○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。今日は最初に質問させていただくことになりました。

法案は当然のものであり、いずれも賛成をさせていただきます。

そこで、今日はまず裁判所職員の増員の問題についてお尋ねをしたいと思うんです。

御存じのとおり、家庭裁判所に係属をします成年後見事件、これがこの間うなぎ登りに急増をして、言ってみれば、うなぎ登りが止まらないというような状態だと思うんですね。さきの国会で成年後見利用促進法も成立をいたしました。更に増加が見込まれるわけですが、この成年後見利用促進法に基づいて内閣府に基本計画策定委員会というのが設置されて、最高裁家庭局長がこのメンバーとなられています。

日頃は、家庭裁判所は申立てあるいは受けた事件を判断するという機関になるわけですけれども、ここは家庭局長が、職場の実態、例えば事件というのは百件あれば百の顔があるというふうに言われます、その百通りの家庭あるいは子供に関わる事件、それから成年後見という必要性に関わる事件の丁寧で科学的な調査をしっかり行うということ、加えて、適正、迅速で丁寧な対応をそうして増えていく事件に対してしていくということになれば、関係者への連絡も含めて、書記官さん中心に事務官も含めた対応というのは極めて繁忙になっていると思うんですよね。

そうした家裁の現場の実情、考え方あるいは人員の必要性や職員さんのシフト、手当ての問題など、こうした実態をこの内閣府の基本計画策定委員会に反映させるために、是非ここは積極的に家庭局長が全司法を始めとした関係者の皆さんの声も聞きながら反映をさせていただきたいと思うんですが、この臨む決意についてお尋ねをしたいと思います。

○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。

委員御指摘のとおり、本年九月、成年後見制度の利用の促進に関する法律に基づいて設置されました成年後見制度利用促進委員会の委員に当職も任命をされまして、同委員会に委員として参加をさせていただいております。

成年後見制度促進委員会は、内閣総理大臣を会長とする成年後見利用促進会議から、政府において閣議決定されることとなっております成年後見制度利用促進基本計画の作成に当たって委員会としての意見を求められておりますので、委員の御指摘にありましたような家庭裁判所の実情や取組の状況について御理解をいただいた上で委員会としての意見を取りまとめていただけるよう、当職も委員会の御議論に臨んでいるところでございます。

そうした御理解を求めている実情といたしましては、まさに委員から御指摘のありましたとおり、成年後見関係事件につきましては、高齢者人口の増加等を背景に制度の利用者が累積的に増加をしている状況にございます。また、成年後見人等による不正が後を絶たないという状況にもございます。

そこで、家庭裁判所には、累積的に増加している成年後見関係事件を適正かつ迅速に処理しつつ成年後見人等による不正事案にも適切に対応していくことが求められておりまして、そのような種々の課題に対処するため、各家庭裁判所において、実効的かつ合理的な事件処理の在り方について継続的に不断に検討が行われているものと承知をしております。

今まで開催された委員会におきましても、必要に応じて最高裁判所事務総局において調査、あるいは現場の意見等も含めまして収集した資料等を紹介いたしまして、そうした紹介をいたしながら、各家庭裁判所において進められている検討の状況について御説明をさせていただくなどして、家庭裁判所の実情と取組について御理解いただけるよう努力してまいったところでございますが、今後も委員会におきまして各家庭裁判所の実情を踏まえた充実した検討が行われるよう、引き続き努力をしてまいりたいと考えております。

○仁比聡平君 おっしゃるように頑張っていただきたいと思うんですけれども、私はやっぱり決め手は抜本的な増員なんだと思うんですよ。人を増やすことと、そして専門性がある調査官あるいは書記官、必要な事務官含めて、やっぱり育てていくことということが大切なんではないかと思うんですが。

特に調査官について伺いたいと思うんですけれども、少年事件について丁寧な対応が求められるというのはもう言うまでもありません。そして、家事関係が極めて繁忙を極めているという状況なんですけれども、調査官職は女性が大変多いです。そうすると、産休、育休ということも課題になるわけですけれども、専門性の高い職種ですから、お休みいただくと、お休みにはなられなきゃいけないんだけれども、そうすると、その代わりに言わば欠員を埋めるというのはそうそう容易じゃないという状況にもあると思うんですよね。

ここ十数年振り返ってみて本当に十分な増員がされているとは思えないのですけれども、来年の概算要求に向けてもなかなか厳しい状況なのではないか、これでは不十分なのではないか。皆さんの御認識はいかがですか。

○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。

家事事件につきましては、事件数が増加傾向にございます。特に成年後見事件の申立ては増加している状況にありますから、裁判所といたしましては、これまでも、例えば大規模庁におきまして後見事案を専門的に取り扱う部署を設置するなど、各家裁の実情に応じた体制面の整備に努めてまいりました。特に、人員ということで申しますと、成年後見事案につきましては、裁判官の命を受けて各種書類の点検を行ったり手続案内を行ったりする裁判所書記官を相当数増員することに加えまして、平成二十五年以降は判事を増員することによって人的体制の整備を図ってきたところでございます。

今御指摘になられました家裁調査官の人的体制につきましては、このような家事事件及びもう一つの少年事件の動向を踏まえて不断に検討しているところでございます。

増加傾向にある後見関係事件につきましては、先ほども答弁いたしましたが、各家裁におきまして実効的かつ合理的な事件処理の在り方を現在検討しているところでございまして、家裁調査官の関与の場面といったところにつきましては、不正がうかがわれる事案で親族や後見人等への調査を必要とする場面など一定限られた場面ということもございます。また、成年後見事件の処理ということで申しますと、先ほど申し上げましたような判事あるいは裁判所書記官を活用するということが重要だというふうに考えております。

一方、少年事件につきましては長期減少傾向にございます。平成二十五年と二十七年を比較いたしましても、十二万件から約九万件ということで、その減少傾向はとどまらないところでございます。

このようなことを踏まえまして、平成二十九年度、来年度におきましては、家裁調査官の現有人員を有効に活用することによって、一件一件の顔を踏まえた家庭事件、少年事件の適正、迅速な処理を図ることができると考えた次第でございます。

○仁比聡平君 局長とは随分この議論をするんですけれども、今日時間が余りないからまたの機会にしたいと思いますけど、少年事件、事件が減っているって、それは少子化だから全体の事件減っているわけですけれども、そういう中で複雑困難な事件に裁判所そして調査官も向き合っていると。その一件一件を本当に丁寧に見ていくということがとても大事なんですよね。絞ればいいというような話に絶対にならない。それは書記官そして事務官の皆さんも同じだと思うんですね。

だから、抜本的な増員を強く求めるという立場に最高裁が立って臨んでいただきたいし、家庭局長のその基本計画策定委員会に臨む上でも、そうした構えを是非お願いしたいと強く求めておきたいと思うんです。

一方で、事務局全体の部門の繁忙というのも大変でございまして、例えば会計に関わる部門で、お金に関わりますから、この間の幾つかの事案なんかもあって適正な事務ということが強く求められていると思いますし、それから国民の皆さんへの求められたときの情報公開という問題もあります。

一方で、先ほど中村局長のお話にありましたけど、大規模庁に人が必要だと、それはそうなんですよね。それから、裁判部の強化が必要だということがこれは当然あるということになって、小さい庁、あるいは裁判部ではない会計などの事務部門というのはこれずっと増員がない。その中で、メンタルヘルスも裁判部と同じような状況で、例えば長期休職者なんかも出ているという状況だと思うんですね。

来年度の概算要求で事務官十九人の増員を求めていらっしゃるんじゃないかと思うんですけれども、これもそうした現場の繁忙の実態を解決するにはなお極めて不十分なのではないかと思いますが、来年度の概算要求は是非実現していただくとして、さらにこの事務部門の増員を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 今御指摘ございましたように、概算要求時点におきまして事務官十九人の増員を要求しているところでございます。人的体制の整備ということは、裁判所にとって極めて重要な課題というふうに認識しているところでございます。

今回の概算要求時の増員ということは、今のこの増員要求数が実現できますれば、現有の人員を有効活用することで体制強化が図られるというふうに考えておるところでございますが、今後とも、事務処理状況等を注意しつつ、現有人員の有効活用ということも検討しつつ必要な体制整備には努めてまいりたいというふうに考えております。

○仁比聡平君 いや、必要な体制整備は増員あってこそと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

刑事局長にもおいでいただいておりまして、私、地元北九州なんですけれども、大型暴力団事件について、せんだって裁判員への威迫という事態が起こりました。こうしたことがないように、裁判員や傍聴者のもちろん安全、そして威迫というような事態が起こらないように、裁判所が適正な警備を強化するという取組をしておられると思うんですが、それが当該庁にとってはやっぱり負担が重いということもあると思うんです。

これ、軽減していく必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(平木正洋君) お答え申し上げます。

要警備事件におきましては、法廷等における警備要員の配置、金属探知機による所持品検査などの方策を講じておりますところ、警備に当たりましては、庁の実情に応じて裁判所の特定の部署や職員に負担が偏ることがないよう工夫しているものと承知しております。また、長期間の警備を要するような事件につきましては、必要に応じまして外注警備員に警備業務を委託することもございます。

裁判所といたしましては、このような措置を講じることにより、職員の負担に配慮しつつ、事案の性質、内容に応じて必要な警備を行ってまいりたいと考えておるところでございます。

○仁比聡平君 是非、職員さんたちの負担が重くなり過ぎないように、もちろん重大な事件が扱われているわけですから一定のストレスというのはこれはあるでしょうけれども、重くなり過ぎないように是非御配慮願いたいと思うんです。

最後に、そうした職員さんたちの通勤やあるいは研修に当たっての交通費の自己負担が実はあるという超具体的なお話、声を伺いました。

例えば、家裁調査官でいいますと、全国異動が基本な上に、調査官同士で結婚されるということになれば、同居することなく全国転勤が続くというみたいなことになって、だから単身赴任手当が支給されないみたいな笑い話みたいなことが職場ではあるようなんですけれども、新幹線通勤ということがあったときに、それが上限があって全額は手当てがされないわけですね。だけれども、こういうことだと、なってくださる方、続けてくださる方がやっぱりどうしても限られてきちゃうんじゃないか。

それから、同じ県内で本庁に研修に行くときの特急料金がちゃんと出してもらえなくて、何時間も掛けて在来線で行かなきゃいけないなんというような声も聞くんですけれども、そうした中で月三万円以上の交通費の自己負担をしているというような職員さんをなくしていくために是非御努力いただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。

家庭裁判所調査官を含む裁判所職員につきましては、委員御指摘のとおり、裁判所職員臨時措置法において準用いたします一般職給与法の規定に基づいて通勤手当を支給しております関係上、新幹線料金の全額が通勤手当として支給されるわけではないという実情にございます。

こういった扱いにつきましては、関係法令に従って支給されているものでございまして、他の国家公務員と同様の運用がなされているものと承知しているところでございます。

○仁比聡平君 頑張って直してください。

終わります。