日本で働く外国人(128万人)の約2割を占める留学生が人材ビジネスの食い物にされ、技能実習生と同じく失踪や自殺未遂に追い込まれる実態があるにもかかわらず、政府が全く把握していないことが明らかになりました。日本共産党の仁比聡平議員が11月15日の参院法務委員会で浮き彫りにしました。

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 仁比氏は、今国会で出入国管理法改定案を成立させ来春から外国人労働者受け入れ拡大を狙う政府を「実態を把握せずに推し進めるなどもってのほかだ」と批判しました。

 留学生は「留学」の資格で在留を認められ、「資格外活動」である就労は週28時間以内と定められています。日本で働く外国人のうち、留学生を含む「資格外活動」は23・2%。技能実習生は20・2%です。(2017年10月末現在)

 仁比氏は、新聞報道を元に、日本語学校理事長が人材派遣会社を経営し、自校の留学生からパスポートを没収して派遣アルバイトに従事させ、週28時間以上働かせた上に、給与を天引きしたり不当に高い家賃を徴収したりした事例を紹介。日本語学校のうち文科省管轄の学校教育法に基づくのは約3割にすぎず、管轄外の学校の大半は営利目的の株式会社立だとして、日本語学校が人材ビジネス化する実態があるのではないかと迫りました。

 こうした手口について警察庁は見解を述べず、厚生労働省は、日本語学校が人材派遣業・職業紹介業の許可を得た件数を「承知していない」と答えました。

 仁比氏は、西日本新聞によれば15年に九州7県で80人程度の留学生が行方不明になっているもようだとして、「実習生同様、出稼ぎ労働、人権侵害の実態があることを認識して議論する必要がある」と強調しました。(しんぶん赤旗 2018年11月16日)