日本共産党の仁比そうへい参院比例候補は3月19日、熊本県上天草市で開かれた「水俣病について語るつどい」(主催・党市委員会)に出席し、水俣病特有の症状がありながら被害者として認められていない住民と懇談しました。

救済へさらに

 上天草市は一部を除き、水俣病被害者を救済する「水俣病被害者救済特別措置法」の「対象地域外」。救済申請者は自ら水銀に汚染された魚介類を多く食べたことを証明しなければなりません。患者団体や医師らによる「大検診」でも多くの「潜在被害者」がいることが明らかになりましたが、2012年7月末で特措法の申請は打ち切られました。

「水俣病不知火患者会」は、被害者全員の救済を求めて訴訟を準備しています。

 「つどい」には、34人がつめかけました。仁比氏は「どんなふうに魚を食べてきました?」と問いかけました。

 手足がしびれるという75歳の女性は、漁師の家に生まれ、「この魚骨がまがっとうね」といいながら魚を食べてきたとのべ、申請したが「多食していない」として救済の「非該当」とされたと憤ります。70歳の女性は、「魚屋から魚を食べとったという証明書をもらったが、申請すると『どこで取れた魚か証明せよ』と迫られた」といいます。

 「悔しいですよね」と仁比氏が応じると、涙をぬぐう被害者の姿もありました。仁比氏は、「〝天草に被害者はいない〃という国の線引きを私たちは打ち破ってきた」と強調。「海に線は引けない」とたたかってきた道理の力と、団結の力だとのべました。

 水俣病問題の幕引きと加害企巣チッソの救済をはかる特措法について、参院環境委員会のなかでただ一人追及し、自公民による法案の強行を許さないと国会前に被害者と座り込んだことを紹介。「被害者の側に証明を強いる国の態度は許せない」とのべ、「非該当」となった人の異議の申し立ても認めない国・県を批判し、「私たちにはなぜ非該当なのか理由を示せという権利がある」と力を込めました。

 水俣病不知火患者会の山口広則さんは「水俣病の解決のためには政治の力が必要」と訴えました。日本共産党の宮下しょうこ市議が市議会でも救済を求めて奮闘していることを語りました。(しんぶん赤旗 2013年3月21日)