日本で暮らす外国人の人権を無視し、命を危険にさらす入管法改悪案の審議が5月16日の参院法務委員会で始まりました。日本共産党、立憲民主・社民、れいわ、沖縄の風の野党4会派が共同提出した難民等保護法案と入管法改正案もあわせて審議しました。

 

仁比氏質問に山添氏答弁

 

 

 日本共産党の仁比聡平議員は、不服を申し立てた外国人の審査を行う難民審査参与員(法相が指名)の仕組みなど、難民認定を独立した難民保護委員会で行う野党の対案の意義を質問。発議者の日本共産党の山添拓議員は、現行法では難民認定が入管庁の裁量に委ねられ「公平性にも中立性にも欠ける運用がされてきた」と指摘し、難民条約や国際機関の指摘に即して「出入国管理と難民保護を行う主体とを分離する、これが必須だと考えたものだ」と答弁しました。(質問動画はコチラ)

 

 仁比氏は、2年前に名古屋入管で亡くなったウィシュマ・サンダマリさんら収容前は元気だった人には、収容後に「眠れない」「食欲がない」「血圧が高い」などの異変が多いと指摘。▽眠剤や抗不安薬等の処方例はあるか▽「収容が原因」と診断したカルテはあるか▽症状などを本人以外が医師に説明したのは何件か―とただしました。

 西山卓爾出入国在留管理庁次長は「業務上統計を作成していないので、お答えすることは困難」と繰り返すのみ。仁比氏は、政府案は「社会的に必要な医療を提供しましょう」という方向の議論だから入管行政が「改善される」と主張しているのに、これまでどうなってきたのかをはっきりさせないと「前に進められない」と批判しました。(しんぶん赤旗 2023年5月17日)