保と沖縄のこの異常、この異常さがこのままでいいのかということを逆に考えるべきじゃありませんか。何言っているんですか。何言っているんですか。
 私は九州の出身ですけれども、移設先に挙げられた地域の住民は地元への移設だけを怒っているのではありません。こんな耐え難い苦しみを沖縄県民に強いてきたこれまでの日米両政府が、同じ国民として許せないんです。総理、そこを履き違えちゃならないと思うんですよ。
 総理にお尋ねをしたいと思います。
 この普天間基地のフェンス越しに普天間第二小学校があります。アメリカの連邦航空法では利用禁止区域、クリアゾーン内にある学校ですが、この小学校の子供たちの避難訓練が毎年米軍機の墜落を想定して行われているということを御存じでしょうか。
 手元に